ゆにおん・ネタ帳

ゆにおん・ネタ帳はリニューアルいたしました。

以降の記事は新ページでご覧ください。

https://www.j-union.com/idea/

全国3700ほどの労働組合とのお付き合いの中で、記憶に残るエピソードや、これは使えるといったネタをご紹介していくコーナーです。

2019年 - 2018年 - 2017年 - 2016年 - 2015年 - 2014年 - 2013年 - 2012年 - 2011年 - 2010年 - 2009年 - 2008年

2018年

意識的に視野を変えてみよう
荏本
2018/12/30
 2018年は、「職場の問題は職場で解決する」活動をご支援する機会が多い一年でした。
執行部、代議員、評議員、支部役員、職場委員など、組織によって呼び名や役割は異なります。
ただ、会社や職場を良くしてビジョンや目的達成のための問題解決には、
3つの視野が重要だと感じています。

 

1.空間的な視野を広げる

役職の階層ごとに、考える問題のレベルや会議体の出席者も変わってきます。ある範囲内での問題解決に当たっては、その範囲を一段階、二段階広げて俯瞰してみると違った見え方ができるでしょう。自職場の問題解決だとする場合、職場の声や事実集めは当然必要ですが、職場の代表者としては外部の情報や自己研鑽も含めたインプットを踏まえ、職場情報を咀嚼する必要があります。

 

例)職場の問題解決を考える事業部単位でこの問題を捉えると? 全社では? 社会的には??

 

2.時間的な視野を広げる

問題を放置した場合の未来への悪影響、解決した場合の未来へのメリットについて、短期・中期・長期と見通しを段階的に延ばして整理すると、新しい議論が生まれるかもしれません。こちらもさまざまの観点から未来予測をするアンテナを日々立てておく必要があります。

 

例)1ヵ月後はどうなっている? 半年後、1年後、5年後、10年後は?

 

3.他人(相手)の視野に立つ

問題認識は共通だと思っていた事案が、実は全く捉え方が異なっていたケースがあります。他人・相手だったらこの問題をどう捉えてどう解決したいと思うか、ロールプレイングのように考える癖をつけてみましょう。

 

例)労使共通で「問題」と捉えたのは、どのような姿を目指して、どこに乖離があり、解決後のイメージは、、、など問題認識を掘り下げた上で「共通の問題」と言っているか。

 

2019年も職場発による良い会社づくりのご支援を続けていきます。

 

相互理解
清水 典明
2018/12/23
今年も残すところあと1週間となりました。みなさんが組合活動や仕事をする中で、今年心に残ったことは何でしょうか?

私が今年印象に残っていることとして、ある労働組合の役員の方が集まり課題を話し合う場で出た言葉です。
「職場での対話活動は努力して自分でもよくやっていると思う。組合員にも声をかけて話を聴くようにして
いる。ただ、人って本当に苦しい時や悩んでいる時ってなかなか本音を言ってくれないよね。で極端な話
突然辞めてしまったり‥。なにか良い方法ってないものだろうか」
その場では、勇気を出して言っても聞いてもらえないと思ってしまうので、
・普段からの声掛けなど、気にしていることを表現する
・対話をしていく中で、少しずつ相互理解を深める
・聴いてもらえそうだなという聴き方をする(受け止める)
といった意見が出たことを記憶しています。

