「イノベーション」「挑戦」「革新」「自立（と自己責任）」「グローバル」
…威勢よい企業のコーポレートメッセージが空しく躍る片隅で、生気を失った個人とリーダー不在の職場が嘆いている。
威勢よい空虚なメッセージがリーダー不在の閉塞状況を更に映し出す。
リーダーというと誰をイメージするだろうか。
「I Have a Dream（私には夢がある）」のキング牧師？
「世界平和のために何をしたらいいのかと聞かれて、帰って家族を大切にしてあげて下さい。」と答えたマザー・テレサ？
新大陸を発見したクリストファー・コロンブス？
明治維新の立役者の坂本龍馬？
世の中に変革をもたらしてきたリーダーは、最初は、地位も、身分も、お金も、権限も何もなかった。
あったのは、「止むに止まれぬ思い」だけ。
「志」ひとつ。
こんな世の中にしたい、こんな社会になればというビジョンである。
ビジョンとは「ありたい姿」のイメージ。
今、多くの日本企業（組織）に必要なのは、「ビジョン（ありたい姿のイメージ）」なのかもしれない。
♪ Imagine there's no heaven
（想像してごらん 天国のない世界を）
It's easy if you try
（やってごらん 簡単なことさ）…
Imagine there's no countries
（想像してごらん 国境のない世界を）
It isn't hard to do
（難しいことじゃないさ）…♪
ジョン・レノンの「Imagine」の一節である。
今でも世界の多くの人が、このビジョンに共鳴している。
想像してごらん、
朝、みんなが元気に、笑顔で「おはよう」と声をかけてくれる職場を。
「昨日、髪切ったの」と気にかけてくれる仲間がたくさんいる職場を。
想像してごらん、
表情のあるメールで交流できる組織を。
そして、電話確認が来る思いやりのある職場を。
想像してごらん、
お昼になったら、誰もが「昼飯、一緒に食べる」と声かけしてくれる仲間のいる職場を。
いつも一人で食べていても、諦めずに時々誘ってくれる先輩のいる職場を。
想像してごらん、
契約社員に対して誰も心の壁をつくっていない職場を。
統合前の相手の会社をイニシャルで呼ばない職場を。
想像してごらん、
サプライズ誕生日のある職場を。
新入社員の育成は担当者ではなく、おせっかいな職場の先輩全員で育ててくれる職場を。
想像してごらん、
仕事で困っている人を見たら必ず声をかけてくれる職場を。
自分の方が忙しいのに、惜しみなく同僚に協力してくれる仲間がいる職場を。
想像してごらん、
新入社員よりも先輩社員の方が燃えている職場を。
黙々と高い山に登っているプロフェッショナルのいる職場を。
想像してごらん、
うまくいかないことばかりなのに、面白そうに仕事にはまっている仲間で溢れている職場を。
厳しい要求ばかりなのに、「この職場でみんなと働きたいんだ」という気持ちがますます強くなる職場を。
創造したくない？
全ての従業員が退職時に、
「この会社に入って、最高の職業人生でした」
と何の迷いもなく言える会社を。
♪ You, may say I'm a dreamer
（君は言うかもしれない 僕を夢想家だと）
But I'm not the only one
（でもそれは僕だけじゃない）
I hope someday you'll join us
（いつか、君も仲間になってくれるといいな）
And the world will be as one
（そして世界は一つになるんだ）♪
