職場集会に関して組合役員から聞く声。
「忙しくて人が集まらない」「関心のあるテーマしか参加してくれない」「昼休みの空いた時間にやるのが精一杯」「組合員からほとんど意見が出ない」「前向きな発言が少ない」、職場集会に関してお伺いすると、多くの組合役員が言われることだ。
このような声が参加者(組合員)からも主催者(組合役員)からも共通してあがるのはなぜか。
多くの組合では、組合員の声を聴く貴重な場面である職場集会の実施に対して、事前のレクチャーなしに進行役を任されることが一因にあるようだ。日常的に職場などで会議の進行に慣れている役員でなければ、いきなりぶっつけ本番では壁に当たることは容易に想像できる。
労働組合が抱える課題とその取り組みの中で、2011年度の最も重要な課題は(日本生産性本部の調査)組合員とのコミュニケーション強化(1位、17.8%)、次世代役員の育成である。(同率1位、17.8%)、総労働時間の短縮、人事制度(処遇・評価等)の見直し、職場風土の改善と続く。
職場集会をどう活性化するかは、これらの課題を改善する上で鍵となる活動となりうる。組合員とのコミュニケーション強化の1つのシーンとしてもっと重要視すべきである。職場風土改善の第一歩は職場で働いている組合員の声を聴くことであろう。
職場集会を開催する事前準備段階で行うべきこと、例えば、職場討議・集会のゴールイメージ(到達点)=成果(獲得目標)を明確にイメージして臨んでいるか。
議事進行段階で組合員の意見や声を引き出す効果的な質問ができているか。
集会後に決定事項を実行に移すためにどのような行動を起こしているか。段階ごとに職場集会を効果的に行うためのポイントが存在する。
職場集会の進行に留まらないが、何か物事が上手くできるようになる一つのパターンとして以下のような軌跡をたどる。
①実践 現場ですぐ使う、実践する(即実践)
②振り返り 成功・失敗要因分析(質問する)
③学習する うまくいっている人のやり方を学ぶ、盗む
④実践 繰り返し、実践する
⑤行動化 自然に出来るようになる
②の段階で職場集会後に振り返りをやっているだろうか。何が上手くいって、何が上手くいかなかったのか分析しているだろうか。 さらに③の学習する段階で、上手く意見を引き出せている組合役員はどうやっているのか、共有されているだろうか。
これらを改善するために、組合役員にインタビューし、埋もれている知恵(暗黙知)を形式的な知恵に転換する手法がある。
更に近年注目されている方法として行動観察というものがある。人が何をどのように使って、あるいはどのような姿勢で、様々なことを行っているのかを見て、その結果を分析することを指す(行動観察研究所の定義)
これらの手法を応用して、職場集会での役員の方の行動(言動)をじっくり観察することで、成功・失敗要因を分析し、職場集会に関する行動を整理することで、どうやったら職場集会がより活性化するかの打開へのヒントが得られると考えている。
これから次期の運動方針作成や、2013年春闘に向けて、職場オルグや職場集会を多く重ねていく時期に入る。職場集会の進め方に悩みを抱えている組合の役員の方はご一報下さい。職場集会を観察させて頂き、上手な方のノウハウを整理し、それらの観察結果を元に、職場集会を活性化する方法を様々な角度からご支援します。