私自身も仕事を進める中や、仕事以外でも、周囲の人と相互理解しているつもりだったが誤解をしていたことに
後で気づいたりし、なかなかうまくいかないなと感じることも多々あります。答えは出ていないですが、相互
理解について考えることがあります。まあ答えは出るものではないとは思いますが‥、今一度最近考えている
ことを整理しました。
・そもそも育ってきた時代や場所、環境、体験してきたことが全て同じ人などいないのだから、人が自分と同じ
ことに興味を持ったり100%同じ理解、解釈をするなんてあり得ない
・相手を「こういう人だ」というのはあくまでも自分の認識
・自分のことですら分からない(変わっていく)のに、相手を分かろうとしたり、変えようとするなんて極端な
言い方をするとおこがましいのではないか
・そんなことを前提にすると、伝えたいことがポイントとなるワンフレーズだけでも相手の心に残ればOKでは
ないか。逆に相手の言いたい事のポイントとなるワンフレーズが自分の心に残ればOKではないか
※伝えたい事以外の何気なく話したフレーズが伝わったり、相手の何気ない言葉が響いたりすることも多々ある
・そう考えると誤解は当たり前のことで、組織運営上解いていくことも必要な場合もあるが、ある意味正解など
無い解釈上のことも多いので、そのままにしておいたほうがよいものもあるのではないか(後に気づいた時は
自身が変化したときではないか)
・ただ、伝わっていないな(相手のことが分からないな)といったことは「そんなもんだ」では無く「なんで
だろう」といった感覚は持ち続けないと、後に「こういうことか」と気づかないので成長もしない
・気づく時というのは、そのことについて考えている時よりも、他の人と話していたり、環境を変えてみたり
することで視点が変わり「そういうことか」ということが多い。のでそこを意識していくことが重要では
ないか

結論は出ないこと(まとまっていません)ではありますが、みなさんも日々組合活動や仕事で考えていること
ではないかと思います。
来年も、そういったことを情報交換しながらみなさんと活動を推進していきたいと考えておりますのでよろしく
お願いいたします。
ボーイスカウトと労働組合
三橋 秀郎
2018/12/16

 ボーイスカウトって聞いたことのある方も多いと思いますが、どのような団体かご存知ですか? 

私自身も単に山など屋外で活動する団体ぐらいしか理解していませんでしたが、先日講習会に参加する機会がありましたので、その時の内容を共有いたします。


ボーイスカウトとは創設者のイギリスのベーデン・パウエル氏が青少年育成のためにブランウシー島でキャンプを行ったのが始まりと言われています。 

そして活動の目的と教育法は以下のようになっています。 

●目的
より良き社会人の育成をするために青少年がその自発活動により、自らの健康を築き、社会に奉仕できる能力と人生に役立つ技能を体得し、かつ、誠実勇気自信および国際愛と人道主義を把握し、実践できるよう教育する。
(労働組合の運動方針に出てきそうな言葉が並んでいますね) 

そのためのスカウト教育実践に向けては、「スカウトの掟と誓い」を基本に7つの項目の相互作用で構成されています。 

【スカウトの掟と誓い】
・3つの誓い「誠を尽くす」「他人を助ける」「心すこやかに」

・8つの掟「誠実・友情・礼儀・親切・快活・質素・勇敢・感謝」
 →組合ビジョン(ありたい姿を描く)とバリュー(価値観)を基本に活動実践

 

【教育法の要素】
・行うことによって学ぶ(行動から学ぶ)
 →組合活動に参画することにより組合活動の必要性を理解する

・個人の進歩(困難な課題を遂行する)
 →組合役員の自主性を重んじて活動計画と実行を任せる

・チームシステム(みんなで役割分担して協力しあう)
 →組合組織全体で協力しあうことによって活動を前進させる

・成人の支援(スタッフや保護者からの運営支援)
 →職場委員が支部三役や執行部による協力支援によって気付きや成長する

・象徴的枠組み(成長支援のためのカリキュラム)
 →組合役員や組合員への成長支援のための計画的な人材育成研修

・自然(屋外の活動を通して学ぶ)
 →他労組との交流やボランティア活動を通して学ぶ

・社会との協同(教会や地域社会との連携)
 →地域連合、産別や地域社会との連携

 

「目的」や「価値観」を定め、目的達成のためにどのような活動が必要か、
それぞれの活動にはどのような「意味」があるのかを定め実践していることは
組合活動に通じるものがあるのではないでしょうか。

好きこそものの上手なれ
三浦 卓也
2018/12/10

「好きこそ物の上手なれ」の意味だが、「どんなことであっても、人は好きなものに対しては熱心に努力するので、上達が早いということ」(故事ことわざ辞典)だそうだ。

このことわざの意味をもう少し掘り下げて考えると、

「好きなコトであれば、誰に強いられることもなく自分からどんどんそのことに取り組み、かつモチベーションを保ちながら、自ら努力を続けることができる。したがって、スキルが比較的早く上がる」

