ゆにおん・ネタ帳

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2013年

人を動かす3要素
三橋 秀郎
2013/05/26
会社や組合のリーダーを担っている方々にとって、どのようにリーダーシップを
発揮していけば良いのか悩まれている方は多いのではないでしょうか。

アリストテレスによると「人を動かす3要素」として「ロゴス」「パトス」「エトス」があるとのことです。

・ロゴス≒ロジック(論理、説得)
・パトス≒パッション(熱意、情熱)
・エトス≒エシックス(倫理観、信頼)

まずは、土台となる信頼関係がないと、いくら論理的に話しても説得できない。
つまり、人との信頼関係があれば相手を説得する事が出来るのです。
さらに、その信頼関係の上に、熱い想い・情熱を持って接すれば人を動かすことができるというものです。
この信頼関係、熱意を持った対応があって、はじめて論理的な説得が有効になるとのことです。

組合活動においても、組合員を納得させるために、関係性を無視して論理的にだけ話していませんか?
相手がどう思っているか考えずに自分の熱い想いだけを伝えていませんか?

では、信頼関係を構築するには、どうすれば良いのでしょうか。
信頼関係を構築するための3つのポイントをご紹介いたします。

①勝利の方程式で考える
・問題の原因を周りの環境や社会に求めず、「現実+自分のできること=目標」の考えで発言、行動する

②傾聴のテクニックで聴く
・相手に興味・関心を持ち、自ら話すよりも相手の話をしっかり聴いてあげる

③Iメッセージで伝える
・YOUメッセージ(あなたは○○すべきだ)でなく、私はこう思うと伝える

この3つのポイントを実践していくことによって信頼関係が構築され、
論理的な説得への納得感や熱い想いが伝わっていくことでしょう。

過去と他人は変えれませんが、未来と自分は変える事ができます。
まずは、自分から変われる部分から始めていきませんか。
組合役員として、組合員との信頼関係を構築する際の参考にしていただければと思います。


“変化”する必要性あり!では、なぜ“変化”を促す活動が進まないのか?
丸山 由紀夫
2013/05/19
長時間労働対策、働き方改革(変革)、生産性向上、ワーク・ライフ・バランス、意識改革…etc。労働界で実に多く使われいてるキーワードである。

そしてその根底にあるのは、現状を打破したいという思い、即ち“変化する”が問われているのである。

今回はこの“変化する”について述べることとする。

みなさんは“変化する”という言葉についてどのような印象を持っているだろうか?

当社が組合へ実施している「組合員意識調査」の結果では、変化することの必要性(重要性)について多くの組合員は肯定的な意識を示している。

つまり、日常の職場生活において“変化(または様々なレベルでの改善)”しなければいけないと考えている(すりこまれている?)ことがいえる。

しかしながら、私が知る限り多くの職場の実態は“変化する”への取り組みが、うまくいっていないことも事実であろう。

労組主催の変化対応力向上セミナーや働きがい向上の取り組み、タイムマネジメント等様々な方策を実施しているのにもかからわず、組合員の求心力(賛同)を高める活動へつながりづらいのはなぜだろうか?

その理由について、ある労組役員の幹部から示唆に富んだ回答を頂いたので下記に紹介する。

『“変化すること”の必要性を感じているものの、“変化させられること”への恐れや不安が高いのも事実である。従って、リーダーはそこを噛み砕くマネジメントが活動を推進していく上で極めて重要ポイントだ。そして、今リーダに問われる資質の核心は“探求心のマインド”である』

実に人間の心理状態を的確に表現した言葉であろう。つまり、変化することは重要だが、変化させられることは“NO”だと考えている。

ここに、ファシリテーションやコーチング、第4世代のアクションラーニング等、職場変革としての武器(ツール)をリーダーが身に付ける必要性が出てきているのである。

この“探求心”を高める為の具体的な手法とそれらに関連する職場改善活動への展開例はまた別の機会に述べることとする。

私自身はこの変化の力を敏感に感じとり、それらとどのように手を組んで仕事を進めていけば良いか、日々葛藤している次第である…。
“マシュマロ・プロジェクト” ―― チームビルディングで、組織づくりを体感する
室橋
2013/05/12
先日、ある労組の支部リーダー研修会で、チームビルディング研修*を行いました。
(*チームでアクティビティに挑戦し、参加者が主体的に学ぶ体験学習プログラムです)


