ゆにおん・ネタ帳

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2010年

信頼(性善説)のマネジメント
服部
2010/08/01
「感働塾」という組合リーダー育成塾で、長野県のアルプスの谷間に佇んでいる食品会社を訪問させていただく機縁を得た。

「現地」まで足を運び、「現場」の人をと対話をし、「現物」に触れて、初めて、生の「現実」が実感できた。

たくさんの感動をいただいた。

文章ではお伝えにくいが、少し変わった、でも偉大なる経営のエピソードを想い起こすまま、列挙する。


・会社は株主のためのものではなく、まずは社員のものである。(大原則)
だから「夜勤はさせない」「海外赴任はさせない」「上場はしない(株主にふりまわされない)」

・「会社の社員は家族なので、○○ファミリーと呼び、とにかく信頼しています」
例えば、社内の申請書類は極めて少ない。従業員が提出する交通費清算などをチェックする人はいない。・・・「だって、家族に悪いことをする人はいませんから」

・土日に、会社の清掃道具や大型車など会社の備品を借用する個人がいる。会社も認めている。

・社員旅行の参加率は98%である。みんな楽しみにしている。

・土日にも、社員同士で遊んでいる人が多い。

・毎朝、会社の周りの清掃から仕事が始まる。
自分の周りだけではなく、人のために清掃しているので、居酒屋に社員同士で行っても、食べ残しなし。皿をきれいに並べてから退出する。

・ジョブローテーションは少ないが、常に組織横断的な協力関係はある。
「研究所が繁忙期の製造を、総務が集中時のコールセンターを、事務スタッフが繁忙時のレストランを臨機応変に手伝っています」

・本社や研究棟を建てる際、敷地の真ん中に駐車場をつくる。
「だって、本社や研究棟を美しい樹木や清流のできるだけ近くにしたかったから」

・本社オフィスはコストセンターではない。快適な職場環境づくりに励んだら、日経ニューオフィス推進賞を受賞した。

・メンタルヘルスの調査はしない。
「みんなが、仲間のプライベートまで干渉しすぎるので(笑)、調査しないでも人事に情報が入るし、その前にみんながケアしてくれます」

・「年功制度の処遇をしています。だって、年齢を経るごとに、普通、お金がかかるでしょ」

・「目標管理制度は導入しても、成果評価はしません。社是(社員としての心掛け)の実現度を支援する育成面談だけに留めています」

・「従業員400名ですが、経営者(会長)が、名前が分からない人がいると、自省して落ち込んでいるんですよね」

・「商品開発は、売れる商品ではなく、世に出したい商品をだしているので、売れなくても廃盤にしていません」

・「営業には、明確な数字のノルマはありません。ただし、成長しようという目標はあります」

・「取引先も信用しています」
例えば、社宅を建て替える時に、見積もりを取って、会長に打診しようとしたら、会長が「(業者さんはふっかけたりしない筈だから)見積もりを取る時間も無駄じゃない。早く建て替えに入ったら」といった。

・約3万坪の敷地には、レストランや地域の人に開放している。ミュージアムやギャラリー、健康パビリオンや水汲み場があり、年間約35万人が来場している。




「寒天」という斜陽産業下で、48年も連続して「増収・増益・増員」を続けた奇跡の会社、

「伊那食品工業株式会社」である。

人々は、それを「年輪経営」と呼ぶ。


信頼(性善説)のマネジメントこそ、一番のローコストであること、

社員を大切にすることが、社員がお客さまを大切にし、

お客さまが会社を大切にしてくれる(永続的な成長をもたらしてくれる)ことを

この会社は教えてくれる。


会社の中心に石碑がある。そこには、江戸時代の農政家、二宮 尊徳の言葉が記されていた。

「遠きをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す。
それ遠きをはかる者は百年のために杉苗を植う。
まして春まきて秋実る物においてをや。
故に富有なり。
近くをはかる物は 春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず
唯眼前の利に迷うてまかずして取り
植えずして刈り取る事のみ眼につく。 故に貧窮す。」



「重要なもののために何を破棄するか」
小野
2010/07/25
『 選択と集中 』

 よく聞く言葉ですですが、これは非常に短く大切なことを表しています。 
 それぞれ、人も組織も、時間も資源も限られています。
 その限られた時間と資源を、意味のあるものに費やさなければなりません。
 そうです、強みと機会を選択しそのことに集中しなければなりません。

