ゆにおん・ネタ帳

全国3700ほどの労働組合とのお付き合いの中で、記憶に残るエピソードや、これは使えるといったネタをご紹介していくコーナーです。
2018年 - 2017年 - 2016年 - 2015年 - 2014年 - 2013年 - 2012年 - 2011年 - 2010年 - 2009年 - 2008年

2018年

労働法が改定されるこれからがチャンス!
池上 元規
2018/06/17 New

みなさんの労働組合の「存在意義」はどのように定義していますか?
一般的には綱領、理念や規約に掲げているのではないでしょうか。
綱領や理念は設立より、変えずに普遍的な位置づけとしている傾向があります。

公然の事実として、この綱領、理念のもとになっているのが、労働組合法第2条。
労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する

おそらくみなさんの労働組合の理念や綱領に「労働条件の維持改善」「経済的地位の向上」などの文言が入っていることでしょう。
組合活動の実態としては賃上げ、労働条件の改善などにとどまらず、幅広い取り組みを行っています。

ただ、組合員から組合への率直な希望や興味関心事は「賃上げ、労働条件の改善」だと思います。
そこで、綱領や理念に掲げている「労働条件の維持改善」「経済的地位の向上」を成果として可視化できるのが労働協約ではないでしょうか。
労働協約は労働組合が存在しないと締結できません。会社と労働条件等について対等に協議できる制度です。
労働組合が無い企業では就業規則によってワークルールが定められています。
就業規則とは会社の憲法とも言われていまして、集団的・統一的に労働条件や服務規律などについて使用者が定めたワークルールとなります。
また、労働条件などのワークルールは就業規則に記載して周知する義務が会社にはあります。

ただ、ここが重要で、就業規則の作成と変更に際しては、
従業員の代表から意見を聞いて書面に記名押印して、労基署長に届けて出れば成立します。
もう少し踏み込んで書くと、従業員の意見の賛否は問わず就業規則は受理されます。

一方で労働協約は労使の合意なくして変更はできません。
労働協約の締結内容や協議事項については、労働条件・賃金以外にも協議することが可能で、原則法的制限が無いのが特徴です。労働条件等について会社側からの一方的な作成・変更を防ぐためには、労働協約の締結に向けて労使が対等な立場で協議し、
就業規則同等またはそれ以上の労働条件等を書面に残し、会社と集団的な労働契約することが必要です。

本来、労働組合は労働協約を締結することで存在意義が発揮されると言っても過言ではないでしょう。

しかし、多くの労働組合で労働法のセミナーを実施していますが、
参加者に「労使協定と労働協約」「団体交渉と労使協議」の違い、「労働契約、就業規則、労働協約」の効力の優先順位などを
質問してもあやふやな回答が返ってきます。
また、労働協約の存在や内容についても同様に質問すると、①~④ケースに該当することが多いです。

 ①そもそも周知されていないから知らない
 ②周知しているようだが保管場所がわからない
 ③存在や保管場所もわかるが見たことがない
 ④見たことがあるが、読んだことがない

そもそも労働協約を周知していない、周知していても認知されていない、見たことはあるが内容まではわからないケースが多いです。
このことからも周知の仕方や理解の促し方にも課題があるようです。

 <参考>
厚生労働省 平成23年労働協約等実態調査結果の概況
 ①労働協約の締結の有無  有り91.4% 無し8.6
 ②周知の方法(している86.4 %/していない9.9%)
・労働組合員全員に配布・・・・・・・・・・・・・・・・39.7

・職場ごとに回覧、提示・・・・・・・・・・・・・・・・40.4

・説明会の開催・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23.2

・電子的手段(インターネット、LANなど)の活用・・・・・32.8

・その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.1

 調査時期:平成23630日現在 調査対象数:4086件 有効回答率は63.6

組合の三役からすれば、支部執行委員クラスなら最低でも労働協約の内容や基本的な考え方ぐらいは知っておいて欲しいところでしょう。
組合員からすれば「仕事も忙しくわざわざ労働協約なんて読んでいる暇はないですよ」と言いたいのかかもしれません。

これから「働き方改革」の取り組みと関連して、早ければ2019年4月より「時間外労働の規制」など
労働法の改正も予定されています。
多様な働き方やワーク・ライフ・バランスの実現に向けて各企業でもワークルールの変更や見直しがこれから進んでいきます。
これは組合員の働き方にも大きく影響し、重要な関心事項となり得ます。