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 ◆ 限られたリソースを使って、制限時間内に自立型のタワーを建てる
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・用意するものは、マシュマロ(1個)、乾燥パスタ(20本)、マスキングテープ(90cm)、紐(90cm、1本)
・上記を使って、マシュマロを頂点に乗せた状態の自立型のタワーを建てる
・1チーム4人で、制限時間内に1番高いタワーを建てたチームが勝つ、というシンプルなルール


しかし、簡単なようで奥が深いのがこのゲームの特徴でした。


18分間のゲームではありますが、「リーダー役がいたか」「各自がどんな役割を果たしたか」「目標が描けていたか」「認識が共有できていたか」など、
ゲーム後のお互いの振り返りを通じて、「気づき・学び」を得ることができました。

  ● チームには何らかの共通の目的がある

  ● チームメンバーには、何かしらの役割がある

  ● チームには思いや行動を共有し、調整するためのコミュニケーションが必要

さらに、大事なこととして、
  ● トライアル・アンド・エラーを繰り返す
―― いきなり高いタワーを作らずに、パスタのしなり具合やマシュマロの重さなどを確認しながら、
    何度も試作品を作っていくことが高いタワーを建てることにつながる。

  

チームの目標を明確にし、方向性を確認し合意を取りながら、さらにリスクを回避しながら着実に進む。
あらためてチーム作りや進め方の難しさを垣間見ることができた研修でした。



《情報①》
競泳日本代表チーム「トビウオジャパン」の合宿で行ったことも有名。
意外なアイデアを出す選手がいたり、こんな性格だったのかとお互いに新たな発見もあり、チームづくりの参考にしたことも多かったようです。


《情報②》
組合役員・若手組合員向けに、チームビルディング研修を検討されている労組様がいらっしゃいましたら、弊社、担当営業までお願いいたします。


新入組合員のために組合ができること
松山晃久
2013/04/28
 新年度に入り、多くの会社では新入社員が入社して1ヶ月が経ち、労働組合においても新たな組合員を迎え入れる準備をされている時期ではないでしょうか。

 配属になる職場に馴染めるか、職場の先輩とうまくコミュニケーションが取れるだろうか、難しそうな仕事を覚えられるかなど、未知の環境に対して不安を抱えている新入組合員が少なからず存在していることと思います。

「2014年卒マイナビ大学生就職意識調査」(株式会社マイナビが2014年3月卒業見込みの大学生に実施)からの引用だが、就職観(あなたの「就職観」に最も近いものはどれですか)を問う質問で構成比の高いものを挙げると、下記結果となっている。
楽しく働きたい(30.1%)、個人の生活と仕事を両立させたい(21.5%)、人のためになる仕事をしたい(17.7%)の順である。
これに対して行きたくない会社は、暗い雰囲気の会社(41.8%)、ノルマのきつそうな会社(32.6%)、仕事の内容が面白くない会社(23.4%)、休日・休暇がとれない(少ない)会社(22.1%)の順である。

 これは入社前に会社で働くことに対して持つ、イメージを元に選択している結果である。自分も入社前にこういう調査があったら、同じ設問を選んでいたであろう。

 一方、入社後の声を拾ってみたい。2013年度新入社員「会社や社会に対する意識調査」結果(日本能率協会実施)から一部抜粋する。

上司・先輩(昔、新入社員だった人々)を対象に、新人時代によい影響を与えたり、面倒を見てくれた人はという質問の回答が、「職場の先輩」(55.3%)、「直属の上司」(32.6%)の順になっている。

 残念ながら、この設問に組合役員や職場委員という項目はない。しかしながら、数字上には現れていないとはいえ、組合や組合役員の果たしている役割は想像以上に大きいものであろう。
 先述の設問に対する組合活動でいえば、休日・休暇を取れるように、データを集め会社に提言したり、ワークライフバランスに労使で取り組んだり、人事制度の運用を支援し、ノルマ管理だと組合員が感じないように、働く意義を伝え、組合員の働きがいを創出する活動に力を注いでいる。

