労働組合への加入に否定的(あるいは懐疑的)な人に
「なぜわざわざ、毎月お金を払って労働組合に、加入しないといけないのか? 」
と(労働組合の存在意義を)聞かれたら、組合役員の、みなさんはどう応えていますか?
よくある応え方として
「労働者の雇用・権利・地位・処遇・安全を維持向上させるため」
「経営のチェック機能、業界のチェック機能、政治のチェック機能」
「共済、レク活動、社会・地域貢献」
「相談機能、ボトムアップ機能、人材育成機能のため」
「よい会社をつくるため、はたらきがいを作るため」
など労働組合役員のみなさんは、すでにこの問いに対する応え方をお持ちだと思います。
本日は私が、若者へ組合加入の意義を話す際の、例え話をご紹介したいと思います。
何かのネタとなれば幸いです。
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<< 組合活動は『消防活動』のようなものです。 >>
消防署は、みんなのお金で消防活動を行っています。
消火活動はもとより、防火のための基準や制度をつくり、点検や啓蒙活動などを行っています。
労働組合も同様に、組合員のお金で組合活動を行っています。
ある人や場所で火事(不当な解雇や不利益変更など)があった際の消火活動はもとより、
組織や業界や労働者全体の防火(予防の)ための基準や制度つくりを経営や行政に働きかけています。
雇用や働きやすさが維持向上するため、会社が存続発展するように組合員と経営・行政に働きかけています。
また経営や現場を点検し、組合員にたいしても幅広く、様々な啓蒙活動も行っています。
消防も組合も、火事がまったくおこらない状態が理想的です。
しかし、制度や設備が整い火事がおきる心配がなくなると、お金を払うことへの不満がおきてきます。
火事が発生して実際に被害にあったり、火災が多発して被害拡大を防げない場合も、不満がおきてきます。
そんなときに、ある人に次のようなことを言われたとします。
「 私は消防の世話になることなどない、消防など無意味だ
かりに、火事になってもあんたらの世話にはならない、
したがって、消防署員や消防組織や活動のための、お金は払いたくない。」
あるいは
「うちのマンションはオーナーが理解があって、防火対策も消火設備も万全なので、われわれ
マンションの住民だけは、安全なので消防のお世話になる必要はない。」
あるいは、守ってあげられなかった(もっとも身につまされる)人から
「 私の家の火事を消すのが遅くて、家と家族の命を失ってしまったではないか。
命がけで助けてくれよ。そんなだらしのない形だけの消防など意味がない。」
もし、消防署員だったら、そのように言われた際に、どう応えるでしょうか。
私ならば
その方のご意見やお気持ちは真摯に受け止めると申し上げた上で、
そうだとしても、もし火事になったら、われわれは消火をしないわけにはいきません。
消火活動がたとえ力不足であろうと、不要だと断られようとも、われわれは消火をしないわけにはいかないのです。
消火活動が力不足であるとするならば、みなさんの力を借りてでも、消火をしなければなりません。 いっそうのご理解とご協力が必要です。
みんなで一致協力して消火しなければ、火は周辺に燃え移り拡大してしまいます。
消防活動は、地域全体への活動であり、自宅以外の場所の安全も確保しなければなりません。
通勤・通学中の火災の危険、地震や爆発による、消防活動までも対処できるようにしておく
必要があるわけで、自分の自宅やマンションだけの安全だけが確保されればそれでよいと
いうことにはなりません。
また、理解者や協力者が減り予算が減り、消防組織が弱体化すれば、消防署員いなくなり、
防火も消火活動も弱体化して、これまで以上に火事による被害者が増すでしょう。
公共の利益、安全や安心というものは、みなさんの理解と協力が不可欠です。
自分自身の対策はもとより、金銭的な協力は最低限の必要です。
できれば消防活動に積極的に知恵と力を貸していただきたいのです。
自立した人・危機感や問題意識を持っている人こそ、困っている人を助けたり、
問題意識の希薄な人に働きかけなどの力を貸して欲しいのです。
組合も、同様なのです。 あなたの力が必要なのです。
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(このコーナーで紹介したいので、みなさんの”よい応え方”を、ぜひ教えて下さい。)