組合員が組合に対して興味関心が無いと頭を抱えている現状に対して、
ワークルールの見直し、変更が増えるこの機に、組合活動の根幹である労働協約をもっと上手に活用しない手はないと思います。


 改めて労働協約の意味や価値を知らない組合役員及び組合員に理解を促し、
労働組合としての存在意義、労働組合の特権・メリットをもっとアピールすることで労働組合への理解が深まることでしょう。


「ビジョンストーリーマップ」のご紹介
荏本
2018/06/10 New

組合活動は、情報収集・情報伝達の繰り返しです。
頻度や中身の差はあれど、対話、会議、オルグ、広報活動など、組合にはさまざまなコミュニケーション活動が存在します。

しかしながら、組合役員の入れ替わり、情報ツールの不整備、組合員の帰属意識の低下などにより、
「決めたことそのものが認識されていない」「決めたことが遂行されない」「目的のレベルがばらばら」……
といった問題が発生しがちです。場合によっては毎年活動がリセットされている組織も。

組合活動をステップアップさせながら、情報のやり取りの方法・行動の継承を実現するために、
組合役員向けの「ビジョンストーリーマップ」というアウトプットをご紹介します。

------------------------------------------------------------------------------
ビジョンストーリーマップ

◆主なねらい
1 個別の問題提起に終始せず、「目指す状態」に向かう組合活動を意識する。
2 できるだけ多くの組合役員が前向きに活動構築に関与する。
3.アイデアや議論の軌跡を可視化し、活動実践や後任への継承に活用する。

◆やり方
1 テーマを決める(組合全体、支部別、職場別、「労使関係」「働き方改革」などの課題別 etc)
2 そのテーマの目指す状態と達成目標時期を定める
3 目指す状態に至るまでに中間ポイントを2~3か所置く(例:半年後、1年後)
4 各ポイントの目指す状態を定める
5 各ポイント間で必要な活動・行動を出す★
6 全体をチャートで表現 ⇒ビジョンストーリーマップとして模造紙にまとめ★

------------------------------------------------------------------------------

特に★部分を共同作業により、目指す状態(ビジョン・方針など)への意識が高まり、
活動構築の意味理解や組合役員同士の価値観共有などが期待できます。

また、研修カリキュラムとしてはもちろん、ビジョンストーリーマップをアレンジすれば
活動方針策定、組合員向け議案書、労使協議用の資料、職場集会用の資料などにも活用できるでしょう。

《お問い合わせください》
既に、いくつかの組合様で課題解決や方針策定に向けたビジョンストーリーマップづくりをお手伝いしています。
進め方・具体的なアウトプットイメージなど、詳細はお問い合わせください。

労使が目指す組織づくりに向けて
吉川 政信
2018/06/03
労使が目指す組織を一言でいうならば、労使双方が感じる「良い会社」をつくることだと理解できる。
「良い会社」の指標としては、財務諸表の結果が代表的な指標といわれるが、財務諸表の結果だけではその結果に至ったプロセスを読み取ることは難しい。プロセスとは、例えば労使が合意した事業計画がその通りに運営できたか、継続して事業を発展させていくための人材育成や業務改善を行うことができたか、また、職場で働く従業員が「やる気」や「活力」のある状態で働け、今後もポジティブな状態で働く意思も持てている状態か、などが挙げられる。それらを測る指標として、代表的なものこそが「従業員満足度」である。

昨今、労使で力を入れて取り組んでいる「働き方改革」は、労働生産性を高めるための施策といわれるが、生産性を高めるためには従業員一人一人の満足度を高める取り組みを意識しなければ、継続した改革は難しいと考えられる。また、働き方改革も含めて経営施策を変更する際に重要となるのは、数値化された目標だけではなく、むしろ施策を実現する目的が一人一人の従業員にとって何を意味し、組織としてどのような姿を目指しているか、その期待を示すことが大切である。この期待こそが戦略であり、戦略は労使でしっかりと対話・合意し、夢や希望を与えるものでなくてはならない。

