ゆにおん・ネタ帳

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2017年

みんなを元気にする話し合いの進め方!
丸山
2017/03/26

いま、多くの組合では、“職場の連帯の向上”“本音で語り合える仲間づくり”等を運動方針やビジョンに掲げ、日々、組合活動を行っているのではなかろうか。
今回はある例を参考に、人のつながりが強い組織を作る(育て方)ことを述べていくこととする。

みなさんは、不可能と言われていた完全無農薬・無肥料のリンゴを8年の悪銭苦闘の末に実現させた木村秋則氏の『奇跡のリンゴ』をご存知でしょうか?
木村氏は、『リンゴが本来持っている生命力を引き出し、育ちやすい環境を整えること』(NHKプロフェッショナル 仕事の流儀から)こそが、本来の姿であると考え、その土地が本来持っている豊かな生態系を持つ畑(土壌)をつくりだすことで、抜群に糖度の高い奇跡のリンゴを作りあげました。

実はこの話は、組織運営にも当てはまります。一人ひとりの能力が発揮でき、多様な人たちが有機的に連携していけるような組織にするには、いかに、そのような状況を可能とする環境(土壌)を作っていくか、すなわち、一人ひとりの心と思考をつなぐ質の高い対話作りがなされているかである。

■質の高い対話とは ~心に想うことを語り、語りの背景にある意味を聴く~
そこで、おすすの方法とそのポイントを3つ。
・相手の話しを聴くときは、事実(出来事)とその解釈(気持ちやそれに対する見方)の両方を理解するようにつとめる。
・さらに、人をジャッジ(評価)する気持ちを止める。
・そして、『相手のコートを脱がせるにはこちらが脱ぐのが一番』の格言のとおり、まず、“こちらから動く”が大原則。

冒頭に述べた『リンゴが本来持っている生命力を引き出し、育ちやすい環境を整えること』とは、そこにいる一人ひとりを尊重するよう対話(会話)を用いて努め、ともにここに入れる事の喜びやこれからの可能性を信じることを感じる。その一つ一つの繰り返しにほかならない。

『奇跡のリンゴ』づくりは8年の歳月を要したという。階段を一段づつ登るように、小さな対話活動を継続的に進めていくことにより、いつかは、みんなを元気にする強い組織つくりの“成果”という果実を得られよう。

そのときになってから考える、では遅いことも多い
室橋
2017/03/19

わたしは父と二人暮らし。うすうす気づいていたものの、なかなか現実を受け入れることができませんでした。通い慣れた駅で迷子になる。ご飯を食べたのに食べていないと言い張る。わたしの顔を見て、亡くなった母の名前を呼ぶ。隣のおばちゃんから父が徘徊していることを聞いたとき、認知症という現実を受け入れるしかありませんでした。おばちゃんは「もう一人にしておけないよ」と。やっとのことでなれた課長代理なのに、仕事をあきらめなければならないの? わたしは会社を辞めなければならないの? 一人っ子のわたしは誰を頼ればいいの。今後のことを考えると不安で胸がつまる……。

「わたし」とは、私のことではありません。ライフステージにどんな変化があっても安心して働き続けてほしいという思いから、ある労組で介護の問題をわかりやすく解説した冊子を作成しました。その冊子の主人公のひとりです。ある日突然はじまる家族の介護。そのときまでは、当事者意識をもっている人は少ないようです。

30代~50代を対象にした「老後の生活への展望についての意識調査(日本法規情報㈱ 2014年)」によると、介護問題を家族間で話し合ったことがあるかの質問に「話し合ったことがある(12%)」に対し、「話し合ったことがない(58%)」とほぼ6割の方が回答。また、「介護問題を考えたくない(5%)」「介護の話は避けている(3%)」という回答もあり、「親の介護」という現実から目をそむけている傾向もあるようです。回答者が働き盛り、かつ子育て世代でもあることから、今は「親の介護」という厳しい現実を考えたくないという意識もあるのでしょうか。

これからは「育児と仕事の両立」とあわせて、介護のための両立支援にも力を入れる。介護は、いつ誰が直面するかわからないからこそ、情報提供し、組合員に心の準備をしてもらう。「介護の悩みを一人で抱え込ませない仕組み」を労働組合としても用意ができれば、仕事と介護の両立を目指す組合員にとっても心強いはずです。
仲間を迎える
松山 晃久
2017/03/09
新年度を迎え、新入組合員を迎え入れるために、皆さんの組合ではどのような活動をされていますか。  
はじめに、新入社員の意識についての調査結果から一部紹介します。