ということであろうか。

一面では真実だと思うし、何かに秀でた人は、やはりそのもの自体を好きな人が多いのだと思う。

では「好きになれば」「スキルは上がる」のだろうか。

個人的な見解でいえば、これは「ノー」である。

もちろん、何の興味も経験もない人と比べれば、「そのものを好きな人」は、知っていることも多いだろうし、多少なりともできる人なんであろう。「そのものを好きな人」は、きっと努力を惜しまないだろうし(そもそも努力している意識なんてないかもしれない)、その努力や経験が、多少なりともスキルの向上には寄与すると思う。
だが、好きな人が全員、ものの上手な人ではないわけで、スキルというのはやはり、その人の個性というか、能力というか、そういうものとの掛け算で、成り立ってくるものなんだと思う。

また、特別に好きなわけではなくても、ポイントを掴むのが早かったり、身体を動かすことが上手だったり、勘が冴えてたりすることで、スキル向上が著しい人もいるだろう。さほどの興味ももってないのに、与えると吸収力がものすごい人も、世の中にはたくさんいる。

では、その人達が、やはり長くスキルを「上げ続けられる」かといえば、そうではないと思う。
与えられれば伸びるのかもしれないが、「誰か」から与えられない限り「自分から取り組んで」いろんなことを知ろうとしない人は、すぐに限界が見えてしまうだろう。

なので結局、「その物事」に適した能力や個性をもっている人が、「その物事」を「好きになる」ことで、スキルは飛躍的に伸びていき、その人はきっと「その物事」のプロフェッショナルになるんじゃないのかな、と思う。

「どんなことに適した能力/個性を持っている」のかを客観的にみつつ、
さまざまな物事を「好きに/ファンになる」ことが気持ち良くできる環境を整えること、を、
周りにも、もちろん自分自身にも、常に意識していきたい今日この頃です。
労働組合の真価はビジョンストーリーを描き続けること
淺野 淳
2018/12/02
私にとって2018年は、労働組合の真価が鮮明になる一年だったといえます。
なぜなら、これからご紹介するたくさんの言葉に出合えたからです。

■ビジョンを語る
「先日、労使協議直後に事業部長から『最近の労組は夢を語らないね。夢を語らない労組は、もはや必要ないよね?』といわれ、
核心を突かれた気分になりました!」
(電機メーカー労組 支部書記長談)

■ダイバシティ経営の実践
「これからのダイバシティ経営では、経営機能による情報収集は限界ですね。今後は労働組合と連携することで多様な意見を基に
制度構築する必要がある。労使関係はますます重要な経営テーマですね」
(製薬メーカー 管理系取締役談)

■業績とモチベーションの相関
「コンプライアンス部で職場の風通しに関する調査をした結果、見事に業績との相関が強いことが確認されました。今後ますます、
組合との連携を強化し底上げを図っていくつもりです」
(地方銀行 コンプライアンス部本部長談)

■ボトムアップマーケティング
「経営の仕組みでは業績目標以外の方針が組織先端まで展開されないので、コンプライアンスなどの重要テーマについては積極的に
労組が組織展開を図るべきである」
(自動車メーカー労組 中央書記長談)

■組合員の知恵を活かす!
「現場でやりたいことは、まず組合活動で試してみたらいいですよね! 下町ロケットみたいな熱いドラマ、演じられそうな気が
してきました! 労組に提案してみます!」
(建設機械メーカー労組 現業系組合員談)

■職場自治の本質
「これからの世話役活動では、昔のように掛け声だけでは到底実現しません。何か新たな方策を練り、職場委員に武器・ツールを
提供し支援することが労組の最重要課題です」
(電機メーカー労組 製造系支部執行委員談)

■チャレンジできる魅力!
「会社にない労組の強みは、人を成長させる機会があることです。なぜなら労組は、チャレンジすることを推奨できる組織であり、
特に企画立案力を磨くには最適な組織です」
(機械メーカー労組 開発系支部書記長談)

