ゆにおん・ネタ帳

2019年 - 2018年 - 2017年 - 2016年 - 2015年 - 2014年 - 2013年 - 2012年 - 2011年 - 2010年 - 2009年 - 2008年

2011年

『組合活動の見える化』を推進する
渡邊 祐介
2011/05/29
組合員からよく聞かれる声に次のようなものがありませんか?

「組合は何をやっているのかわからない」
「何をやっているのかわからないのに組合費を払いたくない」
「組合は会社の言いなりで自分たちの意見を活動に反映させてくれない」 などなど

多くの組合では、職場集会やオルグの場、日々の対話などで組合員からの声を吸い上げ、
その声を組合活動に反映させ、さらにその結果を機関紙や議案書、各専門局からのニュースなどで
タイムリーに組合員へ発信しています。

なのに、なぜ組合員から「組合は何をやっているのかよくわからない」という声が挙がってくるのでしょうか?

その原因のひとつとして考えられるのが、あらゆる決定事項に至る“活動のプロセス(過程)”が
組合員に見えていないことだといえます。

よって、『組合活動の“プロセス”を見える化』してあげることが、組合員の活動に対する納得感を高め、
主体的に活動へ参画させるための第一歩だと考えます。


“決定事項だけを伝えるのではなく、決定に至るまでの過程も伝える”


例えば、来期の活動方針を組合員へ伝える際、その活動に取り組むに至った内的・外的要因は語られても、
具体的に組合役員がどのような議論を重ね、どれだけの熱い想いをもって決定に至ったのかは意外と語られて
いないのではないでしょうか?

情報宣伝活動をご支援させていただいている私がこのようなことを言うのは違うのかも知れませんが、
見せ方やカタチにこだわらず、みなさんの想いを熱く、そして根気強く組合員に伝える活動を、組合員は
求めているような気がします。

その過程において、私どもは「みなさんの熱い想いを組合員に伝わる言葉に変換する」ご支援をさせて
いただければ幸いです。

調査結果からみる組合員の働きがいとは?
依藤 聡
2011/05/22
私の仕事は労働組合様からご用命いただいた調査活動(主にアンケート)を企画し、分
析する仕事です。その仕事の中で、最近「あなたはどのような時に働きがいを感じま
すか?」という質問を聴取することが増えています。
その中で上位に挙げられる回答としては、おおむね以下の通りです。(順不同)

◇仕事を通して成長できたと感じられたとき
◇お客様からの評価をいただいたとき
◇他者(上長や同僚など)からの評価をいただいたとき
◇仕事において達成感を得られたとき
◇仕事上の責任や権限を付与されたとき
◇仕事に見合うだけの賃金が得られたとき

要約すると、「成長感」、「他者からの承認・評価」、「達成感」、「権限移譲」、
「賃金」ということになります。ただし、これらの割合の高低は組織によって異なり
ます。同じ「他者からの承認」でも、小売業などに代表されるお客様と接することの
多い組織ですと、「お客様から感謝されたとき」のような回答が上位(最も高い場合も
あります)に挙げられます。また、有期雇用者が多い組織ですと、「雰囲気のよい職場
だと感じたとき」のような上記に挙げられていない職場内のコミュニケーションを重
視している傾向がみられます。また、「賃金」が働きがい向上の一因となっています
が、他の項目に比べると割合は低い傾向にあります。労働組合に対して「賃金の向
上」を強く求めている(当社調べ)割には、自己の働きがいという観点では組合への要
望に比べると強く重視していない傾向にあります。

ところで、『働きがいの向上』を組合のビジョンに掲げている議案書を拝見すること
が多々あります。それでは、組合員の考える働きがいとは何でしょうか?もちろん、
多岐には渡っていることは間違いないと思いますが、自組織の傾向を把握することは
重要ではないでしょうか。

これをご覧になっている方々は、働きがいをどのような時に感じますか?私は、これ
を読んだ人がこういった調査に興味を持っていただけると、とても働きがいを感じま
す。
誰でもできそうでできないこと
池上 元規
2011/05/15
以前に私が出会ったすばらしい組合役員を紹介したい。
この話は本人(組合役員Kさん)からではなく、同僚の組合役員から聞いた話だ。

その組合役員Kさんは非専従で定期的な転勤を余儀なくされる職種で働いている。
一緒に働く後輩の組合員Sさんは職場で少し浮いている存在で他の仲間とも馴染
めていない状態で心配だった。そこで職場の飲み会に何度も誘ったが最近の若い
人の典型か「酒は好きじゃないし、メリットはない」と言って絶対に参加はして
くれない。