社会人生活において大切にしたい、実現したいもの(新入社員意識調査 ジェイック2015年から引用)の第1位は、自分の能力を高める、成長する(55% ※複数回答以下同じ)。次いで、社会貢献できる仕事に就くである(43%)。ワークライフバランスを確立する、が第4位である(32%) 。
総合すると、自分の能力を高めながら、自分の携わっている仕事が社会にとって価値ある仕事であってほしいし、自分の仕事も生活も大切にしたい。今の空気を反映した真っ当な学生の意識が見られる。  

会社に入ると、職場で様々な不安や、想い通りにならないことも起こってきて、誰に相談すればいいか悩むことも出てくる。その時に新入社員は誰に相談すれば、不安が解消され、解決に向かうのでしょうか。勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート結果(連合総研)によると、新入社員が雇用の悩み、不安を相談した相手は、配偶者、恋人が一番で(48.3%)、職場の同僚(42.8%)と続く。  

相談先として、職場の労働組合はわずか1.5%となっている。この結果について、組合役員の皆さんはどのように捉えますか。多くの組合では、組合員に最も身近な存在である職場委員に対し、職場の声を拾ってくれることを役割や期待としている。弊社が行った新入組合員に対する組合の対応についてアンケート調査(現場知フォーラム参加者アンケートより抜粋)では、下記のような課題が上がっている。
・組合について十分な説明、理解ができていないまま、組合員になる現状
・組合を知ってもらう、興味をもってもらうにはどうしたらよいか困っている
・組合役員の一方的な報告形式になってしまう  

職場で相談したいことがあった時に職場委員に相談する人が、期待とは逆に増えていない現状もあり、そもそも職場委員が誰なのか組合員が理解していない職場も存在するという実態の労組もあるようです。
「今期から職場委員になりましたので、困ったことがあったら相談してください。出来る限り対応します」と普通に言える状態に、そして徐々に新入組合員と会話を重ねながら、相談されるような関係ができ、悩みや不安の軽減、解消に向けた支援ができることを目指していきたいですね。


新しい仲間(新入組合員)を迎え入れる際に、j.unionがお手伝いしている事例(一部)を紹介します。
①新入組合員歓迎レク・イベント企画立案セミナー
②職場委員のモチベーションアップ・スキル向上セミナー:職場での組合活動の進め方 、職場の声の聴き方、職場集会の進め方
③読まれる組合ガイドブック :新入組合員が組合活動への理解を深めるために最低限知っておかなければならない組合知識をマンガで伝える
④働きがいアンケート:組合員(新入社員対象も可)にとって、より良い会社・職場・仕事の実現につなげるための調査・分析
⑤新入組合員向けセミナー:組合の意義や役割を明るく、楽しく、元気よく考える機会を提供する  

これから新入組合員の受入れに向けて活動していく時期に入ります。活動の進め方に悩みを抱えている組合役員の方はご一報ください。様々な角度から、j.unionはご支援します。
歴戦の勇者に安心感を
小林 薫
2017/03/05

先日、妻が仕事で不在のため、私が早く帰り、子どもたちの面倒を見る機会がありました。仕事を切り上げ、近所のスーパーで夕飯の買い物をし、家に帰り、お風呂を沸かし、ご飯をつくる。一緒にご飯を食べ、お風呂に入り、食器を洗う。なんと毎日妻はこれをやっているのかと、ついでに合間に洗濯もしているのかと思うと、感心と同時になんだか申し訳ない気持ちになりました。

私たちの会社も、幼い子どもの育児をしながら、日中は業務に携わる社員が増えてきました。職場で全力を尽くし、家庭でも全力を尽くす。夕飯を何にするかを考えるだけでなく、冷蔵庫に何が残っているのかを把握しているなんて!普通に仕事をしているけれど、毎日を戦場で過ごしている歴戦の勇者たちです。

話が変わって、昨年グーグルが社内の調査をしたそうです。うまく行っているチームとうまく行かないチームは何が違うのか。なかなか明確なものがわからずに苦労してたどり着いたものは、「安心感」だったそうです。失敗しても否定されるのではなく、その人やチームの成長につなげられる。成長のベースになるのはどうやら「安心感」のようです。

職場での「安心感」を実現するのは、主に上司の役割かもしれませんが、労働組合も貢献できる領域です。歴戦の勇者たちが「安心感」をもって働けるようにするためにも、労働組合が現場の情報を吸い上げて、経営トップの決断を促していく。会社全体に「安心感」をもたらすために、労働組合がきっかけを作っていくことが必要だと思います。

