私たちを取り巻く労働環境は日々変化し続けています。また、求められる役割も多様化・複雑化している中で、組合員一人ひとりが自助努力をしない限り、個と組織の成長は鈍化してしまいます。
このような状況に置かれていることは、誰もが認識していると思いますが、まず何から始めたらよいのかがわからず、日々発生する緊急で重要な仕事に追われ、時間だけが過ぎている現状が存在するのではないでしょうか。
人材育成という観点において、労働組合がすべてを網羅した完璧なプログラムを立案し、施策として展開することは不可能と言えます。では、今の時代に労働組合ができることとは一体何なのでしょうか。
私は、組合員一人ひとりが自らの可能性を見出し、今後のキャリアにとって大切なことに対する「気づきを与える機会」を提供することだと考えます。
この「気づき」を得るための機会として「異業種交流」に対するニーズがとても増えています。
自身とは違ったキャリアを歩んできた多様な人材と価値観を共有することで、当たり前が当たり前でなくなり、自分自身の可能性に気づくことができます。また、違う企業の人材と交流することで、自社の強み・良いところを再発見し、帰属意識が向上するといった効果も見込めます。
仕事や私生活における価値観は一人ひとり違って当たり前であり、その違いがあるからこそイノベーションが生まれるのだと思います。しかし、知らず知らずのうちに慣習に捉われ、失敗を恐れるようになり、結果として挑戦をしなくなってしまうのです。これでは人も組織も成長は見込めません。
多様な価値観が存在し、変化の早い時代だからこそできることがあるのではないでしょうか。
※弊社でも若い力で組織を活性化させるための「異業種交流会」をご支援しています。
ご興味のある方はお気軽にお声がけください。
「働き方改革」のキーワードは今や労働界の一大トレンドです。
弊社にも様々なかたちで取り組み支援のご要望をいただいています。
厚生労働省作成の資料には各業界・企業の取り組み事例が多く掲載されているなか、
訪問する組合役員の方々からは
「どこから手を付ければいいのかわからない」「今の活動すらできていないのに……」
という声もちらほらと……。
ワークライフバランス、ダイバーシティなども含め、新しい言葉は新鮮で印象的であり
概念の浸透という意味では効果的です。
一方で言葉に引きずられるように活動の冠に掲げ、中身が置いてきぼりになることも。
組織によって「働き方」の捉え方は千差万別です。
しかし、労働組合は、常に働く人の目線を持ち、現場が今何に困っていて
何を求めているのかを把握し、対応していくことが重要だと考えます。
目新しいことではなく、数十年にわたる労働組合活動で既に先人たちが取り組んでいます。
多くの労働組合の議案書には、(切り込む入口や言葉こそ違えど)既に「働き方」に
関わる取り組みが掲げられているのではないでしょうか。
一気に押し寄せた「働き方改革」のトレンドは、組合役員に突きつけられた刃物のように
労働組合の存在意義、組合活動の品質が厳しく問われている状況ともいえるでしょう。
今の自組織・自職場の課題をより鮮明に浮き出す方法として
「過去の自組織・自職場」との比較、または「環境の違う同じ課題を持つ組織・職場」
との比較は有効です。前者でいえばアンケート調査結果の経年比較による数値推移の検証、
後者でいえば他組織の方との情報交換があります。
知見やノウハウを吸収しつつ、自分たちの現状の課題を明確にすることが期待できます。
j.unonでも各地で随時、インプットおよび他組織の方との対話の場を設けています。
下記にもご案内しています。ぜひご参加ください。
http://j-union.com/-/pands/html/page.php?cd=22936
1.理由づけ(目的)
なぜ組合で、この活動を行うのか、活動する意味を伝えている
2.選 択
どのような活動をしたいか、本人の意向を確認している
3.承 認
失敗しても行動した行為を認めている
特に「理由づけ(目的)」については、一度説明したからわかっているはずと思いがちですが、活動をしていくうちに活動が目的化しがちです。
何度も目的を説明したり、確認していくことが大事かと思います。
上記の役員がやる気になるための3つのポイントを参考に組合活動に活かしていただければ幸いです。