2016年より厚生労働省が開始した「働きやすく生産性の高い企業・職場表彰」で表彰されたSCSK株式会社の取り組みを通じて感じるのは、スマートワーク・チャレンジの取り組みの中で実施してきた有休・残業目標に達成した職場単位に、特別ボーナスの支給や20時間分の残業代を固定支給する制度など、インパクトのある制度の取り組みに世間からは強い印象を持たれている。だがその背景には、何に基づいて取り組むかを示したメッセージがしっかりと落とし込まれていることが大きく影響している。「社員の心身の健康を保ち、仕事にやりがいを持ち、最高のパフォーマンスを発揮してこそ、お客様の喜びと感動につながる最高のサービスができる」というメッセージに従業員が共感し、行動した結果と考えられる。

では、労使がどのようにして目指す姿に向けて取り組むことが効果的なのか。そのポイントは、

①(労使)トップの明確な従業員への宣言
②従業員満足(ES)の向上を目指した視点
③現場主導によるボトムアップ型の取り組み
④意識改革・業務改革の視点での職場活動の展開
⑤人材育成(管理職、組合員の育成〈研修、対話活動〉)


の5つが挙げられる。
最近では、①~⑤を推進するために多くの労使で力を入れているのが職場労使懇談会である。職場労使懇談会では、職場ごとに目指す姿を共有し、目指す姿に対する阻害要因があれば、その解消に向けた検討を行い、目標を定めて具体的な活動へと展開していく。
職場労使懇談会では自由闊達な意見を奨励しながらも、具体的な行動計画まで落とし込み、最終的には参加者の行動を促進するファシリテーション型の進行を行うことが効果的である。また、ここで大切になるのは、お互いの強みに着目し、その強みを活かした取り組みをコミットし、お互いに取り組むことを定め、実行することである。また、労使懇談会は一過性の取り組みで終わらせず、実行計画を描き、その経緯を定期的に共有しながら、進捗確認と改善を繰り返し展開していくことも大切である。さらにこのプロセスに関与することが職場課題解決能力を向上させ、人材育成へとつながる。労使対話の場をシステム化し、プロセスを共有しながら、目指す労使ビジョン達成に向け取り組みを強化する風土づくりを形成することで、今後も起こりうるさまざまな事象を乗り越えることにもつながると考える。
組合員の「不」を取り除くために
清水 典明
2018/05/26
多くの組合では、そろそろ今期の活動の総括、及び来期に向けての活動方針・計画の検討を始める時期ではないかと思います。
どういった活動が所属する組合員にとって有益なのか、組合訪問時に私もよく相談をいただきます。

企業活動の顧客満足の観点から、組合活動でもヒントになるのではということを記載します。
企業活動の顧客満足度向上の重要な考え方の一つとして、「不」を取り除くことがよく言われます。
不便、不安、不足、不快‥。
製品やサービスで各社が創意工夫をしながら顧客満足を高め、社会貢献と企業の発展に力を注いでいます。

組合活動の観点でも、組合員の「不」を取り除くことが活動への満足度を高めていくことにつながるのではないでしょうか。
・不信‥活動の目的が分からない
・不安‥会社との対立に巻き込まれるのではないか
・不快‥職場の実態を見ていない
・不必要‥労組があっても変わらない
・不満‥入っているメリットが見えない

上記の観点を考えてみると、今後どんな活動が必要なのかが明確になってきやすいのではないかと考えます。
ビジョンや活動の目的を定義し説明をしていく、会社と目指す方向は一緒で建設的な議論をしていることを伝える、
職場の声をしっかり把握し、解決に向けた取り組みをしていく‥ など。

弊社でも上記取り組みとともに、組合役員の皆さんの不安や不足といった「不」を取り除くために活動をしています。
お気軽にご相談ください。
中高年組合員の活性化
三橋 秀郎
2018/05/20

皆さんの組合では4050代組合員の活性化に取り組んでいますか?

 

最近、ある労働組合の役員から中高年組合員への対策を行いたいとの相談を受けた。
その相談内容は以下のようなものであった。

・若手は短期間での昇格の機会が多いが中高年になると昇格しずらい制度になっている

・色々と業務改善できる権限は持たせてもらえているがチャレンジしようとしない。
チャレンジしないと評価が下がる

・結果、くすぶっていてモチベーションが下がっている

「仕事や生活など人生を振り返り、生きる方向性を見出して充実した人生を送ってほしい」

という相談であった。

 

労政時報が201612月に「40代・50代社員の課題と役割に関するアンケート」を行った結果によると、
4050代社員への課題認識を、強く課題を感じる・やや課題を感じるで86%であった。