 このような新入社員が不安な時期こそ、職場委員をはじめ組合役員が活躍する出番ではないでしょうか。新入社員に職場委員(職場リーダー)として、声をかけて、悩みを聴いたり、仕事上の相談にのってあげる事で、会社に対する不安が軽減される。そのことだけでも組合の存在が認知され価値が高まります。
 職場内の人間関係とは別に、同じ会社の中で、話を聞いてくれる安心できるコミュニティがある、仲間として受容されている感覚が持てる、非常に重要な役割を組合が果たしていることではないだろうか。

 一部ではあるが、新しい仲間(新入組合員)を迎え入れる際に、j.unionがお手伝いしている事例をご紹介します。

①職場委員がかかえている問題を解決する
・職場での組合活動の進め方
②読まれる組合ハンドブック
・新入組合員が組合活動への理解を深めるために最低限知っておかなければならない組合知識をマンガやイラストで表現します。
③モチベーション調査
組合員にとって、より良い会社、職場、仕事の実現に繋げるための調査分析です。
④組合の意義や果たす役割について明るく楽しく元気よく考える機会を提供する
・新入組合員向けセミナー(労働組合の意義と機能)
⑤新入組合員歓迎
・新入社員歓迎レク・イベント企画セミナー

 これから新入組合員の受入れに向けて活動していく時期に入ります。活動の進め方に悩みを抱えている組合の役員の方はご一報下さい。様々な角度からご支援します。


継続は力なり
小林 薫
2013/04/22
先日、4年前に研修をさせていただいた労組に訪問して参りました。研修は、アンケート結果から各拠点ごとに対策を考えて、実践に結び付けることを目的とした、討議形式の内容でした。

今回久しぶりに訪問させていただくのに、「以前の研修内容はお役に立っているんだろうか」「もう4年も前のことだからお忘れになっているかも」「もしかしたら、執行部総入れ替えで、私のことも御存じない方が大半では?」などと行く道中、不安ばかりが頭に浮かんで参りました。

「小林さん、お久しぶりです!」委員長の元気の良い声が響きます。「よかった。忘れられてなかった」とほっと一息。さらに続きます。実は研修のときに実施を決定した組合員向けバーベキュー大会が、今年で4年目を迎えるとのこと。徐々に参加者数も増加して、今ではバーベキュー会場のキャパシティいっぱいの人数が参加してくれるイベントになったそうです。また、各拠点ごとの対策案の立案も、継続して実施していただいているとのことで、対策が記入されている用紙を拝見させていただきました。

1回の研修がきっかけで、その後の組合活動に変化させて、新たな取り組みを定着させることが可能なのだと個人的に感動をいたしました。前回の調査結果は全体的に微増傾向でしたが、今回はさらに改善傾向になるのではと、期待しています。継続は力なり。今後も執行部のみなさんを応援して参りたいと思います。

組合員の行動変革は職場づくりから
藤栄 麻理子
2013/04/14
「組合員の主体性を高めるにはどうしたらいいんだろう」
「自分で考えて行動できる社員を育てたいが、なかなかうまくいっていない」

お客様とお話している中で、こうした悩みを伺うことが多々ある。
組合員の行動変革を促すための教育・研修の実施や、モデルとなる人材を取材して
機関誌で伝えるなど、さまざまな取り組みをしているものの、なかなか効果が発揮されない・・・
この悩みを解決に導く鍵は「職場づくり」にあるのではないだろうか。

そのことを強く実感したのは、あるお客様からこんな話を聞いたからだ。
その組合では職場委員に当たるメンバーが職場を元気にするために思い思いの活動を考え、実行している。
職場の役員が主体的に組合活動に取り組んでいるポイントを聞いてみると、
委員長はこのように教えてくれた。


「まずは役員同士の関係をつくること。
 そうすれば、普段のおしゃべりからでもアイデアが出てくる。
 自分たちで考えたことだから、やらされ感もないし、楽しいでしょ?」


最初はなかなか意見が出ないが、委員長との対話や合宿の場を通して話をしていくうちに、
徐々に本音が出てくるようになる。そして、本音で話し合える関係ができることで
メンバー同士の信頼や協力関係ができるのだという。
そこで高まった関係性の中でさまざまなアイデアがうまれ、実行されているのである。