■労組に追い風が吹く!
「働き方改革の時代、労働時間の短縮、休暇取得の促進が進むことは、組合活動に充当する時間が増えることを機会として捉える
べきですね」
(ゼネコン労組 執行委員談)


これらはまさに、労働組合の真価を問う言葉の数々です。
労働組合が自らの存在価値と、周囲への提供価値によってビジョンを実現する過程では、「見える化」と共に「語れる化」が大切
な要素です。
なぜなら、ビジョンは描いた時点で過去のものとなるため、その時々で捉えた問題の本質を議論し、描いたビジョンを人から人へ
語り継ぎ、心を通して組織の日常に定着させることが大切だからです。
私は今年、さまざまな人から言葉を頂いたことに感謝申し上げるとともに、6つの問いを自らに投げ掛け、これからも労組役員・
組合員の皆さまとともに、ワクワクする未来を描けることに確信を持ちました。

①組合活動にマーケティングの視点を取り入れているか?
②想像力を駆使したアイデアを活動に反映しているか?
③職場委員が自ら目標を立てることを支援しているか?
④創造的な労使関係であるために知恵を絞っているか?
⑤組織内で組合活動をストーリーとして語っているか?
⑥働き方・暮らし方に対して活動コンセプトを明確にしているか?

一年間の活動振返りの参考になれば幸いです。



ワンランク上の伝え方
丸山由紀夫
2018/11/25
今回は数多くあるプレゼンテーションスキルの中で、プロフェッショナルのプレゼンターが実際に用いているワンランク上の伝え方についてお伝えします。

・話の組み立て方に悩んでいる…
・もっと多くの組合員を巻き込みたい…
・自身の影響力と説得力を高めたい…

このような読者は必見です。

■プロフェッショナルが用いるプレゼンテーション7つのSTEP

①オープンニング    ― 私が最近興味を持っているのは○○です。
最近、運動不足を感じて、先月から○○を始めました…
⇒いわゆる雑談やエピソード。話し手(あなた)と聴き手との間で共感ゾーンを作る。
聴き手が“自分もそう思う”と感じる反応をより多く引き出す話のネタ集めがポイント

②トピック       ― 今日は○○についてお伝えします。
⇒伝えたいテーマ。

③ポストフレーム    ― 今日の内容から○○が得られます。
今日お伝えすることで、みなさんが次の職場集会を運営する苦労が大きく減ると確信しています…。
これを実行すると○○が出来るようようになります…。  
⇒聴き手にどんなメリットがあるか、具体的な活用シーンを丁寧に伝えるのがポイント。

④プレミス(結論)   ― 私の意見では○○です。
○○するコツは○○です。
⇒自分が伝えたい意見、結論。複数あるときは、最も言いたい事、次に言いたい事等、順序だて聴き手に示す。

⑤バックグランド    ― 私がどうしてこのような意見になったかと申しますと…。
⇒意見を持つようになったきっかけや背景。聴き手が同じイメージを持てるように、その時の場所、時間、見えている風景、周りの音等、出来るだけ具体的に語るのがポイント。

⑥サポート(証拠)
⇒⑤の意見を裏付けるデータ、自らが経験した体験談等。

⑦コンクルージョン(結論)― 今日は○○をお伝えしましたが、お伝えしたかったことは④でした。
⇒再度、結論。

さらには、プレゼンテーションの目的を達成するには、徹底して『相手軸』で伝えるのが何よりも重要です。
聴き手の考え、思い、感情、立場を想定し

・何を伝えれば、相手にとって十分な情報が提供できるか
・こう言ったら、相手がどんな気持ちになるか
・どう伝えると、相手が快く動くことができるか

上記3点を徹底的に相手軸で考え抜いたうえで、7つのプレゼンテーションSTEPの言葉に置き換えていく。

今回はビジネスや企業研修、公的機関や国際会議、国内外で4,000回以上ものプレゼンを実際に実践しているプロフェッショナルの知恵を
・7つのSTEP
・3つの考え方

