今回は台風について書きたいと思いますが、まず台風によって犠牲にな
られた方のご冥福をお祈りすると共に、被害にあわれた方の一刻も早い復
旧を願っております。
今年は迷走台風の12号やその後連続して発生している13号~19号とその
動きが目立ちます。
15~19号は5日連続で発生しているという観測史上初のことだそうです。
日本では「台風」と呼んでいますが、地域によって「タイフーン」「ハ
リケーン」「サイクロン」などがあります。
【種類】
大まかな違いとしては次のようになります。
(詳細は異なる場合もあります)
・タイフーン:北半球の主にアジア周辺の太平洋で発生するもの。
日本では中心部分の10分間の風速の平均が17.2m/秒
を超えると「台風」と定義されますが、国際基準で
は1分間の平均風速が32.7m/秒を超える熱帯低気圧
を指します。
・ハリケーン:北半球の主に北中米付近の大西洋、太平洋で発生す
るもの。中心部分の1分間の風速の平均が32.7m/秒
を超えると個別の名前が付きます。
・サイクロン:南半球のインド洋や南太平洋で発生するもので、風
速の条件はハリケーンと同様です。
基本的に北半球で発生したものは「反時計回り」、南半球のものは「時計
回り」に回転しています。
ちなみに17号は発生した海域から元はハリケーンでしたが、タイフーンの
海域まで移動してきました。これを「越境台風」と言います。
台風にはそれぞれ名前が付いています。アジア14カ国で順番に名前を割り
振って140個の名前があります。[台風の名前]で検索してみると気象庁や
ウエザーニュース社などのホームページに詳しく書かれています。
しかし、越境台風の場合は発生した時に付けられた名前がそのまま使われ
ています。台風17号は「へクター」という名前です。
【語源】
日本語の「台風」は「タイフーン(Typhoon)」が語源ではなく中国から伝
わってきた「颶風(ぐふう)」が「台風」(颱風)の語源であるとされる説が多
く、タイフーン(Typhoon)は明治時代から使われるようになったようです。
台風○○号という呼び方は、その年の1月1日以降に発生した台風を「1号」
とし、その順番を表しています。天気図上では、2018年に発生した12番目の
台風には「1812」というように4桁の番号が付けられています。
【日本付近では】
1年間に発生する台風の平均は25~26個です。そのうち平均3個が日本に上
陸し、しなくても10個以上が日本から300km以内に接近していますので直接
的影響が出ているものが多くあるということになります。
【台風の発生と衰退】
台風は暖かい海面から水蒸気を補給して大きくなります。
正確には水蒸気がまとまって雲になる時に放出される熱エネルギーを源と
し発達する気象現象ですが、水蒸気を吸って大きくなるという理解でよいと
思います。
しかし、台風は自分で動くことはできないので、周りの気流によって動か
されているということになります。
その際に大気や海面、陸地などとの摩擦で多くのエネルギーを損失してい
ます。
このエネルギーの損失が水蒸気の補給によるエネルギーの蓄積を上回ると
勢力が衰えていきます。
陸地に上がった台風が急速に勢力を弱めるのは暖かい海面から補給する水
蒸気がなくなってしまうからです。
日本付近では北の上空からの寒気によって勢力が弱まり「温帯低気圧」に
変わることもあります。
【台風の進路】
天気予報などで進路予想図を見たことがあると思います。
こんな感じの図です。
これは台風の今後の進路を表しているものです。
前述の通り台風が自分では動けないので、その進路は主に気圧配置に基づ
く風の流れや前線の位置などによって決まります。
現在位置には「中心点」と「暴風域」「強風域」が円で表示され、進む先
には「暴風警戒域」と「予報円」が12時間ごとに描かれています。
パッと見ると「中心点」からのガイド線がそのまま進路のように見えます
が、「予報円」は「台風の中心がこの円のどこかに入る確立が70%あります」
ということを表しており、割と大雑把な予報になっています。
円の東側と西側、北側と南側では大きく異なることがわかると思います。
そのコースによっては被害への影響も大きく変わります。
今年の台風12号のような迷走台風では行き先がハッキリしないので予報円
が極端に大きくなるという事例も発生してます。
【避難命令】
あまり来てほしくないのが「台風」ですが、日本は場所がら切っても切れ
ない関係なのでその対策は国や地域のみならず個人レベルでも求められます。
避難袋への備えや避難場所の確認、家族との連絡方法などはもちろんです
が、下記に避難命令の強弱を載せておきますので参考にしてみてください。
警戒区域:
設定した区域への立ち入りを制限、禁止またはその区域から退去
を命ずるものです。
従わない場合、罰金または拘留の罰則が科せられます。
避難指示:
避難指示(緊急)。人的被害の危険性が非常に高い状況です。
直ちに避難しましょう。
外出することでかえって命に危険が及ぶ状況では、自宅内のより
安全な場所に避難しましょう。
避難勧告:
避難場所などの安全なところへ速やかに避難しましょう。
避難準備:
避難準備・高齢者等避難開始。いつでも避難できるよう、非常用
持ち出し品を用意し家族や近所の人と連絡を取るなどの準備をし
ましょう。
避難に時間を要する人(ご高齢の方、障害のある方、乳幼児をお
連れの方など)は避難を開始しましょう。
最新のガイドラインは防災情報ページで確認してください。
防災情報のページ(内閣府)
http://www.bousai.go.jp/oukyu/hinankankoku/h28_hinankankoku_guideline/index.html
【組合として】
組合として既に取り組んでいるところも多いと思われます。
組合員やその家族の安全確保のため、職場会などで普段から防災意識を
高める活動が必要でしょう。
あなたの家にも避難袋はあるけど中身が空っぽなんてことはありませんか?
備えあれば憂いなしです。