ゆにおん・ネタ帳

2019年 - 2018年 - 2017年 - 2016年 - 2015年 - 2014年 - 2013年 - 2012年 - 2011年 - 2010年 - 2009年 - 2008年

2017年

企画とは=問題解決だ。そして対話する力だ。
丸山支店長
2017/10/22
企画とは=問題解決だ。そして対話する力だ。

ユニオンリーダーが抱えている悩みの1つに、企画する力が弱いと聞く。

今回は、この企画する力をいかに高めるかについて述べることとする。

そもそも、企画とは何か?企画の出発点とは何か?

“一緒に働く仲間の職場をもっと良くしていきたい”“職場で起こっている問題を少しでも改善・解決していきたい”と願う思いである。

例えば、職場の信頼関係が弱くなってきている、組合員同士の触れ合う機会や時間が少なくなってきている。そこで組合が、ともに働く仲間が集える場所を意図的にセットし、組合員のコミニケーションの場を醸成・促することで、その問題解決につなげていこうとすることである。

つまり、企画する力を高めるとは、“現状を良しとしない”そして“現場をより良くしていきたい”という想いである。

ユニオンリーダーが日々行っている組合員との対話の中から、一人ひとりの悩みや、職場をこういう風にしていきたい思いを聴き、それを実現するための手法の1つが企画である。

この企画の出発点を“丁寧に・大切に・どれだけ継続的に行えるか”が、企画する力を高めることにつながっているのである。

その上で、より実行力を高めるには、下記3要素をあらかじめ見積もり、組合員へ周知していくプロセスが求められる。

・何のためにやるのか。なぜやるのかを、自信を持って組合員に語れるか(目的)
・何をやるのか(具体的な内容)
・企画を実施するための手順と段取りは明確か(実現するためのスケジュール)

職場代表の組合役員として、現場で見たり聴いたり感じる問題や課題を、私はこのように解決していきたい、明るく楽しく元気な職場にもっと変えていきたい、この想いの強さこそが、何よりも企画する力を高める源である。



私はチンパンジーです!
室橋
2017/10/15

私は、今年4月に再編成された「情宣・広報グループ」に所属しています。お客さまの情宣活動支援や弊社発行のユニオンリーダー応援マガジン『ユニオンジャーナル』を制作する部署になります。メンバーはゴリラが2人、オランウータンが3人、チンパンジーの私を含めて6人のグループです。なかなか個性豊かなメンバーが揃いました。

チンパンジーの私はついつい、オランウータンさんの反応の薄さに“理解してくれているかな”と心配になったり、ゴリラさんには“そこはそんなにこだわるところじゃないでしょう”と思ってしまうことも……。しかし、オランウータンさんは慎重に物事を進めるところがあることや、ゴリラさんは筋を通したいところがあることを理解しているから、イライラすることも少なくなりました。

チンパンジー、ゴリラ、オランウータンとは……。筑波大学大学院の宗像名誉教授が研究している気質(人格気質)のことです。誰でも遺伝子レベルに由来する気質をもっていて、遺伝子が異なれば気質も異なり、気質の違いは性格や行動パターンの違いをもたらします。遺伝子で決められた気質は一生涯変わらない。だからこそ、自分の武器として活かしていくことが大切だということです。

私は気質を知ってから、人間関係ストレスがだいぶ減りました。以前は、「自分にとっての当たり前=相手にとっての当たり前」と思い込み、相手との違いを感じたときについ、「なんで、わかってくれないの?」とカーッとなることも度々ありました。しかし今では、「人それぞれ違っていて、当然」「違いは良さ。私の弱みを補ってくれている」と思えるようになり、かなり楽になりました。

今回、お互いに自分の気質を開示して「強み・弱み・期待できること・期待できないこと」の共通認識を持ちました。違いがあることは良いことです。もしも、私と同じチンパンジーしかいないグループだったら? もしくはオランウータンか、ゴリラしかいないグループだったら? ものの見方が画一的になってしまったり、苦手なことが同じなのでトラブルが起こったときに解決ができないということもあるかもしれません。