 逆に、昔は機能したり、有効だったものであっても、これからもっと重要なものに
 時間と資源を割くためには、まず苦渋の選択ですが破棄するもの捨てるべきものを
 選択しなければなりません。

 組織にとっても重要で難しいことですが、特に今日の労働組合にとってはまずこの
 破棄をしなければ、限られた時間と資源を有効なものに費やすことができません。

 本日は、破棄についてお伝えします。
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 組織の使命に合わなくなったり、顧客に満足を与えなくなったり、業績に貢献しな
 くなったものを計画的に破棄しない限り、新しいことに費やす時間も資源も生まれ
 ません。

 全ての項目において、体系的に今後も有効に機能し続けるかをチェックすることが
 重要です。

 かのドラッカー曰く

 「今日は有効であっても、明日有効でなければ 破棄した方がよい」

 「これまでは顧客に価値を与えたとしても、明日も価値を与えれなければ破棄すべ
  きである」

 「これまでどんなに重要で成果をあげてきた手法であっても、これからの市場や技
  術の実態に合っていなければ、破棄すべきである」

 「どんなに、手続き上便利で正確な事務手続きであっても、規則や手続きは目的で
  はない規則・書類・手続きが成果を直接に生むわけではない、重要なことは正確
  な書類や事務処理ではなく、成果をあげることである。」

 特にやっかいなのが、優れた先人たちが残したことの破棄です。

 労働組合の場合、このことで、ほとんどの資源を費やすことになっていませんか。
 かつては機能したが今はほとんど機能しないことがわかっているのにもかかわらず
 かつてのTOPから託されたことのために、大事な資源を費やすことがあるのです。

 少なくとも、現在あなたが責任を託され、その執行者であるのであれば、いかにし
 て、それらの破棄すべきことがらに資源や努力を投ずることを縮小・中止していく
 かを計画し実行しなければいけません。 そうしないことは罪と言えます。

 事務手続きや会議などが多くなりすぎて、本来の成果をあげるべき時間と資源が費
 やされるときは一度、思い切って辞めてみるべきです。

 辞めて3ヶ月たっても、重要な障害がでなければ、それは辞めても問題がないといえ
 ます。
 末端の現場が無くなった後に、どうしても困るからと復活を申し出てこないものは
 原則捨てても困らない処理であるといえます。

 (ドラッカーは、コンサルタントとして、ある企業にこの取り組みをして、業務量
  を3/1に減らすことに成功したそうである)

 特に労働組合においては、前年踏襲型の活動や予算が多すぎる傾向があります。
 計画的に破棄するしくみを入れておくことです。
 定期的に破棄することで、限られた資源とマンパワーがそれらのものに費やされ続
 けることを防ぐのです。

何かのネタになれば幸いです。


労組のない会社の人事部長
大川
2010/07/18
ご縁があって労働組合のない企業の人事部長にお会いしました。200名規模の会社にあって初めての人事部創設が
あり、人事部創設準備委員会の中から抜擢された人物です。真摯な態度で勉強家、そして行動力のある実務家の
彼は、会社と社員のことをより良くするべく努力しているのです。

調査会社という職業特性もあり社員は「一匹狼」的な方も多く、これまでは労務管理がなくても大きな支障がなく
成長してきた。しかしながら大きな資本の傘下になり、新社長の体制で顕在化したことは、それまでの年功的要素の
強い人事制度の下で成果と役職や処遇に矛盾があることだった。そこで人事制度の抜本的な見直しを進めることに
なるのだが、外部コンサルに丸投げするのではなくベテランや中堅社員の中から準備委員会を組織し、自分たちの
会社風土や働き方にフィットした納得性の高い制度等運用を目指すこととなった。

人事部長曰く、「人事労務に関しては全くの素人だったが、転勤ですべての事業所を経験して技術も営業も知っている
自分が一番会社の実態を分かっている。自分がこの会社を良くしていきたい。」という思いから立候補して準備委員会に
加わったそうである。

現状課題などお話を伺う中で、相当の勉強をされていることが確信できた。
1年間の準備期間を経て試験導入した人事制度は成果型のもので、目標管理と業績・プロセス・コンピテンシー評価で
構成されている。運用面でもかなり工夫されており、職場の実態に合わせているので管理職にはよく理解されている。
しかし人事部長の指摘としては、「管理職の理解だけでは限界がある。被考課者が制度のねらいを正しく理解しない限りは
仕事ぶりが良くならない。これからは被考課者に対して制度理解を進めることが重要だ。」というものだった。