苦しみから楽しみを
藤栄 麻理子
2017/02/26
世界最大のお祭りのひとつ、リオのサンバカーニバル。今年は2月24日~27日の4日間にわたり開催されます。
学生時代からサンバに親しんでいる私にとってはわくわくするイベントのひとつです。

リオのサンバカーニバルというと、その規模や華やかさ、ダンサーの衣装などに注目が集まりますが、
多くの人を熱狂させてやまないのは、「サンバ」という音楽そのものがもつパワーなのではないかと思います。

サンバのルーツをたどると、19世紀の奴隷貿易があった時代にさかのぼります。
奴隷貿易によってアフリカから連れてこられた労働者たちが持ち込んだ民俗音楽と
ポルトガルなどヨーロッパの舞曲などが混ざりあって成り立っている音楽と言われています。
もともとが「奴隷労働者の音楽」のため、歌われる内容も生活そのものや政治・人種差別への批判を込めたものが主流でした。
身近にあった打楽器を打ち鳴らしながら、日々の生活を歌う。
そんな場面から生まれた音楽だからでしょうか、サンバのリズムには生きることへのエネルギーや歓びが込められているような気がします。
苦しい生活のの中から生きる楽しさや希望を見出させてくれるのが、サンバという音楽の魅力だと感じています。

少し話は変わりますが、先日弊社で実施している女性役員向けの公開講座で
「女性役員のみなさんが組合活動を楽しく、有意義に感じるには?」というテーマでディスカッションを行ったときのこと。
ある役員の方がおっしゃったことが心に残っています。

「楽しいって、単純にラクってだけじゃなくて苦しいことを乗り越えたからこそだと思う。
苦しみがない楽しさって流れちゃうけど、苦しくってもそれをみんなで乗り越えられるとすごく楽しいし自分に残る。
一人では無理でも一緒にゴールを目指す仲間がいるから、組合活動も仕事も頑張れるんですよね」

ここでいう楽しさというのは、自分の成長や仲間とのつながりの中で感じられるものなのでしょう。
苦しいことの中から楽しみを見出すことができるのは、それを共にする仲間がいるからこそというのは
皆さんも共感されるところではないでしょうか。

サンバの音楽も、複数の楽器の異なるリズムによって織りなされるもので、一人だけでは成り立ちません。
さまざまな個性をもつ人を巻き込み、苦楽を共にし、心をわくわくさせる。
組合活動の魅力もこんなところにあるのかな~と、そんなことに思いをはせながら今回のカーニバルを観戦したいと思います。

同じ誕生日の人っていますか?
渡辺 秀一
2017/02/15
受験シーズン真っ盛りですが、風邪もはやっており、みなさま注意なさっていることだろうと思います。
春になれば新しい学校、クラス、職場を迎える方々も多いと思います。

小学校や中学校の頃に、クラスの中に自分と同じ誕生日だった人がいて、「え~っ!おまえと同じ誕生日なんだ!」と一気に親

近感を覚えたこともあると思います。

そこで今回は統計とは少し違いますが「同じ誕生日の人がいる確率」はどんな式で求められるのかをお話ししましょう。

最近の小中学校のクラスの人数は30人~35人くらいが一般的です。
印象としてそのくらいの人数の場合、一緒の誕生日の人がいる確率はどのくらいですか?
「う~ん……、一組いるかいないかなのでせいぜい2~3パーセントくらいかなぁ」、、、
はい、読みとしてはそのぐらいに考えるのが普通です。

でももっともっと多いんです。

では、どのように計算するのでしょうか。
まずは、「誕生日が一緒にならない確率」を求めます。


【例えば、2人の間で誕生日が異なるには】

まず、一人の場合は365日から自分の誕生日の1日を引きますので

365日-1日=364日

が自分と異なりますこれを[係数1]とします。
この値が365日に対して異なる確率は、

364日÷365日=0.9973

となり、ほぼ100%になります。これを[係数2]とします。
もちろん1人ですので、「他人と同じ」ことはありません。(笑)
あくまでも365日に対しての計算結果です。

続いて2名の場合も同様にそれぞれの誕生日を365日から引きます。

365日-2日=363日[係数1]

になります。
それで[係数2]を計算しますと

363日÷365日=0.9945[係数2]

となります。

但し、複数人数になりましたので、ここから一手間が増えます。
一人のときの[係数2]と2人のときの[係数2]を積算します。

0.9973×0.9945=0.9918(99.18%)

