鈴木勝利の「つれづれ日記」

コラム

vol.6 浜までは 海女も…
鈴木勝利 顧問
2008/06/27

引用が少々長くなるが、アメリカの少女が記した「あなたがしなかったこと」という少し古い詩を紹介しよう。

おぼえてる? 私があなたの新しい車をかりてへこませてしまったときのことを―
殺されちゃうかと思ったのに、あなたはそんなことはしなかった
おぼえてる? 私があなたを浜辺にひっぱっていったときのことを―
あなたは雨になるっていった
そしてやっぱり雨が降った。
「そうれみろ」っていわれちゃうかとおもったのに、あなたはそんなことはしなかった
おぼえてる? やきもちをやいてもらいたくて、私が男の子たちと遊びまわったときのことを―
あなたはやっぱりやいてくれたわ
捨てられちゃうかと思ったのに、あなたはそんなことはしなかった
おぼえてる? あなたの車のシートに私がイチゴのパイをひっくり返してしまったときのことを―
ぶたれるかと思ったのに、あなたはそんなことはしなかった
おぼえてる? 私がフォーマルなダンス・パーティだってこと言い忘れて、あなたがジーンズで来てしまったときのことを―
もう絶交されちゃうかと思ったのに、あなたはそんなことはしなかった

あなたがしなかったことは、たくさんたくさんあった
あなたは私のことを我慢し、私を愛し、私を守ってくれた
お返しに、こんどは私があなたにたくさんのことをしてあげたい
あなたがベトナムから帰ってきたら―
でも、あなたは帰ってこなかった


感想は人それぞれ。
次は釈尊の言葉である。
 
 人のおもいは、いずこへもゆくことができる。されどいずこへおもむこうとも、人はおのれよりいとしい者をみいだすことはできぬ。
 それと同じように、他の人々にも自身はこのうえなくいとしい。
 されば、おのれのいとしいことを知る者は、他の者を害してはならぬ。
(自分のいたみ、自分のよろこび、自分のかわいさということを、感動をもって味わったことのある人なら、他者のいたみやよろこびにしらずしらず共鳴できる。それをやさしさという―中野東禅「禅の常識」)


日本の社会が見失ってしまったこと。いや、社会ではなく、私たち自身なのか。
座右の銘をよく聞かれる。先日もわが墓標に刻んだ。

 浜までは 海女も蓑着る 時雨かな


組合運動を志した者として、なにごとにも誠実に生きていきたい。たとえ一枚のコピーをとるにしても。