制度設計は手段であって、目的ではないことを改めて痛感させられました。
また、そのような人柄と熱意で人事部長が社員に説明機会を持ったときに、真意が正しく理解されるかどうか・・・。
社員が制度と運用を自ら理解し、自分たちで工夫してより良くしていくためには単なる制度説明に終始しては限界が
あると思われます。どのように自発的に学ぶ意識になるかがターニングポイントになると考えます。

労働組合があれば、組合主催で「被考課者訓練」を実施することが有効ですが、前述のとおり組合がないため社員側に
主体がないのが難しいところとなっているようです。

ぜひ人事部長には社員目線に立ったアプローチをして、納得感と共感の輪を広げていただけるよう願っております。
余暇充実から企業価値向上を考える
吉川政信
2010/07/09
仕事と仕事以外の時間の充実は、組織として、個人としての理想のかたちです。また、誰もがゆたかな生活を実現するためには、仕事で得られる収入は大きな要因となりえます。

ここで問題となるのが、労働時間の長さと収入とが正の相関関係にあるために、収入を保つ上での1つの手段として認識されるといった現象です。

企業価値を向上させる上でも、収入も含めた個人の成長を考える上でも、本来は、いかにして限られた時間の中で、より良い成果を生む働き方を行うことが必要であり、組織活動におけるコスト対応においても重要な視点となります。

このことを組織と個人が理解し実行していくことが生産性の向上へと繋がります。更に、昨今のワークライフバランスの浸透でも分かるように、余暇や私生活の充実が仕事の原動力となり仕事の成果へ繋がるといった点です。

つまり、生産性を追及していく上で、余暇時間の充実を意図的に行うことが生産性の向上にとって必要となり、個人の充実にも繋がります。

以上のような考え方を労働組合として実践するために、成果に繋がる働き方の具体的環境づくりと、仕事・私生活も含めた組合員一人ひとりの行動変革を進めることが、取り組みの最大の狙いといえます。


労働組合内格差への対応
淺野 淳
2010/07/04
今、多くの労働組合が一年間の総括を通じて活動課題を洗い出し、
新しい年度の方針に解決策を見出す取組みをしている。
それらは企業内の労使関係や、組合員を取巻く環境に応じて個別化・多様化している。
例えば、「課題を明確に捉えて目標を定めようとするもの」
「中間期に当たることから前年を踏襲したもの」
「中期的にありたい姿を描くビジョンの策定」などである。

一方で、各労組が運動方針に反映できない共通の課題として、
「組合員間の世代ギャップによる意識・希望格差」があげられる。
この課題は、いくつかの特徴があることで、解決に向う活動のエネルギー
にはならず組織にとっては「潜在的課題」と言える。

ここ数日の労組役員の方との対話で捉えた「潜在的課題」とは以下のようなものだ。

【A飲料メーカー労組】
50歳以上とボトム層組合員の、昇給や昇格に対するモチベーション格差に問題を抱えていた。

【B外食労組】
10年前と現在の店長へ昇格するスピードの格差に対応するための教育体系に頭を悩ませている。

【C生命保険労組】
バブル以前に入社したミドル層組合員と、若手ボトム層組合員のワークライフバランスに対する意識の格差。

【D製薬メーカー労組】
「会社への誇り」の感じ方に年齢的な格差を感じており、労使での委員会が進まない。

これらの課題は目に見えにくく、ある一定のモノサシで計れないから、
原因なのか結果なのかの判別が難しくその結果、解決策も見出しにくいという特徴がある。
従って、労働組合の議論の遡上には乗るが、最後まで議論されることなく重要ではあるが
中長期的な課題として保存され続けているのが現状だ。

そこで、この課題に対して労働組合が取るべきスタンスとしてまずは、
①一律的な制度で解決しようとしないこと。
②世代ギャップは結果であり、解決策として相互理解を促す仲介役を労組が担うこと。
③それぞれに合った強みを活かしたステージを労組が与えること。