その具体的内容として一部抜粋であるが以下の内容が挙げられている。

・ポストが限られる中で、いかにモチベーションを維持し成果創出につなげるか

・管理職層が多忙で、かつ環境変化や人材の多様化により適切なマネジメントができない

・「スキルの変化に対応できない」「定年が見えてきてモチベーションが低下」
「若手社員との考え方・感じ方のギャップが起きている」

 

このような中で必要な対策として3点が考えられます。

①キャリアの目標をポストなどの「外的キャリア」ではなく自分にとっての仕事の意味や価値など
「内的キャリア」へシフトする

②上司がキャリアに関する理解を深め一人ひとりが多様な考え方があることを受け入れる

③役職に就かなくても上のステージを目指せるようにしてモチベーションを高める(匠制度など)

 

上記対策について既に会社や労使で実施しているのであれば問題ありませんが、
まだ未着手であるのであれば「全組合員の幸せ実現」のために、まずは組合として、
できることやれることを行っていく必要があるのではないでしょうか。

 

■組合でできる対策

①仕事だけでなくライフも含めたキャリアを考える機会を創出する

(キャリアマネジメント研修や気づきを促す記入式シートなど)

②多様な考え方を理解しあうための気楽でまじめなオフサイトミーティングの実施する

③お互いがどのような能力を有しているのか理解し合う現場の知恵フォーラムを開催する

などなど組合としてできることはあるかと思います。

 

上記対策も一例に過ぎませんので、もし中高年世代の対策にお困りの組合の方がいらっしゃいましたら
お気軽にご相談ください。

ホームページリニューアルの際に考えること。
三浦 卓也
2018/05/14
昨年後半から、組合ホームページをより活動に活かすべく、リニューアルのご相談を多くいただいています。
 
今回は、ホームページリニューアルを考えるにあたり、事前に整理しておくと良い点をお伝えしてみたいと思います。
 
 
1)コンセプト(ホームページに担わせたい役割)を決める
インターネットを使ったサービスはスマートフォンの普及もあり、いまや生活や仕事にはなくてはならない道具、インフラみたいなモノになっています。
 
その中でもホームページは、提供する側のコンセプトや作り方により、さまざまな役割を与えることができる、10徳ナイフみたいなツールであり、組合にとっては、年間のさまざまな組合活動を「サポート」してくれる「新しい手段のひとつ」と言えるでしょう。
ただ、なんでもできる反面、使いこなさないと、ただの飾りになってしまうのも、世の中の万能便利グッズと同じような側面があります。
 
そんなホームページを活用するためには、ホームページで担ってもらいたい役割が組合活動の「どのの部分」であるか? いわゆるホームページのコンセプトを決めることが大切になります。
全てのページが決めたコンセプトに向かっていればこそ、運用する側も閲覧する側も、迷わずにホームページを運用していくことができます。
 
なお、その役割をホームページに担わせたい、と考えるにいたった課題は何でしょうか?
その課題を解決したとき、組合や組合員は「どのようになっている」ことが望ましいですか?
ホームページに担わせたい役割=コンセプトを、一つでも、複数でも、まずは決めてください。
 
 
2) ホームページの役割を順位づけする
多くの労働組合様では、限られた時間の中で様々な活動を行っています。
そのため、さまざまな課題が、各分野で既に山積みされていることもよくお伺いします。
 
そのなかで、少しでもホームページに役割を担わせることで、より重要な活動に時間も人も注力するべきですが、ホームページを運用するのもまた人間です。一度にできることには限りがあるでしょう
大変難しくはありますが、1)で決めたホームページに担わせたい役割についても、順位づけをしてみてください。
多くの人に重要なもの、とか、短期的に重要なもの、あるいは組合の課題に直結するもの、みたいな区分け程度でも十分です。
最優先で大事なものを2〜3に絞り、それを中心に他の重要なものを配置していくことが、新しいホームページの構成を考えることにあたり大事になってきます。
 
 
3)目次と見出し、順番とまとめ方を考える
ホームページは1冊の本やカタログと一緒です。
初めてその本を目にする人が、知りたい、読んでみたいと思えるような見出しの付け方や、関連するページを近くにまとめて並べることで、見る方が欲しい情報に少ない手順で辿り着ける、あるいは作成側が見てもらいたい情報に簡単に辿り着けるよう中身を整理し、まとめることは大切です。
 
