「委員長として組合活動についての講演をお願いします」
「女性委員会の役員として、組合に対する考えを聞かせてください」
組合役員になったことで声がかかり、人前で話したり、講演する機会が増えた人は
多いのではないでしょうか?
組合役員になるまで人前で話す必要がなかった人も、苦手意識から避けてきた人も
役員になったからにはやらざるを得えず、覚悟を決めているのかと思います。
私も5年ほど前に弊社の組合(弊社では「プロフェッショナルクラブ」という名称です)
で委員長になったことを機に、職場集会や労使協議の場で話すことが急激に増えました。
苦手だったのは、大勢の視線が自分に集中するあの威圧感のようなプレッシャー。それ
まで人前に出て話すことは自分の人生で、避けて通りたいと思っていました。もちろん
避けることはできず、チャレンジ精神のみでなんとか任期を務め上げました。
その影響もあってか、最近ではセミナー講師として大勢の人の前で話しています。
私の場合、積極的に講師を目指したわけではありませんでした。いろいろな偶然が重な
り、人前で話す機会が増えていったという方が正しいかと思います。
さまざまな偶然を自分の成長のチャンスだと捉え、乗り越えた先の自分を楽しみにして
いました。「委員長もやったし、なんとかなる!」と講師になる覚悟を決めました。
そんな私も今では年間30本ほどセミナーをするまでになりました。
入社したての頃は、今のように講師をしている自分なんて想像もしていませんでした。
何がどう影響し、自分のキャリアをつくっていくのか、人生わからないものです。
先日、うれしいことがありました。
ご紹介した私の経験をとある労働組合のセミナーで女性委員会向けにお話ししました。
そうしたところ、参加者から「私も覚悟を決めてがんばりたいと思います」といった声
をもらい、予想以上の反響がありました。
どうやらメディアで取り上げられ憧れる「女性企業家のようなロールモデル」ではなく、
「等身大の自分に近いロールモデル」として私が彼女たちの参考になったようです。
私は目の前の偶然をチャンスと捉え、勇気を出してセミナー講師にチャレンジし、自分
なりに努力し続けただけでした。そんな私の姿が、他の誰かに良い影響を及ぼすことに
もなるんだと実感しました。
== 参考 ===================================
「計画的偶発性理論」
計画された偶発性理論(英語: Planned Happenstance Theory)とは、スタンフォード大学の
ジョン・D・クランボルツ教授が提案したキャリア論に関する考え方。
個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。
その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方。
その計画された偶発性は以下の行動特性を持っている人に起こりやすいと考えられている。
(1) 「好奇心」 ―― 新しい学習の機会を模索し続けること
(2) 「持続性」 ―― 失敗に屈せず、努力し続けること
(3) 「楽観性」 ―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
(4) 「柔軟性」 ―― こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
(5) 「冒険心」 ―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと
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