そこで組合役員Kさんは日頃からSさんに声を掛け、Sさんの興味関心事のある
話題を探して一生懸命関係を築いていった。そして1年後に組合役員KさんはS
さんに「もう自分には時間がない。〇月には恐らく転勤だ。だから自分に時間を
もらえない!」と話したらSさんは、ついに飲み会に参加してくれた。Sさんは
そこから他の仲間とも打ち解けていった。たかが飲み会、されど飲み会。

この話を聞いて私は少し“キザ”じゃないかとも思った。しかしこの“キザ”な
言葉かもしれないが、相手への熱意と興味関心を持つ気持ちの強さがSさんの行
動を変え、私は衝撃を受けた。
また同時にローマの某詩人が書いたといわれるこんな言葉を思い出した。
 「われわれは興味関心を寄せてくれる人々に関心をよせる」
  他人に示す関心は、人間関係の他の原則と同様に、必ず心の底からでないと
  ならない。関心を示す人の利益になるだけではなく、関心を示す相手にも利
  益を生まねばならない。一方通行ではなく、双方の利益にならなくてはいけ
  ない。

この組合役員Kさんはこの詩人が書いた内容を既に実践している尊敬できる一人
だ。この取り組みが組合員との距離を縮めるポイントだと思える。組合役員には
こんな魅力的な人が多く、またすばらしい人に出会うことを楽しみに私は仕事を
している。

声から「働きがい」をカタチにする
荏本
2011/05/08
古くて新しい言葉「働きがい」。

あるシステム系企業の組合では、活動方針をもとに「働きがい」に関する10以上のキーワード(※)を設定。
各キーワードの行動に秀でていると思われる組合員を、各職場役員がそれぞれの担当職場内から推薦しました。

推薦された組合員に行ったのは、1対1の聞き取りインタビューです。

インタビューの質問内容は、業務の専門知識や成功話ではなく、働き方やそこに紐づく意識が中心でした。

※キーワード例:「新しい分野へのチャレンジ」、「仕事への責任感」、「業務改善への意欲」、「キャリア開発」など


部署も社歴も違う組合員たちの言葉から共通の特長を抽出すると、以下のようにまとまりました。

 ◆特長1.常に全体最適を考える
    →私の時間はみんなの時間を守ることで、守られる。トータルでうまくいくために手間を惜しまない。

 ◆特長2.職場で日々の対話が起きやすくする
    →自分から話しかけ、働きかけ続ける。次第に、気軽に声をかけあえる雰囲気ができていく。

 ◆特長3.出会った仕事を前向きに生かす
    →いつ、どんな業務・役割を担うかわからないご時世。出会った経験を血肉に変え、成長の糧としていく。

 ◆特長4.仕事以外の時間を輝かせている
    →仕事と仕事以外の生活が完全に分離していない。時間は区別されていても、心の持ちようがつながっている。

各インタビューの声とこれらの特長は、読みやすく、親しみやすい体裁でハンドブックにまとめられました。
冊子は、組合員だけではなく、全管理職および会社役員にも配布されています。


ビジネス書や研修会社のカリキュラムには、リーダー論、組織論、コミュニケーション手法、キャリア理論、心理学、
ワーク・ライフ・バランスの考え方など、多様な知識やノウハウがラインアップされています。

しかし、"私の会社"で身近に働く仲間の声に耳を傾け、働き方を深く考察する取り組みは、組合だからこそできること。
「この会社で働く意味」や「この会社で働く歓び」をカタチにするためには、組合員や職場のことをよく理解・把握し、
部門横断的かつ俯瞰的な視点で、社員と会社の成長に向けた情熱を絶やさずに取り組む必要があります。

組合がおぼろげながらもカタチにしたものを、社員一人ひとりが受けとめ、咀嚼し、再構成していく。
「働きがい」とは、日々の振舞い方、仕事への取り組み方、人との関わり方などを通じて、個々人が結果的に発見できるもの。
これが、今回の取り組みを通して私自身が得た答えでした。


多くの企業や組合が追求している職場の「働きがい」づくり。取り組みのヒントもまた、職場にあるのかもしれません。



豊かな人生創造の取り組み
三橋 秀郎
2011/04/24
現在、ある会社の共済会から入社から定年退職までの人間力教育の取り組みの相談を受けている。
「豊かな人生創造」をテーマにその研修を通じて、人間力を高めていこうというねらいである。内容はライフデザイン、マネープラン、モラルやストレス耐性まで幅広く展開する予定にしている。

その打ち合わせの中で担当者からよく出てくる言葉で印象に残っているのが、『道徳』『家族』というキーワードであった。
・今の世の中、社会人としての常識(何が常識で何が非常識なのかの境)がなくなってきているのではないか?
・職場でのチームワークや仲間意識が薄れているが、相互扶助の観点から日本全体を大きなくくりで捉えると、全てが家族と捉えることができるのではないか?
職場の仲間、上司・部下の関係、さらには地域社会も一つの家族と捉えると、もっと助け合いの気持ちが出てくるのではないかというものであった。