今期、新たな業務に安心してチャレンジできているのは、違いを持った人たちが集まって、一人ひとりの強み(役割)が活かせているからだと思っています。自分と相手の気質を知って活かすことは職場環境や人間関係を円滑にするためだけではなく、チームとして目標を達成しようとすることにも役立っています。
仲間を迎える 組合ガイドブックの活用
松山晃久
2017/10/08
 
 組合活動を組合員に説明する際にガイドブックを活用される組合が増えています。
「組合の活動を知ってもらいたい」「組合活動に参加してほしい」というのが主な理由です。しかしながら、
・組合に興味のない若い社員が多くて・・・
・紙で配布しても読んでもらえるかなあ・・・
・毎年内容が変わるからなあ・・・
といった課題もあります。

4月に入社した新入組合員を仲間として組合に迎え、約半年が経ちました。組合や身近な職場委員への相談事などはありますでしょうか。
新入社員の会社生活調査(2017年度 学校法人産業能率大学)によると、「働き始めるにあたり、不安に思っていること」の上位3項目は、①「上司・先輩とうまくやっていけるか」(67.8%)②「自分の能力で仕事をやっていけるか」(64.5%)③「プライベートの時間を確保できるか」(35.8%)となっています。

皆さんの組合でも、新入社員への組合説明会や職場単位の対話集会などで、会社生活で不安なことを聴いてみてはいかがでしょうか。(事前に簡単なアンケートに書いてもらう方法もあると思います)
「新入社員皆さんの不安を、組合は様々な側面から支援しています」と自信を持って伝えることが出来たら、その不安を言った(書いた)組合員の気持ちはだいぶ和らぐのではないでしょうか。
例えば、上記調査結果の①であれば、職場の人間関係で困ったら、職場委員がいて相談にのってくれるよ・・・とか②であれば、組合では、能力開発のサポートとして、こんなサービスがあります・・・とか、③であれば、今までこんな制度を労使で創り、組合でもプライベートの時間確保と充実のためにこんな支援をしています・・・などなど

日本の社会と労働組合に関する調査2017(日本労働組合総連合会)によると、(企業規模や年代も様々なサンプル調査)「これまでに労働組合の活動に参加したことはあるか」という質問では「ある」が約2割という回答になっています。
そこで、冒頭のガイドブックの役割が重要になるが、活動への参加行動に移してもらうには、組合活動への理解が必要で、その前に組合について認知してもらう段階があります。まずは知ってもらうことが大事です。そのために「読まれるガイドブック」は効果的です。

配る際には、働いていく中では、その場で解消されない不安もあるし、これから長く働く上での不安や困ったこともでてくるでしょう。そんなときはこのガイドブックを開いてみてください。そして組合に相談してください。きっとお手伝いできると思います。と言われたら組合員の安心感も高まると思います。

新しい仲間(新入組合員や中途入社の組合員)を迎え入れる際に、j.unionは、読みやすい、理解しやすい、活用しやすいをコンセプトに作成の手伝いをしています。

組合員向けガイドブック
・新入組合員が組合活動への理解を深めるために最低限知っておかなければならない組合知識をマンガやイラストで表現。組合員が、組合活動を理解できる冊子、組合活動への参加を促すことを目的に貴組合オリジナルの冊子をお手伝い致します。

活動の進め方に悩みを抱えている組合の役員の方はご一報下さい。様々な角度からご支援します。




 
今日の魅力ある組織づくりと労働組合の役割
吉川 政信
2017/10/01
理念やビジョンが必要とされた2つの時代

組織における理念やビジョンの大切さを訴えることは決して目新しいものではなく、経営組織論の祖であるC・I・バーナードが経営者の核となる役割として位置づけるなど、
経営学が誕生して以来のテーマでもある。日本においては2つの時代に理念やビジョンの大切さを物語る歴史があったといわれている。