にまとめてお伝えしました。その他、非言語スキル(話し方や声の出し方、会場の使い方等)の要諦については別の機会にお伝えします。

『あなたのコミュニケーションの成果は相手の反応』
『手に入れた成果(望むもの・望まないもの)のもう一方の当時者はあなた』

本稿が少しでもみなさんのリソース(手に入れたい力)の一つにつながれば嬉しい限りである。





「今、ここ」に集中する
室橋
2018/11/18
<組合員が創造性を発揮することで、ワーク・ライフスタイルの確立と生産性向上につなげる>とは、j.unionが掲げている「BEST主義の働き方改革」の定義です。①組合員自身が当事者意識を持って主体的に仕事に臨み、創意工夫する行動を促す。また、個人の創意工夫やアイデアを活かすことができる組織風土をつくる。②多様性のある組合員が求める仕事と私生活のスタイルを確立して、仕事での能力発揮と私生活の充実を実現する。③時間効率を高めることだけではなく、付加価値生産性を高め、新たな価値を生む働き方を実現する。組合役員のみなさんと一緒になって、職場や個人にフォーカスした「働き方」を改革する取り組みが増えてきました。

「働き方」の改革を進めていくうえで、いかに集中して仕事に臨めているかはとても重要なことです。効率よく仕事をするために複数のことを同時に行うマルチタスクな働き方をすると、肉体が疲れるというよりも脳が疲れることがあります。脳は1つのことに集中しているときは疲れないようにできているようですが、限られた時間の中で「あれも、これも……」といろいろ考えていると脳のエネルギー効率が悪くなって脳が疲れるそうです。また、「一度集中を切らすと、再び集中した状態に戻るのに23分以上かかる」というカリフォルニア大学の研究結果もあるようです。

集中力や生産性を上げるために欧米だけではなく、日本企業でも瞑想が取り入れ始めているとよく聞きます。瞑想は過去でも未来でもなく、「今、ここ」に集中する。「今、ここ」に集中する時間を設けることでストレスを軽減したり、集中力が上がると言われています。私も瞑想を生活の中に取り入れて5カ月ぐらいになりました。まだまだ瞑想中に考えが浮かんだり、意識がどこかに遊びにいってしまったり、時にはうとうとすることもあるのですが、瞑想を行った直後はスッキリした感覚が得られています。スピリチュアルな印象も強い瞑想ですが、リラックス効果や集中力を高めるものとして、組合役員のみなさんの中にも取り入れている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

弊社の人材開発グループによれば、最近は組合員向けの研修として「リンパマッサージ」「睡眠」「ヨガ」「美食同源」「幸せホルモン」「メンタルトレーニング」などのリラクセーション系の依頼が急増しているそうです。特に、ランチタイムや終業後に行う1時間セミナーが多くなっているとのことでした。働き方改革が進む中、いかに効率的に働きながら、短時間で成果を上げるか。仕事中に集中するか。そのためにもストレスを軽減させたり、集中力をアップさせるような研修を、組合員支援として導入している組合さまも増えているのでしょう。
若年層の組合員のために組合ができること
松山 晃久
2018/11/08

皆さまの組合は若者や女性が、生き生きと活躍できる組合活動になっていますか。

先日、ある組合の若年層を中心に「どうすれば、組合活動に参画してもらえるか」という主旨のワークショップの進行をさせていただきました。「組合って、何のために活動しているの?」という問いかけに対して自分の言葉で話してもらうことから始まります。最後には執行部から組合員に参画してほしいという思いを、活動の目的や具体的な活動内容と共に話してもらいました。そのあと、参加者同士の懇親会もセットされていて、参加者も何となく組合って楽しそうだなという雰囲気になっているように感じ、こちらも楽しい気持ちになりました。

2003年に発表された連合評価委員会の提言レポート(最終報告)の中に、「若者、女性が生き生きと活躍できる組合活動でないと、将来性はない。かれらの意見を反映させるパイプを目に見えるかたちで太くすることが求められる」と書いてあります。
この提言から15年が経ち、再び、青年女性部の活動を復活させたり、若年層に対しての活動に力を入れているという組合が増えているように感じます。