これらのスタンスが具体的な活動アイデアを生み出し、組織の中長期的な課題の解決、
あるいは組織の世代ギャップによる意識・希望格差への対応となるのではないだろうか。

ここ数日間の労組役員との中で生まれた活動アイデアを示します。活動の参考にして頂ければ幸いです。

●ベテラン鉄人・達人に質問する会の開催
●世代別職場リーダーの選出
●ミドル層が職場委員の補佐役を担う
●組合主催の企業の歴史を学ぶ会の開催
●内的キャリアについて考える勉強会の開催
●上司・部下揃っての人事制度勉強会の開催



22世紀に残したいもの
服部
2010/06/27
劇団の応援団でご縁をいただいた社会人たちと毎月1回集まっている。

年1回程度の持ち回りの幹事役が回ってきた。

私のネタはとうに尽きている。

多忙を理由に断ろうかとも思ったが、15年以上も続いたバトンを落とすわけにはいかない。苦し紛れに、こんなテーマで話し合ってもらった。

われわれが既にこの世を去っている、「22世紀に残したいものとは?」

・・・「思いやりの心」
「四季」
「日本(祖国)」
「北極の氷河」
「お互いさま精神」
「子供」
「もったいない」・・・


ある参加者がこう答えた。

「22世紀に残したいもの?」


「・・・ないな」



「だって、本当に必要とされるものなら、残そうとしなくても残るんじゃないかな」



「生き残り競争」と叫び続ける企業。

「組織強化」と謳い、「動員」を止められない労働組合。


問われているのは、競争の強化でも、組織の強化でもない。

相手(組合員)に本当に必要とされれば、相手が放っておかない。黙っていない。


うちの組織は、うちの商品・サービスは、本当に必要とされているのだろうか?


私が相手の立場だったら、つきあいたいだろうか?受けたいだろうか?



真摯にこの問いを続けられた組織(人)だけが、22世紀にも残っているのかもしれない。



父の日に・・・ 「父親として子として」
小野
2010/06/20
まずは、この歌(のメッセージ)をお聴きください。
父親として、あるいは あなたのお父さんが歌っているとイメージして、是非聴いて欲しい曲です。

==============(再生ボタンを押すと、子を思う父親の歌が流れます。)==============



=========================================================================

私はこの曲を聴くと胸が熱くなり、つい目頭が熱くなってしまいます。

子供のため、家族のため、ただ懸命に命がけで働く、父親の気持ちが伝わってきます。

労働組合で、置き換えれば、仲間のために自分を捨て命がけで働くという、大切な気持ちが

伝わってくる、私にはそんな曲に感じてなりません。

是非 歌詞に書かれたメッセージを胸に、この曲の父親をイメージしてください。


「 ひたいが床につくくらい、頭を下げ、毎日働いている。

  家族の明日を案じて、子供たちに未来を託して

  傷ついてる暇なんか無い、前だけ見て進む 」

 という部分や

「 嘆いてる 暇なんか無い 命がけで守る ・・・・

  迷ってる 暇なんか無い 選んだ道 進む ・・・・

  妻と今日一日を 無事に過ごせたことを 祈ってる ・・・」

などの歌詞の部分は、子を持つ親として、平凡だけど、懸命に生きるという

気持ちが伝わってきて、父親として、あるいは父を持つ子供の立場から、心打たれます。
 
歌詞の全文を読みたい方はこちら

http://music.yahoo.co.jp/lyrics/dtl/KAA024943/AAA143945/

( 曲名: I am a Father  作詞・作曲: 浜田省吾 より引用 )

組合活動に置き換えてみても、そうした、平凡だけど懸命に取り組んでいる役員の皆さんと
 
オーバーラップしてしまい、心打たれます。

何かのネタになれば幸いです。


国家公務員も悩んでいる組合活動の意義
大川 守
2010/06/13
某省庁某局の国家公務員で組織される労働組合の役員研修を数年にわたりお手伝いしている。
現政府の「国家公務員法改正案」によると、天下りの全面廃止や国家公務員の2割削減など、公務員にとって
従来の慣習や安定雇用からみて厳しい内容が織り込まれている。
その一方で労働基本権の付与が謳われていることは非常に重要な事実でもある。
もし、改正法案が可決されれば民間企業と同様に労使での交渉による賃金決定が行われるなど、従来と大きく
国家公務員の労務管理のあり方が変わることになっていく。そして、労働組合の役割も大きく変化が求められるであろう。