これが「2人の間で誕生日が一緒にならない確率」になります。
そして100%からこの確率を引いたものが「誕生日が一緒になる確率」になります。

100%-99.18%=0.82%

2人組の誕生日が同じになる確率は0.82%』ときわめて低いことがわかります。



【30人のクラスで同じ誕生日が1組以上いる確率を求めるには】

上記2人の場合の例と同じように1人から30人までの[係数2]をそれぞれ求めます。
それを30個積算します。

0.9973×0.9945×0.9981・・・・・・0.9205×0.9178=0.2695

となり、およそ26.95%が30人全員の誕生日が異なる確率になります。
これを100%から引いたものが1組以上同じ誕生日になる確率ですが、、、

100%-26.95%=73.05%

となり、何と7割以上の確率で同じ誕生日が1組以上いるということになります。
意外と高いですよね。

ちなみに、5割を超えるのは22人のグループになり、60人のグループでほぼ100%になります。


個人情報云々言われる時代ですので他人の誕生日も軽々しく聞けない世知辛い世の中になりましたが、みなさまの職場は何人い

てどのくらいの確率なのか、本当にいるのかを確かめてみてください。
そのときにできた「誕生日表」という副産物で毎月ささやかな誕生日のお祝いをしてみてもよいのではないでしょうか。

私の部署は2名ですので確率は限りなく0%に近いです。
(もちろん異なります)


「[係数2]とか分けのわからない計算はいいから、私の部署の人数だと何パーセントなの?」ということがわかるような一覧

表を添付しました。
表を探すのも面倒な方(笑)のために、人数を入れればシミュレーションできるような仕掛けもついています。



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「相手に求めるもの」と「相手が求めるもの」
佐々木 務
2017/02/13
 4月は様々な新たなスタートの時期ですが、2月はその時期を控え、新しい体制でスタートしたい会社と、新しい環境でスタートし転職者の動きが活発になる時期でもあります。
当社でも、随時必要に応じ中途採用活動をしていますが、募集時期、職種、求人サイトの原稿内容によって応募者に大きく差が出る事があります。
 
募集時期や職種はどうしてもタイミングがあるのですが、求人サイトの原稿内容はその都度、より多くの応募者に関心を持ってもらえるよう、試行錯誤しながら考えています。
新たな人材を求める際、現場からはどうしてもいろいろな事を求めてしまいがちで、人材要件やお仕事の内容にあれもこれもと求めてしまいます。
会社としては、期待する仕事の経験・スキル全てを既に持っている人物を求めてしまうものですが、知名度の低い私たちのような中小企業に、なかなかそんな人物が応募してきてくれる事は少なく、実際にはなかなか応募が少なかったり、かと思えば非常に沢山の応募があったりと中々難しいものです。
 
中途採用において成功するためには、応募者の立場になって下記3つの要素を考えなければいけないと言われています。
「キャリアチェンジ、キャリアアップなど新しい仕事ができる要素があるか」
「待遇(賃金・職場環境・労働条件など)が今よりも魅力的なものか」
「早く選考結果が出るか、選考の負担が少ないかどうか」
応募者の立場に立てば当たり前の事で、そもそも転職者はこのような要素を満たしたいと思っているからこそ転職活動をしているわけです。
意外と会社と応募者でミスマッチが起きやすいのが、「新しい仕事ができるか」という点です。
募集する会社側が採用部署で担う仕事にピッタリ合った経験・仕事をしている人材を探し、応募者が今やっていない仕事を求めているというのは良くあるケースです。
 
募集する会社はどこまでが必須の経験であって、どの程度の未経験が許容できるのかという事も十分に検討する必要があります。
要するに「相手に求めるもの」と「相手が求めるもの」のバランスを取らないと、お互いに納得できる採用活動は難しいのです。
 
このような事は、他のビジネスシーンでも同じ事が言えます。
ユーザーが商品やサービスに付加価値として求めるものと、サプライヤーが経済的利益などの対価として求めるもの。
このバランスが取れたWIN-WINのビジネスでなければ、永くユーザーの支持を得ながらサプライヤーも安定供給を続けることはできないでしょう。
 
同じことは会社内の労使関係にも言えることで、社員が会社に求める職場環境や働きがい、会社が求める生産性や付加価値など、そのバランスが取れたWIN-WINの労使関係であることが、社員が安心でき、永く働きたいと思い、会社も健全に経営を存続する事ができるのです。
 