2018年9月号の「労働調査」(労働調査協議会発行)においても、「若年層への組合の取り組み」というテーマで特集が組まれています。
若い雇用者の労働組合に対する認識では、労働組合への好感度や、役に立つ存在だと思う割合が20代、30代が特に低いという結果にはなっておらず、若者がとくに否定的にみているわけではないという結論がなされています。連合や単組の試行錯誤の取り組みが紹介されており、共通する課題としては、参加型にしていくことや、労働組合への理解をいかにして得るかなどが挙げられています。

一部ではありますが、若年層に組合活動に参画してもらう課題を、改善することにつながる、j.unionがお手伝いしている支援内容をご紹介します。
 
①若年層に組合活動への理解を促す
「労働組合の意義と役割(ワークショップ)」
組合員の視点から労働組合を上手に活用することで、自分たちにメリットがあることに気づいてもらい、組合活動への参加意欲を高めていきます。
 
②若年層同士、世代間で交流し組合活動を身近に感じてもらう
「レク活動の進め方(ワークショップ)」
レク企画の進め方や募集の進め方、当日の進め方から事後のフォローまで時系列で学ぶことができます。
「異業種交流会(オープンイノベーション)」「ユニコン」
他業種の組合員との交流、ネットワークづくりのお手伝いをします。
 
③若年層にライフデザインを考える機会を提供する
「ハッピーチョイス」
若年層に最適なこれからの自分の人生に大切な“ココロ” “カラダ” “オカネ”についてゲームを通じて、楽しく学べる、ライフデザイン型ボードゲームです。組合員自身の大切なものに気付くことができる研修になっています。
 
④若年層の意識・課題を把握する
「組合員意識調査」
若年層にとって、より良い会社、職場、仕事の実現につなげるための調査分析を行います。調査後は、自分たちで、活動を企画立案するご支援もします。

活動の進め方に悩みを抱えている組合役員の方はご一報ください。さまざまな角度からご支援します。
 
AI・ロボット時代の働き方
服部 恵祐
2018/11/04
「今後10年~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い」

2013年に英国オックスフォード大学でAI(人工知能)研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授が発表した『雇用の未来 コンピューター化によって仕事は失われるのか』の研究結果である。知識業務や標準化・マニュアル化できる仕事は、AIが代替できる。その予言どおりの世界が予想よりも早く到来しそうである。

自動化の対象は、銀行の融資担当者、書類の審査担当者、会計処理業務、販売員、スーパーのレジスタッフだけではない。士業の最高峰とみなされてきた弁護士の判例知識もレントゲン結果からがん細胞を発見する医師の知見もコンピュータ(AI=人工知能)の方が正確だ。
さらに深層学習(ディープラーニング)を機械学習(マシンラーニング)に組み込んだ高度な技能(スキル)と経験の必要な領域をもロボットが代替する時代は遠くない。昨今の人手不足と人件費の高騰が皮肉にもそのスピードを加速させる。左官や眼科検査、セル生産の匠などの高度技能もロボットで代替できるのである。経済原則から安い人件費を求めて海外に生産拠点を移した日本の製造業だが、人手がロボットに替わるなら拠点の国内・海外は関係ないので、国内回帰が起こるかもしれない。安い人件費で外国人アルバイトを多用したサービス業も無人レジなどによるAI化が進む。


最善のシナリオかつ本来の目的は、人とロボットの共存共栄社会の実現である。
最悪のシナリオもある。AIやロボットが増えても人間の雇用は増えない「テクノロジー失業」、「感情を有したAIやロボットによる人間支配」、AIやロボットを所有する者と所有できない失業者との「圧倒的な所得格差社会」などである。最悪のシナリオに備えて「ロボット課税」や「ベーシックインカム(全ての国民に最低限の所得を無条件に給付するという社会政策の構想)」など富の再分配の社会政策論議も必要になるだろう。