 
4)新しい素材を準備する
インターネットでの情報は、常に最新の情報であることが、現在では一般的になっています。
ホームページに掲載する(したい)情報や資料、数字は、リニューアルにあたっては最新のものを準備することを心がけてください。
常に新しい情報がそこにある事実が、見る方の信頼を得ることや、頻繁なホームページへの再訪につながっていきます。
 
また、将来その数値やデータが変わる可能性があるものは、その更新が誰にでも、簡単にできるように構築することも、ホームページ運営のハードルを下げるために必要です。
 
 
5)更新の手順、担当を確認する
ホームページの情報は4)で説明している通り、定期的に更新していくことが大変重要です。
誰が、いつ、どのような形でホームページ上の情報を更新していくかをホームページの構成に沿って決めていくと、リニューアル後の運営が大変ラクになります。
 
 
以上、当たり前のことばかりではありますが、改めて作業することで、いままで気づかなかった課題や良い部分なども浮かび上がるかもしれません。
また、リニューアルしたい中身が整理整頓され、可視化できることで、その後のリニューアル完了までの必要な時間が大幅に短縮されますので、ぜひお試しください。
「ユニオンガバナンス」とは何か?
浅野 淳
2018/05/06
「コーポレートガバナンス」から捉えると!?
2017年11月号の連合総研レポート(No.331)の特集「コーポレートガバナンスと従業員・労働組合のチェック機能」では、2015年に策定されたコーポレートガバナンスコードに労働組合が取り組むこととして「会社に説明を求める」「コーポレートガバナンス報告書を確認する」を2本柱として加盟労組に呼び掛けています。具体的には、「ESGをはじめとする企業の持続可能性を巡る諸課題について情報開示を会社に促す取り組みを進めることが重要である」と記載されています。
「コーポレートガバナンスコード」の基本原則によると、「企業のステークホルダーと適切な協働に努めるべきである」と記載されています。労働組合は、従業員代表として企業のステークホルダーの一部であり、企業経営を担う経営者に対して情報開示を求めていくことは確かに重要です。

否定できない重要なことから、肯定的に捉えて大事なことに置き換える!
そこで一歩踏み出すためには、労働組合が「コーポレートガバナンス」を受動的に受け止め、促進に向けて自らの活動課題を形成するレベルから、主体的に受け止め、新たな労働組合の価値創造に向かうための「ユニオンガバナンス」とは何かを確立し実践することが大事になります。
そもそも「ガバナンス」とは、一般的には「ガバメント」(政治・統治・行政・支配)」とほぼ同意であるとの認識から受動的印象を持つ言葉です。しかし、「ガバナンス」の本質は「組織や社会に関与するメンバーが主体的に関与を行う意思決定・合意形成のシステム」と意味づけされています。
とすると、ユニオンガバナンスとは労働組合に関与するメンバー(執行委員・職場委員/経営者/組合員/地域社会の人々)が、主体的にその組織内外の活動や運動に関与し、意思決定や合意形成に関わる行為、ということになります。

ガバナンスを通じて関係者が価値を生み出すことが目的!
活動リード役となる「執行委員・職場委員」、活動協働者である「経営者」、運動主体となる「組合員」、運動の相互関係にある「地域社会の人々」が、公正性や納得性・倫理性を実感しながら労働組合に関与するかが重要です。
例えば、労使協議会が、執行委員と職制代表者が共に納得のいく話し合いの場として開催されている、職場委員が主体的に組合員を巻き込みながら職場自治を行っている、組合員が労働組合の政治活動に参加することで受けた影響により地域社会で主体的に運動している。これらの場では、その活動の当事者や関係者が労働組合によって生み出される価値を実感する瞬間となっています。このような価値を生み出すことがガバナンスを通じて実現したい状態です。

ガバナンスの問題は、「活動」と「運動」のバランスにあり!
「活動」とは、関係者が組織を機能させ価値を生み出すために当事者意識を持って行動していること。
「運動」とは、関係者の自発的な行為により組織内外問わず価値を生み出していること。このように区別してみることで、ユニオンガバナンスのあり方が浮かび上がります。
これらの活動や運動が展開される状態を、できる限り多くの関係者との対話を通じて議論することで、これからの労働組合のあり方・やり方を模索することが第一歩となります。
(下図がそのバランスになります)