組合員の主体性を高めるために、どんなに一生懸命「主体的になりましょう!」という
メッセージを発信したとしても、変革の土壌ができていなければ、その芽は育ちにくい。

マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授は、組織変革を成功させるためには
「関係の質」⇒「思考の質」⇒「行動の質」⇒「結果の質」という順番で
質を高めることが有効であると説いている。

そして、関係の質を高めるためには「安全な場」がポイントとなる。

まずは「何を言っても大丈夫」「この職場で自分は認められている」と安心できる職場をつくること。
信頼関係や協力関係はそうした環境の中で形成され、
その環境や安心感が一人ひとりの自信にもつながっていく。
職場で助け合える、自分は必要とされている安心感があるからこそ、
自分の考えを主体的に表現し、行動することができるのではないだろうか。


安心感のある職場づくりは一朝一夕にできるものではない。
ただ、組合役員が組合員の気持ちを丁寧に聴いてくれる相談役となる、
お互いの目を見て挨拶をし合う、感謝の言葉を伝え合うなど、
日々のちょっとした活動の積み重ねによって少しずつ変えていくこともできる。

時間はかかるが、組合だからこそできる活動でもある。
ちょっとした積み重ねによって変化を実感でき、組合員の笑顔が増えていけば、
安心感のある職場は必ずつくることができる。

遠回りのようだが、それが組合員の行動変革につながり、
職場や会社の発展を力強く支えるのではないだろうか。
それを信じて、私自身も組合活動の原点となる職場づくりを応援していきたい。


「仕事の主体的を引き出す組織の法則」
吉川 政信
2013/04/07
物事を成功へと導くためには、次の2つが必要である。

1つは、目指すべき目的と目標が正しく定められていること。もう1つは、どうすればそれを達成することができるかを知ること。
物事を成功へ導くための出発点は、まず目標を定めることで、これは企業経営やプロジェクトマネジメントでは当たり前に言われていることであり、
労働組合においても運動方針がそれに該当する。私たちが何かを計画するとき、その計画を自分できちんと実行するためには、
その目標が、いかなる目的のための計画なのかを自分がはっきりと認識すること、そしてその目標を追求し実現するための手段となる
目標を定めていくことが大切になる。

組織のスタッフが目的追求へのモチベーションを得るためには、プロセス全体に参加してもらい、アイデンティティーの基礎になるような
意味ある活動を任せるマネジメントが必要となる。しかしながら、組織の中には、与えられた仕事にアイデンティティーを感じることが
できず、その代わりとして、組織目標とは別の自己目標からの活動に精を出している人たちがいる。
その原因は、多くの場合、仕事として達成すべき目標に取り組むさいに、当人にその目標の先にあるものが見えていないことにある。
自分の業務がどのような意図や目標に対する貢献になるものなのかを、全く知らない社員も少なくない。
マネジメントにおいて部下が能力を発揮するためには、業務の全体プロセスへの参加意識を高めることが非常に大切である。
であれば、考えるべきことは、部下に対してどんな指示を出すかではなく、どんな目標を示すか、でなければならない。
そして、部下に示される目標は、企業目標から導かれるものでなければならず、また、企業目標を明確にするものでなければならない。

つまり、業務の全体プロセスの中における自分の目標を認識することで、自分の仕事が何のために行われているのかを理解し、
自分の仕事に最善を尽くそうというモチベーションが、湧き上がってくる。仕事に対して主体的に取り組み、全力を尽くし、
問題解決に向けて闘志を燃やす。そんな意気込みがあれば、当然ながら仕事の成果も自動的に向上していく。

かつて、テーラーとフォードが20世紀初頭、作業内容を可能な限り細分化して、一つひとつの作業を誰にもできるものにしてしまうことで、
作業効率性が最大限向上すると考えた。しかし、そうやって思考と行為を分離した結果、社員の不満は高まり、技術革新の力は消滅し、
変革のプロセスは減速し活力を失った。ベルトコンベアの作業員だって、自分が作る部品が、最終的な製品のどの部分になるかを知り、
製品への責任感を感じることができれば、作業効率も向上し仕事への主体性も高まったと考えられる。
つまり、自分の労働領域を越えた範囲についても情報をもち、仕事の中で思考力を要求された場合には、生産の成果が向上するものだといえる。