一方、われわれの雇用に目を向けると、「あなたの仕事はAIやロボットに代替できますよ」という悪魔のささやきがAIやロボットを所有できる経営者(やその莫大な利益を得られる株主)から聴こえてくる。AI・ロボット化という趨勢下で、「働くことの尊厳」や「安心して働ける雇用機会」のために労働組合は何ができる・すべき・したいのだろうか。ネオ・ラッダイド運動では、悲劇というよりもはや喜劇である。
やはり、「人にしかできない労働」の意味を労働組合が率先して問い直すことではないだろうか。経営者や株主から「あなたの仕事はAIやロボットに代替できますよ」と言われる前に、「今までの仕事はロボットがやってくれるようになったので、これからはみんなでどんなことをしてお客さまを幸せにしようか」と。
創造性・経験からしか学べない深い知恵・喜怒哀楽と共感性(思いやり)・働きかけるリーダーシップと助け合いのチームワーク・共鳴・志などデジタル化に馴染まない世界、ビッグデータ以前の未知なる領域は意外とある。
 
自動運転の安全な長距離バスの中で、歩行支援ロボを装着し(もしくは再生医療で健康な肉体を再生)、遺伝子医療で認知症まで予防している高齢者と、未来の組合員(バスの元運転手)が笑いながら昆布茶をすすり、車窓の美しい山々を眺めているかもしれない。

われわれは、「どんな社会で暮らしたいのか?」「AI・ロボットを活用し、どんな幸せな社会を創るのか?」
そこが「AI・ロボット時代の働き方」改革の出発点である。



やる気を出すにはどうしたら・・・
小林 薫
2018/10/28

もう10月も終わろうとしています。我が家には受験生がおりまして、一般的にはそろそろピリピリしてくる時期なのでしょうが、全くそのような気配がありません。親としてはもう少し危機感を持ってほしい。一生を決めるかもしれないことだぞとあおりたくなるところですが、本人はどこ吹く風。いたってマイペースです。

とはいえ、私ものんびりやの楽観主義。まぁ本気になれば、なんとかなるよと思ってこれまで生きてきたので、やはり親に似るものなのでしょう。

組合執行部のみなさんも、この時期は新任の役員の方に変わる時期ですので、もっと危機感を持ってほしい。責任感を持って欲しいとやきもきしている方も多いのではないでしょうか。

心理ジャーナリストの佐々木正悟さんによれば、人間は基本的には楽観的な動物のようで、あとでやったほうがうまくいく、未来の自分は今の自分より素晴らしいと考える傾向があるそうです。ですが、次の日や1週間後、その未来が現実になったとき、結局は大きくは変わっていない現実が目の前にあります。

さらに今の自分が手にしているほどほどの快適さを手放して、よく価値のわからないものに意欲的になることは、めったにありません。それがいざというときに必ず必要になるものでも、意欲的になれる人ばかりではありません。勉強をはじめ、防災や貯金、ダイエットなど、もちろんやったほうがいいことなのですが、今の快適さを手放して取り組むのはハードルが高い。簡単そうに思えて、意欲的に取り組むことは案外難しいことかもしれません。

どうすれば危機感をもって意欲的になってくれるのでしょうか。二つ方法があるように思います。ひとつは細分化する。勉強をするという大きなくくりでとらえるのではなく、何ページから何ページの漢字の書き取りをする。算数のつるかめ算の問題を3問解いてみるなど、やることを詳細まで細分化してみてはどうでしょうか。

後もう一つは環境を変えてみる。人に会ったり、リアルな話をきいたり、現場に立ち会ってみることで、必要性を実感する仕掛け用意します。たくさん勉強している人たちがいる環境に赴いて、やるのが当たり前という状況にしてしまう。やる気をもってから取り組むのではなく、取り組まざるを得ない状況に身を置く方法です。

組合活動に意欲的になってほしいなら、組合活動をしている人たちと接する。経営側との交渉の情報に触れる。他の労組の人たちと接する。あれこれ考える前に、そのような環境に身を置くことで、知らず知らずのうちにやるのが当たり前になるのではないでしょうか。その導線を作ってあげることが、先人たちの役割なのかもしれません。