― お互いの違いを認めたうえで、良さを生かしあう
私たちは『自分にとっての当たり前=相手にとっての当たり前』と思い込んでしまいがちです。そのため、相手との違いを感じたときについ、「なんで、わかってくれないの?」「理解されないのは相手のせい!」とストレスを抱えてしまいます。また、「私が我慢すればいいんだ」と気持ちを飲み込み、ますます相手とわかりあうことから遠ざかってしまうこともあります。
先日、グループで「気質*」について勉強する機会を設けました。
(*気質:筑波大学大学院の宗像恒次名誉教授によると、人は誰でも遺伝子レベルに由来する気質をもっている。遺伝子が異なれば気質も異なり、気質の違いは人それぞれの性格の違いをもたらす。遺伝子で決められた気質は生涯変わらない。変わらないからこそ、生かしていくことが大切)
気質を理解すると、『自分の強み・弱み・期待できること・期待できないこと』『相手の強み・弱み・期待できること・期待できないこと』がわかります。
「私が気にしすぎたり、心配しすぎたりしてしまうのは○○気質をもっているからなんだ」「彼は○○気質を持っているから、物事に強いこだわりがあるんだ」「彼女の責任感の強さは○○気質だからだね」…… なるほど~。
自分と気質が異なる人は異星人かと思うほど、ものの考え方や感じ方が異なるようです。「相手に期待できないこと」を期待してしまい、自分の期待通りにいかないことで、自分がストレスを抱えてしまいます。他者とのコミュニケーションにおいて、相手がどの気質をもっているのかを理解すれば、相手の強み、弱み、期待できること、期待できないことを想像することができます。それは、個別でのコミュニケーションを取るうえで、お互いにとっての前提になります。
『人それぞれが違っていて当然』『違いは良さでもある』。気質は自分のことだけではなく、周りの人たちを理解することにも役立ちます。気質を通じて、お互いの違いを認めあい、お互いに違いを受け入れ、助けあい、共感しあえる関係を築くことが大切です。
今回の勉強会で、グループ内に気質という共通言語が生まれ、お互いを大切にするコミュニケーションの基盤づくりができたのではないかと思います。
●前回のユニオンネタ帳「マシュマロ・プロジェクト」の体験学習でも、課題を成功させたチームは「リーダーシップをとる」「アイデアを出す」「サポート役にまわる」など役割分担がされていて、その役割分担も一人ひとりの気質の強みが生かされていました。
●気質については、ユニオンネタ帳「2013.8.11 他者と自分の違いを理解するということ」の記事も参考にしてください。