 このような状況を踏まえ、今日の労働組合の役割は、自分たちの所属する会社の組合員が、モチベーション高く、成果を出し、
変化する環境の中でも元気に働き続けるために、職場会や対話活動、意識調査を通じて、上司と部下が共通の目的と目標を共有しているか、
業務上の工夫やアイデアを共有する目標管理が機能しているかを把握したうえで、問題があれば、人事制度の運用やマネジメントの問題などを
労使で解決するとともに、組合員へも組織目標の理解と自分自身の目標が何であるかを上司と共有することが仕事へのモチベーション向上につながることを啓蒙し、
被効果者としての目標管理の活用法やキャリア形成に向けた人材育成を進めることが必要だと感じる。

みんなで作り上げる調査票
渡邉 秀一
2013/03/27
 ここ数年、調査を行う際に、調査票の作成から自分達で行いたいという組合様が増えて
きています。
 もともとご自分で作られている組合様も多いのですが、全くのゼロベースから執行部や
調査担当者が集まってテーマ決めの段階から始めて、設問の文言まで作成するケースが目
立つようになりました。

 「調査項目設定」とか「調査票作成」なんていうと、非常に学術的でスマートなワーク
ショップを想像しがちですが、実際はかなり泥臭い作業になります。途中でねをあげそう
になる役員の方も見受けられるほどです。

 まずは自分の組合の「強み」や「課題」を『仮説』として挙げてもらい、それを基に最
終的な設問に作り上げていくというプロセスを黙々と行います。支部ごとに仮説の洗い出
しを行う場合もあります
 最初は「面倒くさい」と嫌々やっていた方も、仮説がたくさん挙がってくると、その時
点で組合員が困っていることや組合の強みがわかってきて、自ら積極的に意見や案を出し
て、より良い調査票を作ろうという雰囲気に変化してくることがわかり、こちらも嬉しく
なりました。
 また、役員の方々が白熱して議論している様子は、頼もしいかぎりでした。
 こうして、膨大な時間と労力をかけてできあがった設問内容を見て、「生みの苦しみっ
て言うのはこういうことかなぁ」と感慨にふけっている姿を見たときは、「この仕事をやっ
ていて良かった」と実感できる瞬間でした。

 良い調査票が作成できれば、その調査の半分が完了したと言っても過言ではありません。
 そのくらい設問設計は調査活動において重要な位置を占めています。
 そしてその調査票を使った調査から得られたデータは、執行部が一致団結して集めた、
大切な大切な組合員の声となり、今後の組合活動を動かす原動力となると確信しています。





「準正社員」という雇用のあり方
佐々木務
2013/03/24
先日の報道によると、政府は職種や勤務地を限定した「準正社員」の
雇用ルールを新たに定めるとのことです。

職種転換や転勤を伴わない分、企業は賃金を抑え、事業所の閉鎖時に
解雇しやすい面があり、労働者は人生設計にあった働き方の選択肢が
増えるという面があります。
人材移動を促して産業構造の転換に柔軟に対応できるようにし、
日本経済の底上げにつなげるという意図があるようです。

流通業など一部企業では、既に準正社員制度を採用しているところも
あり、準正社員の賃金水準は正社員の8~9割で、期間の定めのない
無期雇用、社会保険に加入でき、非正規社員よりは生活が安定します。

出産などライフスタイルの変化により、従来は退社していた正社員が、
必要な期間だけ準正社員として働く選択肢も生まれます。

一見すると、良い事だらけで歓迎すべき話のようにしか思えませんが、
報道によれば、連合は企業が正社員をより限定的にしたり、
正社員の一部を準正社員に切り替えたりするのでは?と懸念し、
安易な人件費削減に使われる可能性があると反発しているそうです。

正確には、この「準正社員」と同様とは言えないかも知れませんが、
実は、当社でも週3日の勤務で家庭と両立しながら働いている、
従来契約社員として雇用していた何名かの方々を、期間の定めのない
無期雇用に変え、そのような働き方を正式な会社の雇用形態として
認めてきた経緯があります。