まず一つ目は明治期であり、もう一つが高度成長期だ。
明治期では、鎖国がなくなり、「財閥」が世界との国際貿易を行うことが産業発展にとって必要だった。その成功のカギを握るのは人材であった。
外国語を話せるもの、科学技術を持つもの、経営管理手法を持つもの、逆に言えば、国際貿易を行うための人材確保と働き方の変革が求められていた。
そこで財閥は、高給というインセンティブ(意欲刺激)で採用を図るが、当時の人材は武士階級からの流れをくんでおり、高給というインセンティブではなびかず、
「国家や社会のために尽くす」という大義名分がなければ組織の一員として参加することはなかった。つまり当時の人材は自分が働く意味を利己的な目的に見いだすのではなく、
自分が成し遂げようとする労働が社会や国家へどれだけ影響するものなのかを重視していたと考えられる。
そこで財閥は、優秀な人材を確保するために社会的に意味のある「大義名分」をしっかりと持つようになった。

2つ目の高度成長期においては、企業の目覚ましい成長とともに、企業間競争力も増し、収益重視の企業活動が進む中で一部の企業においては、
代償として公害や談合なども惜しまない風土となり、社会から倫理性や社会貢献性が問われることとなった。
そのため多くの企業が社会貢献性を問い直し、社会のために尽くすという組織の目的を今一度考え、
優秀な人材の確保と新たな理念を追求するための働き方の変革が必要とされた。

イノベーション時代での労働組合の役割

今日、組織活動を活性化させるためのキーワードとして挙げられるのが「イノベーション」であり、働き方改革を推進する上でも重要視される。
ITの進歩により情報処理技術が変化し、欲しい情報を即時に収集できるデータベース機能により地理的拡大と労働流動性(どこにいても作業ができる、
の人を雇い業務をさせる)が発達し、今までの作業が効率化される分、人が知識・ナレッジを駆使しイノベーションを起こすことの必要性を感じている中で、
そのことを進めることができる組織の理念や活動が求められている。
イノベーション時代の中で、これからも自分を高めていきたいという本質的な欲求に対して、ここなら、自己実現欲求を満たせると感じられる魅力ある組織づくりが必要となる。

現在、労使が推し進める働き方改革は、過去から労働組合が追求していた取り組みともいえる。
多くの労働組合が推し進めてきた働き方改革は、まさに働き方の見直しにより業務を効率化し生み出された時間をイノベーションの創出につなげることへの後押しを、
人材育成活動や異業種との交流の場を提供するなどして具体的に展開してきた。

また、イノベーティブな働き方を追求し質の高いアウトプットを実現するためには、個人の優れた発想だけでは限界があり、
多様な人材で構成される職場の力を最大化することが有効だと考えられる。
そのためには、自分らしく自由闊達に意見の言える職場づくりと、失敗を恐れずにチャレンジできる風土が大切だと思われる。
そんな職場づくりこそが、今日の働き方改革を進める上での重要な要素ともいえる。考えてみれば、
このノウハウと豊富な経験を持つ組織こそが労働組合であり、これからの労働組合への期待はより一層高まり、
組合員や家族、経営陣にとっても魅力あるビジョンを掲げ活動を展開することが社会的にも必要な時代といえる。

組織力強化は定義から
小林 薫
2017/09/24

さて、今回は最近円形脱毛症に悩んでいる44歳が担当します。

今年は「働き方改革」が話題ですが、国政選挙が近づいてくると研修テーマなどでもよく「組織力」を強化したいというご相談をいただきます。
どうやら組織票をきちんとまとめることができる組織が組織力があると考えられているようで、日常業務で培われているせいか、一般的に自動車や電機などのメーカー系労組が強いと考えられています。

「組織力」を高めるためにどうすればいいのか。必要性を理解してもらう?意識を高める?なんだか漠然としているなぁ、当時の私は結構悩んだ覚えがあります。そんな私にヒントをくれたのは孔子の論語でした。