そんな状況を、今回の取り組みを通じて一人ひとりが気づき、人として成長してもらいたいというものであり、非常に『使命感』に燃え熱く語っておられた。

くしくも今回の東日本大震災により相互扶助が被災地では自然発生的になされているが、このような助け合いが震災などなくとも日常において自然にできる社会になる必要があると思う。
そのためにも、今回の共済会の取り組みのように幅広い側面での学びの場と長期スパンでの取り組みが必要だと実感した。

組合の人材育成機能とは!
丸山由紀夫
2011/04/17
今回は労働組合が果たしている人材育成機能の“凄さ”について書くこととする。これは実際に私が体験したある組合役員のサクセスストーリー(現在進行中)である。

その組合役員と出会ったのは、今から5年前、支部で職場委員向け研修を実施したときのことだ。そのときの彼の第一印象はもの静かで、何を質問しても無表情。そして何かにおびえているような…そんな態度や表情が印象に残っていた。グループワーク中心の研修の為、様々な意見を交わす機会があったのだが、彼はただひたすらメモをとって、ついには研修の最後まで一言も声を発しなかったのである。なので、非常に印象に残っていた参加者であった。

それから、月日が流れ1年ほど前にその彼と今度は執行委員研修で再会をした。その時の彼は5年前とは見違えるような表情だった。もの静かな感じは以前と同様ではあったが、その瞳はらんらんと輝き自信に満ちた表情をしていた。前回の研修と同じく、グループワークの時間があったのだが、様々観点から意見を発し、誰よりも多くの意見を述べ見事なまでにリーダーシップを発揮していたのだ。

私は、失礼を承知でその研修の帰り、その彼にこの2年間組合活動でどんなことがあったのか尋ねてみた。そこで帰ってきた回答が以下の通りである。

 ・初めは嫌々やっていた組合役員ではあったが、様々な組合活動を経験するうちに先輩たちの様々な活動の積み重ねがあって今の自分達があるということを数多く実感した(組合の記念誌つくり、OBとの懇談会等を通じて)
 ・そして、組合活動を通じて、様々な人達に(職種や階層の異なる)ふれることにより、自分が持っていた考え方(ものの見方や捉え方)や価値観までを見つめなおすきっかけにつながなっている

彼は、知らず知らずにリーダーシップ能力、マネジメント能力を磨いていたのである。そして本人自身がそれに気づき現在は、生き方といった価値感までも問い直しはじめているのである。

私は組合が持っている(果たしている)人材育成能力の凄さを感じ、このすばらしい組合活動に今後も携わっていきたいと改めて強く感じた。

広がる支援の輪
室橋
2011/04/10
大規模な被害をもたらした東日本大震災から1ヶ月が経とうとしています。
いまも毎日、震源地が首都圏に近いところでも余震が続いています。

被災地の被害の惨状、食糧不足、衛生状況の悪化など、現地の状況が報道されるたびに心が痛みました。
わたしは家族が被災し、震災から7日目にようやく連絡を取ることができました。
居ても立っても居られず、物資を詰め込んだスーツケースを持って向かいました。

多くの企業が災害対策本部を立ち上げ、「安否の確認」「義援金を募る」「物資不足への支援」「災害見舞金の支給」「被災地域への業務支援」など、労使で迅速に対応を講じています。
さらに、物質的な支援以外にも「応援メッセージ」「こころのケア相談窓口」など、労組主導でこころのケア支援も始まりました。
弊社でも何かお役に立てないかと考え、復興支援のプロジェクトが立ち上がっています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 こんな時だから、組合のできることがあるはず
     j.union『東日本大震災』復興支援
      「OTAGAISAMA」プロジェクト
 http://j-union.com/-/pands/html/page.php?cd=22958
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

被災地の復興に向けて、支援の輪が広がっています。
復興を誓って、力強く立ち上がる人たちも増えています。
今だけに集中して支援するのではなく、自分ができる支援を継続していきたいと思っています。

かけがえのない存在としての組合
松山晃久
2011/04/03
 連合から社会に向けて発信された「働くことを軸とする安心社会」に向けて(2010年12月)と題した提言書に目を通した。
 前段で現代社会の様相を捉えた記述の一部に、『人々の相互の絆(きずな)、つながりそのものが弱まっている。地縁、社縁、血縁のいずれもが衰退し、自分は孤立して、誰からも顧みられていないと感じる人が増えている』とあった。

この1ヶ月、誰もが東北関東大震災という名の自然災害の経験により、あらためて家族との絆、会社で働く仲間との絆、その他様々な絆に想いを馳せた日々ではなかっただろうか。組合役員も日常を取り戻すため、日夜組合員のために尽力されている。こういうときだからこそ、職場で共に働く仲間(組合員)にとって、職場が、仲間(組合員)が、組合役員同士が、会社が、かけがえのない存在(代替不可能な、取替え不可能な性質のもの)として想起され、浮かび上がっていくのではないだろうか?