もちろん所定労働時間が既存の正社員とは大きく違ってくるので、
全く同じ賃金処遇とはいきませんが、時間あたりに換算した場合には、
なるべく既存の正社員に近づけられるようにと努力しています。

当社としては、ライフスタイルによってフルタイムで働くことが
困難な方や、望んでいない方でも、末永く働いて頂けるような会社で
ありたいと考えております。

パート・アルバイト・契約社員などいわゆる「非正規社員」の組織化
については、頭を悩ませている労働組合も多いと聞きます。

もはやその前提も揺らいでいるとはいえ、定年退職までの継続雇用が
ベースにある正社員と、その実は継続雇用となっていたとしても、
不安定な短期雇用がベースにある非正規社員では、会社や組合活動に
求めるものも、自ずと違ってくるのはやむを得ないかも知れません。

共済制度や保養所など短期的な恩恵が受けられるものだけではなく、
自己啓発や職場改善への参加など、中長期的な活動が自らの成長や
将来の恩恵になることに興味関心を持ってもらうためにも、
従来の正社員と非正規社員の隙間を埋めることになる「準正社員」
という雇用形態は、果たして解決の糸口となるのか?

当社社員の働き方改善を考えるためにも、今後、注意深く見守って
いきたいと思います。


チームづくりに大切なこと
伊東
2013/03/17
皆さんさまざまな「組織」に所属していることと思います。

会社、家族、友人の集まり、趣味のサークル…さまざまな場面において我々は組織を形成しますが、
そのあり方について悩むことも多いでしょう。
特に会社では仕事の中で、上司や部下との関係や仕事の進め方、他者との協働において、
困った経験は誰しもあるはずです。


先日、仕事の中で“組織作り”について深く考える機会がありました。さまざまな学びと発見がありましたので、
こちらでご紹介したいと思います。

良い組織の条件のひとつを「各個人が持つ能力を最大限に発揮し、それらが“チーム”として
完全に機能している状態であること」と定義しました。そしてそれを達成するには必要な要素がいくつかあります。


1.自己開示(お互いを知り、同時に自分を知る)
まずは出身地や家族構成、誕生日といった基本的なものから始まり、
何が好きで何が嫌いか、仕事(生活)の中で何を喜びとするのか、将来の夢は何か、といったものまであります。
最終的には一人ひとりが、思ったことを率直に表現し、ありのままの自分で居られる状態が理想的です。

2.他者受容(それぞれ違うのは良いこと)
互いに開示した自己を、それぞれが受け入れる“器”を持ち、その多様性を認めます。
考え方や価値観の相違は悪ではなく、むしろ進歩・発展のきっかけとなるからです。
違いがあっても正面から向き合い、放り出さずに受け入れることがポイントになります。

3.役割分担(とはいえポジションは必要)
会社の役職のように明確に決まる場合もあれば、なんとなく一人ひとりに役割が与えられている場合もあります
(友人の集まりで、「今日は○○が話の進行役で!○○が判断する人!」と決めることはあまりないでしょう…
 そういうときの役割は自然と出てくるはずです)

4.Vision(組織としてのありたい姿)
最終的に、この組織はどういう状態を目指すのか?存在意義は何か?を決めておくことが重要です。
皆さんの会社にも、経営理念やビジョンといったものがあるはずですので、同様に考えてみましょう。

5.安全な場(何言ってもOK)
自己開示と他者受容ができていれば自動的にクリアですが、お互いが自由に発言でき、それを許容する“雰囲気”があることが何より重要です。
メリハリ、適度な緊張感はもちろん必要ですが、過度のピリピリムードは健全な意見交換を阻害するでしょう。


これらを満たす“チーム”になるには必然的に時間がかかります。組織を形成するのは結局のところ人ですので、
関係性は一朝一夕にはできないからです。
困難をともに乗り越える経験も必要ですし、時には苦い思いをして落ち込むことさえも、良い意味でターニングポイントになります。

もうすぐ会社年度も変わり、新しい組織体制になる方も多いでしょうが、木の年輪ができあがるように少しずつ進んで行きましょう。
一番の近道は遠回りだったのかもしれません。