労使間で「相手に求めるもの」と「相手が求めるもの」このバランスを取る重要な役割を労働組合が担っている事はいうまでもありません。
女性の活躍を支援する ~育児休業の現場から~
中岡 祐子
2017/02/05
前略、待機児童です

前回は、育児休業中の現場からのレポートをお届けした。
次は職場からと思っていたのだが、平成28年度の認可保育園の不承諾通知を頂いてしまった。
ということで認証保育園※に預けようとしたのだが、16軒まわって、ただの1軒も空きがない。
空きがないどころか、未だに何十人も待っているというのだ。ならば一時保育でもと思ったが、
どこの保育園も一時保育の枠を潰してまで子供を預かっているというのである。
期の途中でも認証くらいなら入れるだろうと思っていたので、面喰らった。
それどころか、来年の戦いはもう始まっていた。7月の終わりにある認証保育園に見学にいったところ、
29年度入園分で60番目と言われた。見学者多数で、すでに見学を打ち切っている園もあった。
想像以上に待機児童の問題は深刻である。企業がこんなにも努力して両立できる術を整えてきたのに行政がこれではと、頭を抱えた。
※認証保育園:認可外ではあるが東京都の定める基準を満たしている園

家庭における支援者

保育園にはふられてしまったが、仕事はまったなし。
育児休業中でもいくつかのセミナーがある。実家が遠方であるため、頼れるのは夫しかいない。
平日にセミナーをするためには、夫が休まなければならず、平均して月に1~2回は休んでもらっている。
病気らしい病気もせず、ほとんど有給をとることのなかった夫にはこれが大変なようだ。
しかも最近は現場の責任者となり、会社の都合で部下の人数も減り、プレイヤーとしての負担も大きい。
それはもう毎回大変な交渉である。
多くの妻はこの交渉を避けているのではないかと思う。
子供のことで何かあると、無条件に妻側が休むケースのほうが多いのではないか。
仕事の責任の重さ、給与や勤務時間等を比較すると、妻側が折れることになるのだろうが、夫婦で話し合う癖をつけ、
夫を自分のキャリアの支援者にして欲しい。そうして職場を不在にする回数が少しでも減ることで、
任される仕事の責任も増し、キャリアは形成されていく。
最近のキャリアの研究家たちは、夫婦ともに自身のキャリアを考え、家事は分担することを理想として掲げている。
理想通りにはいかない日本の風土や職場慣行はあるが、時代は変わっている。配偶者控除も見直され、国からも女性に働けという強いメッセージが出ている。
妻達は夫に協力を要請して欲しいし、これを今読んでいる子育て中の夫達は、妻のキャリアについても考えてほしい。

夫の働き方改革

かくして、夫は月に1~2回休むことになったのだが、よくよく冷静に考えてみると、さほど問題があることだとは思えない。
むしろライフキャリア全体からみると良いことであり、有給を使えない会社や働き方のほうがまずい。
夫は、平日休みのときは、のんびり買い物に行って料理をしたり、子供と散歩したり、リフレッシュ出来ているようだ。
ワーク・ライフ・バランスやダイバーシティを掲げながら、残業の実態は変わらないという組織は多い。
残業を減らすことを目的とするのではなく、育児や家族と過ごすことを目的にしてみてはどうだろうか。
今日も児童館で、赤ちゃんをどうやってお風呂にいれるかの話題になったのだが、夫が早く帰って入れてくれれば問題にならない。
夫が不在なのが前提になっているのが、とても気になった。これを当たり前にしてはいけない。

相手に期待をし、役割を与える

さて、夫に育児を頼むときに、やっかいな問題がある。妻が夫に育児を任しきれないということだ。
たまにしか育児に参加しない夫がやるより自分でやったほうが早い。夫のほうも妻ほど上手に出来ないので、家事は手伝うけど育児はちょっと、という話もきく。
これでは、妻は安心して仕事にもいけないし、たまに育児を離れてリフレッシュすることもできない。
そして、この図式はどこかで見たことがあると気がつく。そう、職場で男性上司が女性部下に対し、期待をせず、役割を与えないというのと同じなのである。
慣れてない相手に任せるというのは不安なものである。しかし、これを乗り越えないことには、お互いの成長はない。
任される側だけでなく、任せる側の成長も必要だ。
うちの夫はイクメンである。どうやったらそうなるのか秘訣を聞かれるが、簡単である。妻が動かなければよい。
ただし我が家の場合、私のマネジメントが良いというより、単に無精者だからというのが正しいかもしれない。
しかし私の無精のおかげで、子供の成長を日々夫婦で共有できるのは、子育ての何よりの醍醐味ではないだろうか