研修をご依頼いただいている当局労働組合では、従来から権利を主張するだけの組合活動とは一線を画している。
私がお伝えしている内容も、民間の労働組合に対する内容とまったく同じものになっている。
1. よい組織にしていく
2. プロフェッショナル集団を目指す
3. マネジメントによる集団及び個別の労使対等
これらを労働組合の使命だと位置付け、プロフェッショナルの定義として
1. 変化対応力(政権も変わる・国民意識も変わる・あらゆる社会システムも変わる)
2. 顧客価値提供力(国家公務員としての「顧客は誰か?」の問いかけ)
3. チームワーク力(組織としてパフォーマンスを高める意欲・能力)

昨今の「縦割り行政の弊害論」や多くの「公務員バッシング」の中にあって、当局は新旧政府からも評価が
高いと言われている。職員の数も他が減少傾向の中で微増となっているそうである。
何より受講者である執行委員の皆さんの目には、「明日の日本を良くしていく」という気概が感じられるのが
何より嬉しくもあり頼もしい研修会となっています。
ダイバーシティ推進のための職場活動の1つとして
吉川政信
2010/06/04
 今後の企業の成長戦略と従業員の働き甲斐ある職場を形成ためのダイバーシティの推進は多様な属性(性別・年齢・国籍など)や価値・発想力を組織において発揮できる環境を整備することが重要なポイントになります。労使における政策制度の見直しはダイバーシティの基底となる考えでありますが、政策制度の対応の限界ともいえる具体的な制度活用の風土づくりや個々人が個性を発揮するための周囲の関わり方においても重要な視点になると考えられます。

そこで、従業員一人ひとりへのダイバーシティへの意識啓蒙と自分と組織の成長へ繋がることへの理解を促進するためにこんなことも効果的だと考えます。

【具体的な進め方】
 現在、育児・介護などの理由による短時間勤務を行っているモデル職場へのインタビューを実施し、現状の制度の活用ポイントや周囲のメンバーの協力体制を顕在化し多様化した勤務形態の中で、能力を発揮し職場の活性化に貢献している具体的な行動を抽出し職場へ啓蒙します。

(展開例)
①プロジェクト発足(属性:年齢・役職を考慮)
・全体プランの策定
・インタビュー対象抽出条件の選定
・具体的行動計画策定
②対象インタビュー(制度利用者、周囲のメンバー)
③インタビュー内容を踏まえ情宣物の企画・政策
④職場への啓蒙(具体的な意識啓蒙)
 
 活動を展開し、理解してもらいたいのは、制度の理解や活用よりも、短時間で働く人が十分に職場の目標に貢献でき、仕事に対するモチベーションを高めながら働くことの出来る環境を職場の仲間とつくることが、本人にとっても組織とっても大切であることを社員全員が理解することだと思います。


タイムマシーン
服部
2010/05/23
食べ盛りの高校時代。私の通っていた高校の近くに、頑固親父と無口な奥さんが切り盛りする洋食レストラン「Fランチ」があった。

大盛り、ジャンボ(盛り)などあり、運動部の連中が練習後に食べる時は、必ずといっていいほどその「Fランチ」だった。

25年ぶりにそのレストランになぜか行きたくなった。

「もうないよな」と諦めつつ、ネットで「Fランチ」を捜してみた。

・・・「あった」

場所は変わっているが、おそらく「Fランチ」だ。


高鳴る鼓動を抑えつつ、土曜日に、家族で行ってみた。

少し広く綺麗な感じにはなったが、黙々と食した当時の面影はやはりはあのFランチだ。

メニューも昔のままだ。

ハンバーグ定食、アジフライ定食、ピーマンの肉詰め、Bランチ・・・。


すっかり老けたあの無口な奥さんがいた。

懐かしさが、溢れ出る。

高校時代の3年間通い続けてほとんど話したことなんてなかったが、あの無口な奥さんと初めてたくさん話ができた。

あの頑固なご主人は、今も健在で厨房に立っているとのこと。

「(てごね)ハンバーグ定食」をいただいた。

25年前の味と何も変わっていない。

あの味だ。


これから生きていくことへの恍惚と不安を抱いていた高校時代。

あの時の自分が、胸からこぼれ落ちてくる。


あれから25年間。

ご主人は、ずっとハンバーグをこね、ピーマンに肉を詰め続けていたのだ。

Fランチには、生き残るための「競争優位の戦略」も「企業合併」も「事業構造改革という名の人切り」もない。

ただ、毎日、ハンバーグをこね、ピーマンに肉を詰めて、30年以上も生き残っている。

きっと、これからも。