君君たり、臣臣たり、父父たり、子子たり

これは、斉の君主が「政治のありようは?」と孔子に質問した際の返答と言われています。 君主は君主として、家臣は家臣として、父親は父親として、子どもは子どもとしての役割を果たしていくことで世の中が徐々にうまく行くようになるという考えです。これは組織の中においても言えることです。各階層でのそれぞれの役割を果たすことで、目的の達成につながります。うまくいっていない階層があるのなら、その階層のテコ入れをすればよい。育成や教育をすればよい。そう考えて研修を組み立てました。ただ意外と階層ごとの役割は千差万別で、定義が定まっていないケースが見られます。組織の中でも、個人によって誤差が生じやすい。組織力強化を実現するために、まずは役割を定義するところからはじめてはいかがでしょうか(といいながら、すぐに選挙になりそうですね・・・)。 

私の頭皮の毛根も自分達の役割を思い出してもらい、頭を気にしない日常に戻りたいです。無理かなぁ。

「働くということは、生きること」
横田直也
2017/09/17
みなさん!お盆はどのようにお過ごしになられましたでしょうか?
私は北海道の札幌にて過ごしておりました。※その理由は文末に掲載しております。

訳あって札幌の地に足を踏み入れたのですが。1日だけ自由時間をもらうことができ、
趣味の一つが「博物館巡り」ということもあり北海道博物館に足を運んでみました。


<フロンティアスピリットの起源はどこから?>

フロンティアスピリットと聞くと私は明治時代の北海道の開拓使を思い出すが、
実は戦国時代にもその歴史がある。

1428年南部地方の勢力争いに敗れた安藤氏が北海道にわたっている。
この安藤氏の存在がのちの松前藩を築くことになる。

南部地域から環境的に更に過酷な北海道で勢力をつくっていくことは、
本当に困難なことだっただろうと思ったが、
この安藤氏の勢力下で有名なコシャマインの戦いが起こる。

コシャマインの戦いは和人鍛冶屋とアイヌ民族の男性の間で起きた口論をきっかけに
起きた蜂起だが、この時に首領のコシャマインを討ったのが「武田信広」という人物である。
彼の活躍によって実質的な支配権を得て、武田信広は松前藩の基礎を作ったと言われている。
※大河ドラマにぜひなってほしいと密かに思っている。

歴史を見ると私たち日本の歴史の各所にフロンティアスピリットを感じれる場面がある。
戦いに敗れたり、困難な状況にあっても安藤氏のようにいまだ未開な地であっても足を踏み入れ、
挑戦するということの重要性がそこにあったと思う。


<働く先に、暮らしがある>

ただし、その後に江戸時代となり松前藩として武田信広を血脈とする
松前家が治めることになったが、治める場所は米を作れる土地はなく、海しかなかった。。。
そこで始まったのが「知行制度」という制度でアイヌとの交易独占権を幕府から得た後、
松前藩はアイヌ民族との交易で富を得るようになる。
もともとはアイヌとの交易場を家臣に与えて、アイヌとの取引によって収入を得るという制度だそうだ。

その後、近江商人などの商人に事業を委託するようになり「場所請負制」という 制度に変わる。
この制度に変わることで、アイヌ人はいままで交易相手であったが 労働者として酷使されるようになり、
アイヌ人達はつらい経験を強いられるようになる。
こういった中で、シャクシャインの戦いや、クナシリ・メナシの戦いなどの蜂起に繋がるわけだ。
労働組合の立場から言えば、ストライキではなく命を懸けて蜂起したということだ。
働く先の暮らしが脅かされたから起きた蜂起であると言える。
----
北海道博物館はこういったあまり本土からでは詳細を学べないことを知ることができ、
本当に有意義な場であったが、筆者としては以下のような感想を持った。

明治時代になり、アイヌの人々を苦しめた場所請負制度は解体されていくことになるが、
その後、制度がなくなったとしても差別はあったはずであり、消えない過去であると思う。

私はその時、近江商人をはじめとした日本の商人達はどのような考えで この事業に参画したのだろか?
と非常に疑問をもった。

果たしてこのようなやり方で本当に良かったのだろうか?
近江商人にも三方良しの精神(自分にも、お客さんにも、世間にも良し)があったはずだが、
その結果は歴史が証明している通りである。
※近江商人の理念を否定しているわけではありません。