2017/01/31

年末年始は実家のある千葉へ帰省しました。名古屋から上り方面へ向かう年末の新幹線は空席も多く、快適に過ごすことができます。おそらく名古屋から年末に登り方面に向かい、仕事始めに備えて年始に名古屋へ向かうという私の動きは、年末年始に帰省する他の多くの人々とは真反対になっているのでしょう。

実家に帰省する際に時間がある時は、かつて足を運んだ古書店や新古書店をのぞくことが楽しみのひとつとなっています。ここ最近の帰省でも何冊かの古本と巡り合いましたが、印象に残っている一冊があります。その一冊は都内某所の古書店の店頭に100円均一で無造作に並んでいたある登山家の紀行文でした。

わたしは休日に山を訪れることが好きなのですが、技術もないために低山を歩くことがほとんどです。そのため、自分よりもはるかに経験を積んだ登山家の文章に強い憧れを抱いてしまうところがあります。

ところが、頁をめくっていて「登山の目的が、古くは修験道であり、近くは心身鍛錬であるならば、万年雪のある(ビールもある)アルプスへ夏行くなどは、本末転倒も甚だしい行為でなくてなんであろう」(川崎精雄「やぶをこぐ」1941)という一文を目にした時、登山家の原理主義的な姿勢に私は小さな違和感を覚えました。それはむしろ厳冬期の北アルプスへ登ったことのないわたしの嫉妬と言った方が正確かもしれません。

しかし、そのすぐ後に続く「厳冬アルプスへ向かうと同じく、夏は蒸されるような、汗で目がくらみ、頭の芯がぼやけるような、猛烈な藪山へ登ることこそ、正統登山道である、んではないかと実は考えたのである」というユーモラスな文章を読み、わたしは思わず笑みが零れました。なぜなら、かつてそれこそ夏山で、道なのかどうかもわからぬまま、それでも前に進むしかなかったので、藪こぎし続けた苦い経験がわたしにもあったことを思い出したからです。

それから数日後、わたしは弊社での仕事始めを迎えました。今年の抱負を漢字一文字で書くという社内行事があり、わたしは迷わず「藪」と書きました。ルートファインディングが難しい猛烈な藪山とは、私たちが働き暮らす現代そのものに思えたからです。今年も藪をこぐようにして、一歩でも二歩でも前に進みながら労働組合の活動支援を続けたいと思います。

成長するための学び
伊東
2017/01/22
リーダーシップ育成機関として知られるアメリカの調査教育会社、ロミンガーの行った調査で、興味深い結果が出ていたので紹介したい。

優れた経営幹部たちに「リーダーとして成長するための学びをどこから得たか?」と聞いたところ、
7割が仕事上の「経験」、2割が他者からの「薫陶(くんとう)(上司や顧客、取引先からの影響)、そして1割が「研修」という結果であった。

「経験」は現場実践であり、その実践の振り返りや内省化も含まれる。「薫陶」は上司や目上の人から伝わるメッセージやアドバイス、
「研修」は新たな視点や知識を会得する場を設定すること、と言える。


つまり成長のために「経験」が何より重要なのは言うまでもないが、やはりそれだけでは足りない。
自分のこれまで人生を振り返ってみても、確かに心ある人からの「薫陶」は大きな影響を与えるものであった。

かなり昔のことでも、当時言われたことが印象に残っている。

確かに、何やら展望が開けたような気がして前向きになれた。

これで良いのだ、と自信を持って取り組めるのは、何事にも必要なことである。


今思えば自分にとっての「薫陶」とは、分かりやすく言い換えれば「勇気づけ」のことであったように思う。
薫陶を受けることによって、結果的に勇気づけられたのである。


そして今は薫陶を与える立場となり、つまりは周囲を勇気づけなくてはならないが、なかなか簡単にはいかない。
「自分が言われたら勇気づく言葉」が、その人にも当てはまるとは限らず、逆効果になる場合もある。

どのように言われれば勇気づくか、人によって感じ方は異なる。
こちらが言いたいことを言うのではなく、相手が言って欲しいことをいうのでもなく、
最終的には相手にとって良いこと(勇気づくこと)を伝えられるように、考え続けるしかないのである。

甚だ中途半端なところで終わる本文だが、何かの参考になれば幸いである。

ちなみに「薫陶」とは辞書で調べると「徳の力で人を感化し、教育すること」ということらしい。
徳の力…
まずは何より、自らの徳を高めていきたいと思う。