不況の真っ只中にある某労組において、支部役員を対象に意識調査後の活動策定をワークセッション形式で
行った。
この支部では、不景気で業績が悪化しているにも関わらず、意識調査の結果、昨年実施した調査結果に比べ
て社員のモチベーションが高まっていた。
更に驚くべきことに、”労働組合に対する評価が著しく高まっていた”のである。
社員のモチベーションは企業業績に大きく影響を受ける傾向があったが、今回のように業績が悪化している
にも関わらず、モチベーションが高まっていることは稀なケースである。
なぜそのように高まることができたのか、その理由を知りたいと考え、ワークセッションの際に役員に聞き
、次のような、要因が最も大きいとわかった。
■各職場単位を統括する役員(職場委員)選出の際に、職場でリーダー的な人物ばかりを選出したことが
最大の要因である。
現場の組合員にもっとも近い組合役員に職場のリーダー的な存在をあたらせたために、職場での信任も厚く
、活動への関与を引き出すことに成功した。
また交流イベントなどを開く際も、リーダーシップを発揮し、各職場にどんなイベントが良いかのアンケ
ートによって意見を集めて、その声を反映させたイベントへの実施とそれにともなう集客のための声掛け
などを積極的に行ってくれた。
さらに、職場集会の開催への評価も高まるとともに、そこで出された意見とその結果報告への評価が高く
、自分達お声が経営にきちんと届いていると評価されるとともに、経営対策も経営チェックの役割を組合
が十分果していると評価されるようになったのである。
最終的には、組合活動全般への評価が劇的に改善し、さらには会社や職場における社員のモチベーション
が向上することに寄与したと言っても過言ではない。
組合員に最も近いリーダーの人選が重要であるということを再認識した。
ふとある言葉が頭に浮かんだ。
「よくするのも人、わるくするのも人」
組織はもちろん、製品やサービスも社会さえも、よくするのも、わるくするのも みな人であり、それを
指揮するリーダーの役割は大きい。 そのことを忘れないようにしておきたい。
以上 何かのネタになれば幸いである。