企業に例えると、企業が存続発展するために必要な施策であっても、
やってはならないことがあるはずだ。今、労働組合ではこういった経営判断に対して、
経営にものを伝える事ができる機能が弱体化しているとも言われている。

歴史から学ぶのであれば、 働く人たちの誰かが犠牲になることで、
商売が成立するということにならないようにするためにも、
労使関係を強化していく必要があるように思う。

働くということの先には、必ず人々の暮らしががあるのだから。


<どうでもいい情報…>
札幌で過ごすことになった理由:
札幌は私の妻の故郷であり、第2子の出産(里帰り出産)のタイミングと重なりました。
2番目の子供(息子)はお盆休みに突入する前には無事に産まれたこともあり、
立ち合いはできませんでしたが家族に会いに行って来ました。  

※実は妻の実家には5年間行けなかったのですが、特に複雑な事情はございませんので、
ご安心ください(笑)
改革と改善
正道寺
2017/09/10
改革と改善・・・

私は営業として毎週、10組合様以上、月に換算すると、
40組合様以上に訪問させていただいております。
その中で、様々な企業内・組合活動における課題を伺っています。

昨今、メディアや報道などで日々聞かないことはない「働き方改革」という言葉。
企業内組合としても、当取り組みに対して、
労使での対話や、現場の組合活動などで対応をしている皆様も多いと思います。

長時間労働削減、有休取得促進、制度の見直し・・・
様々な観点でお話しをさせていただく中で、ふと考えた。働き方改革とは何のか。
まずはその言葉に注目してみました。


改革・・・社会の変動や危機に対応し,
あるいは適合するように社会的,経済的,政治的諸制度や諸組織,諸政策などを
部分的に改善することをいう。
したがって、社会の基本的な仕組みの全面的変革である革命とは区別される。
改革は,既存体制の許容範囲内で改善や改良を重ね,
場合によっては変革主体の要求の一部を充足することになるが,
他方体制の全面的変革や崩壊を防止するという意味をももっている。

(出典:yahoo コトバンク )


一方で現場できく対策の中で「改革」ではなく「改善」ではないかと、
お客様と確認をすることがしばしばある。


改善・・・物事をよい方に改めること。
? 改悪 「待遇を-する」 「 -の余地がある」
〔類義の語に「改良」があるが、「改良」は具体的なもの、
たとえば機械や品種などをそれまでのものよりよくする意を表す。
それに対して「改善」は抽象的なもの、
たとえば条件・待遇などを改めてよりよくする意を表す〕

(出典:yahoo コトバンク )


なるほど、言葉の定義から考えると「改善の結果→改革」と捉えることもできます。
改善を重ねていくことで、改革が達成されるということでもあります。


多くの報道を耳にすると経営者側が働き方改革の一環で、
様々な制度を導入したり、現場の働き方についてメスをいれていることがわかります。
それにより、より働きやすい環境になることは間違いないです。

経営者も「より従業員が働きやすくなることで、企業の生産性を高める」ために
各種制度や労働条件面を見直しを行っています。

ただ一方で、現場からするといきなりの制度変更や働き方の見直しで、
不平や不満を漏らし、「逆に働きづらくなった」「これでは成果がでない」
そのような声を聴いている組合幹部役員の皆様も多いはずです。

改善活動ー。
これは、労働組合活動の本域であり、得意分野である。
これまでも労働組合を主体とした現場での改善活動をおこない、
労使での様々な対話を通じて今の企業をつくりあげてきた。

私がご担当させているお客様でも、年1回組合員意識・実態アンケートを実施し、
中央労使協議会だけではなく、階層別の労使協議会を開催し、
具体的な問題解決を図っていたり、
職場からの「ニーズカード」を集め、支部で集約し、
集まったニーズを「労使間コミュニケーション」のどこの、どのような場所で
問題解決を図っていくかを役員間で話し合い、
支部の活動に落としています。