では、具体的に何をするのか?
まず、「活動」については、組織を機能させることによって生み出したい「提供価値」の基準を明確にすることです。例えば、労使協議会によって生み出す価値や、職場委員がその活動によってどのように成長するか、職場会の活動で生み出す成果、などを指標化することです。
次に、「運動」については、労働組合から生み出された「存在価値」(指標化しにくい価値)を何らかの方法で調査して把握することです。例えば、職場委員が年間を通じて活動することによって得たものを確認すること。労使協議に参加した職制代表者の気づきや学びとった内容を把握すること、などです。
最もしてはいけないことは、単に指標化して上位組織が管理すること。指標化せずに生まれている価値に着目しないことです。
ユニオンガバナンスとは、労働組合が生み出す提供価値を想定し、組織のリソース(人・モノ・場・情報)を最大限活かすために計画し実践すること。労働組合が存在することで生み出された価値を組織のリソースとしてこれからの計画に活かすこと。この2軸を調和させることから生まれるものです。
来期方針を策定する一助になれば幸いです。

組合役員経験をチャンスに!
丸山
2018/04/29
組合役員経験をチャンスに!

組合活動に対して
パターン①『仕事との両立が困難』『活動をしたいが予算がとれない』『組合員の関心が低い』
パターン②『毎日少しづつ出来ることをやっている』『今の予算の中で最大限出来る活動を模索している』『自分から組合員に興味を持って話すようにしている』
いずれも、労組役員とお会いしている中でよく聴く言葉である。

みなさんはどちらのパターンに当てはまるだろうか?もし①の方と感じているのなら、このままコラムを読み進めることをおすすめします。。
(パターン②と感じている方は、本コラムを読むことが時間浪費につながる可能性があります…)

~あることわざ~
昔、ある国境付近に住んでいた老人の飼っていた馬が逃げてしまいました。
しかし、数ヵ月後、その馬が1頭の名馬を連れて一緒に戻ってきました。
喜んだ老人の息子は、その名馬に乗り落馬してしまい、足を骨折してしまいました。
その後、まもなく戦争が起こり、たくさんの若い兵士たちが戦死しました。
しかし、足が悪かった息子は兵役を逃れることができました。

「人間万事塞翁が馬」という話ですが、この物語が示唆するものの一つに「物事は中立である」こと、そしてそこにどんな“意味づけを”するかが、私たちの認識に大きく影響を与え、
ひいては感情や気分、行動に影響しているのである。

【起こっている事柄(結果)のもうひとつの当事者は自分(原因)である】

冒頭お伝えした事例にあてはめると
パターン①の受け止め方=自分<外部(今の結果があるのは、周りに原因がある)
パターン②の受け止め方=自分>外部(その結果を得るために、自分が何をするか)

私たちは常にこのどちらかを無意識(または意識的に)に選択し行動しているのである。

ここまで述べると、既にみなさんは感じているだろう。その考え方は理解出来るが現実的に実行にうつすには…。

そこで、どのようにすればパターン②に近づけるか。基本的には、次の2つの質問を自らに投げかけることが重要である。

質問:①この事(この経験は)は、他のどんな時に(どこで)役に立つかだろうか?
例)仕事と組合活動で忙しい。大変だ
→両方をを体験することは、時間を有効に使う術を実践的に経験出来ている機会だ。もし将来、自身が部下を持つ立場に立った時や、多くの人と関わる仕事をした時に、この経験が役に立つかもしれない…。
★今のこの経験は、他のどんな場面で使える(役に立つか)問う質問方法

質問:②この事は、どんなプラスの価値があるだろうか?
例)仕事と組合活動で忙しい。大変だ
→自分の意見を会社に伝えられる機会、会社の考え方を誰よりも早く聴ける機会と捉えることも出来る…
★今の経験に対して、意図的に肯定的な意味づけを問う質問方法

偉人や発明家・世間から成功者と呼ばれる人は、人一倍の逆境や挫折や失敗を経験しているといいます。そして、その都度、そこから学べるものは何か、何をすればうまくいくかと、
成長するための学びの機会(常に自らに問うている)にしています。