 かけがえのない存在であるための小さな第一歩として、組合役員が組合員(仲間)に寄り添うことができるはずだ。寄り添うために日常の活動で培った「聴く」ことの力を発揮することができるはずだ。組合員の話を聴く、組合員同士が対話できる場を創る活動ができるはずだ。

 具体的には組合員の意見を「聴く」活動(職場集会や調査活動)や役員の「聴く」力の向上(人材育成活動)を見直す契機にすることが出来る。冒頭で紹介した提言の言葉に準じれば、会社の縁、組合の縁を見直し、活動を深化させる機会と捉えていければと願っている。そのために組合役員の方の一人ひとりの復興に向けた組合活動への意思を形にするためのサポートが出来ればと思う。

労働組合から一歩先を行く提案を
小林 薫
2011/03/27
震災から2週間。懸命な作業にもかかわらず、いまだに福島第1原子力発電所での事故が収まりません。野菜や水道水からの放射性物質の検出が明らかになり、東北・関東に住んでいる人たちは毎日、不安を抱えながら暮らしています。

私はいま名古屋に住んでいますが、震災とは無関係ではありません。私の故郷は岩手県・山田町。三陸海岸のほぼ中央に位置する町です。津波の影響で、子どものころ遊んだ公園やマンガを買った本屋、家族で行った喫茶店ががれきに変わっていました。親族にも犠牲になった人がいます。

いざという時の備えは十分だったのでしょうか。東北地方での大きな津波の被害といえば1933年に起きた昭和三陸地震や1960年のチリ地震津波があります。「それらを教訓に作られた堤防があるのだから津波がきても心配ない」。小学校の社会科で教えられました。

話を会社におきかえれば、警鐘をならす役割は労働組合が担っています。現場をよく知る労働組合はいざというときに備え、職場の危険性を指摘し、経営陣に提案しています。彼らには耳の痛い話もあるでしょうが、きっと組合員や会社を守るための提案が含まれています。対策は「これで十分」と考えず、常に一歩先を行く提案を労働組合には続けて欲しいです。私たちも微力ながらお手伝いします。


厳しい事態だからこそ「日常」を取り戻そう
大川 守
2011/03/20
東日本大震災につきまして被災者の皆さま、被災地各自治体、各企業、各労働組合の皆さまに改めてお見舞い申し上げます。

いま日本では被災を免れた地域の多くの方々も胸を痛めています。
自分も何かの役に立ちたい。できれば直接お手伝いや物資を届けたりしたい。でもそれができない辛さ、歯がゆさ、複雑な
思いに胸を痛めています。

避難所で過ごされている多くの皆様は水や食料、衣類、衛生用品などの必要物資さえ十分ではなく、真冬のような寒さの
中で暖がとれずに辛くて厳しい日々を過ごされているのかと思うと本当にいたたまれません。

しかし、このような厳しい事態だからこそみんなができることをやっていこう。被災者のためになることを、少しだけでも
やっていこう。

やれることはたくさんある。やってはいけないこともたくさんある。
まずは被災者のことを「思う」こと。
そうすれば必要以上に燃料や食品を買い占めたりすることは「やってはいけない」ことだと分かる。
必要性が確認できない物資をボランティア団体等に送りつけることも「やってはいけない」ことだ。
正確な情報を確認した上で、必要なものをできるだけ早く、分かりやすく届けることが大切らしい。
日常生活やさまざまな活動、娯楽も含めて必要以上の「自粛ムード」も「やってはいけない」ことだ。
あなたがお酒を控えても、被災者にとっては何の効果もない。外食だって、カラオケでさえ同じだ。
人が集まることを控える企業もあるが、余震を気にし過ぎて行動を控え、経済が停滞することが
中長期的には最も大きなリスクになる。
日頃は夜中まで賑わっている新宿駅周辺の飲食店も夜8時頃に閑散としている。帰りの電車が心配なのか。
店主にも生活があり、これでは震災の二次被災者となってしまう。

幸運にも直接的な被災を免れた私たちにできることは、できるだけ早く「日常」を取り戻すことではないだろうか。
経済活動が必要以上に停滞すると、被災地支援に回すお金も回らなくなる。

できるだけ早く「日常」を取り戻そう。被災者のみなさんにとっても、最も大きな希望が地震前の「日常」を
取り戻すことだと言われている。

幸せの青い鳥は私たちの日常とともにあることに気づいた。
-------------------------
「お知らせ:来週から新たな投稿者が加わります。ご期待下さい。」