人や物事は全て中立です。そこに私たち自身がどのような意味づけをするかで、感情や気分、その後の行動に大きく影響を与えます。

上手くいかない時や、悩んでいる時にこの2つの質問を自らに問うことで、新しい選択肢を探すヒントになることは想像に難くありません。

筆者自身、うまくいかないときは「うまくいかないことを知る機会」、悩みがある時は「一旦立ち止まって考える機会」として捉えるようにしています。
但し、毎日行っている運動を今日は気が乗らないな感じ「体が休息を求めているサインだ」と意味づけし、休まなければと考えることは、読者もお気づきの通り、単なるやりたくない方便であろう…。
ふとしたことがきっかけで。
室橋
2018/04/22

「おかあさん。わたし、おおきくなったら、おようふくやさんになりたいの!」
土曜日の午後、電車で向かい側に座った母娘の会話。5歳ぐらいの女の子がにこにこしながら母親に話しかけているのが印象的でした。そのあと、母親が「どうして、おようふくやさんになりたいの?」と聞いたときに私は電車を降りてしまったので、「どんな理由でお洋服屋さんになりたいんだろう」と気になってしまいました。と同時に、ずっーーと忘れていた35年以上前の幼稚園の先生になりたかったという私の夢を思い出しました。


すっかり忘れていたことを何かのきっかけで思い出すことがあります。過去を思い出す能力は人間特有のものだそうです。思い出す行為が脳を活性化することはよく知られていますが、最近の研究では懐かしいことを思い出すと温かい気持ちになって体も温まったり、懐かしい記憶は将来の展望も引き上げるということもわかってきたようです。思い出すことは脳力を鍛えるだけではなく、会話や記憶によって人生を豊かにしてくれる効果も期待できるということでしょうか。


最近、私は複数の組合さまの周年誌作成のお手伝いをしています。編集委員のみなさんと過去の写真を選んだり、活動年表を作成しながら、お一人おひとりの思い出話をお聞きするのが楽しい時間になっています。入社してやりたかったこと、組合役員になったきっかけなどをお聞きして、「今の組合活動への熱い想いは、こうした過去のご経験からなんだな」と納得することも。昔を懐かしむことで、将来に希望が持てるようなお手伝いができればと思っています。
仲間を迎える 2018
松山
2018/04/13
この時期になると、新入組合員を仲間として迎える準備をされている労組も多いことと思う。
組合の新しい仲間になってもらい、組合のファンを創るために多くの組合が試行錯誤しながら取り組んでいる。

 一部のデータにつき、過大視することは危険だが、新入社員「働くことの意識」(日本生産性本部 平成29年調査)から「働く目的」についての結果を見て頂きたい。
上から順に、楽しい生活がしたい(42.6%)、経済的に豊かになる(26.7%)、自分の能力をためす(10.9%)、社会に役立つ(9.2%)となっている。
「楽しい生活がしたい」が過去最高を更新しているとの結果である。皆さんが新社会人だとしたらどの順番になるだろうか。

 会社生活も個々のかけがえのない日々の生活の連なりにあるわけで、職場や会社が楽しく感じられなければ、やはり楽しい生活とはいかないだろう。
 そこで組合の存在価値を高めるチャンスである。 新入組合員が、職場でうまくいかないことが起きた時に、組合に相談できる人がいて、話を聴いてもらえた。
それだけで、組合への信頼が高まるのではないだろうか。組合役員の現場での対応こそが、組合の価値を高めるのである。
新入社員の頃、組合役員に親身に相談にのってもらったという経験が、近い将来において、組合役員の積極的なり手を増やすことにもつながるのである。

 そこで新入組合員説明会時に是非やってみて頂きたいことをお薦めする。
 一つ目は、説明会時の工夫である。目的は新入組合員を新しくファンにするために、組合イメージの転換を図ることである。
①現時点における組合に対するイメージをアンケートにて把握する
②組合説明会の実施 ※この際に、時間があれば、会社生活で楽しみな事や不安なことをグループワークなどで聴いておく
③組合イメージが説明会後にどのように変わったかを、話してもらい、自由に意見を書いてもらうそして、自分たちの説明によって組合のイメージが、自分たちが目指す組合のありたい姿に少しでも変わったらその説明会の成果だと言えるだろう。

 二つ目は、新入組合員のニーズを知ることである。可能な限り、正確につかむために定量的に組合員のニーズを把握する調査を行う。
更に調査結果を活用し、職場集会や対話活動で、支部役員や職場委員が組合員の声を集める力や、集めた課題に対して解決に結びつける力を養成していく。
具体的な活動についてご興味、関心を持たれた方はご一報ください。