組合員は正直、あまり実感はないかもしれないが、これまでの労働組合の活動が
企業の存続発展を支えてきたといっても過言ではありません。

今後も企業内組合の改善活動が、企業の存続発展には欠かせないものだと確信しています。

現場も納得でき、経営者側も推進していきたい「働き方改革」は、
現場での「働き方改善活動」の結果がそれなのかもしれません。

働き方は各企業によって全く異なります。
これからの企業内組合での「改善活動」が今後の企業の未来を変えるといっても
過言ではないと感じているところです。




ダイバーシティアンテナを広げよう
中岡 祐子
2017/09/03
おかげさまで無事に希望の保育園に入所でき、職場復帰しております。
娘は保育園でいろんな経験をし、日々成長した姿をみせてくれています。
本当に良かったと思う反面、保育園に入れなかった子はどうしているのだろうと思います。

私の住んでいる地域は特に待機児童が多く、保育園を希望して実際に入所できたのは3割でした。
今の保活の状況は本当にひどいもので、保育園に入れるために夫婦が離婚をするのはわりとあることらしく、
役所のほうも「片方の住民票が動いて実際に住んだ形跡がなければ駄目」などの対応策まであると聞きます。
いろいろな情報があり、どう動くのが良いのかわからない中で、件の「保育園落ちた、日本死ね」の言葉が頭の中をリフレインする毎日でした。
この言葉は、人によっては不愉快らしく否定的な意見があったと聞きます。たしかに「死ね」はよくない言葉だと思います。

しかし、一方的な非難は、想像力がなさすぎます。真夏の暑い日に首が座らないわが子を抱いて保育園をハシゴする日々。
いよいよ保育園の結果発表が近づいてきて「落ちたらどうしよう。仕事なくすかも」と心臓が鼓動をうち朝まで眠れない日が何度もありました。それでも落ちる人はたくさんいるのです。
ダイバーシティを実現するには、柔軟なマインドが必要です。ですが、私たちは普段見たいものしか見ていません。
ダイバーシティ研修でも、いかに自分たちが柔軟な思考を持っていないかという経験をしていただいています。

ですがそれは仕方がないことですし、悪いことではありません。だからこそ、自分の固定概念に気づき、自分が持っている視野を15度だけ広げて見ることが重要です。
これをダイバーシティアンテナといいます。私たちは自分が経験していないものについて想像しにくい。
だからこそ、未経験のことにどれだけ想像力をもてるかということが重要になってきます。視野を少しだけ広げると、全然違う視点で見ている人がいるということに気がつくことができます。
私自身も固定概念は強いほうだと思います。ですが「本当にそうだろうか?」と自分の考えを一時保留する癖がつき、そうすることで選択肢が広がりました。

これをお読みの皆さんは、自組織の女性の活躍を支援しなければならない立場の方たちだと思います。私のところにも日々相談が寄せられます。
よく伺うお話が「女性たちの仕事に対する意識が低い」というものですが、本当にそうでしょうか? 
そういう人も中にはいると思いますが、女性全員がそうでしょうか? 
逆に男性は全員仕事に対する意識が高いと言い切れるのでしょうか? 

もちろん組織全体の話をするときに、そういう傾向があるというのはわかります。
ですが、現場の一人ひとり(特にマネジャー)がそのような思い込みを持って女性と仕事をしていると、なかなか女性活躍は進みません。
先日、女性対象の研修で、受講生の一人が「上司に『女は黙って言うことを聞いていればいい』と言われた」とおっしゃっていました。
さすがにその話は、その場にいた全員がのけ反るほどでしたが、他の受講生もおおむね「今のままでいい」と言われているようです。
上司に戦力として期待されていなければ、仕事に対する意識が低くなってしまうのも無理からぬ話です。特にワーキングマザーともなると、
自分としては育児休暇前のようにバリバリやりたい気持ちがあっても、子供のことを考えると言い出せないジレンマがあると思います。
せっかく大変な思いをして保育園に入所できても、職場では戦力外のように扱われ、自分自身も両立に疲れ、
保育園に預けたことを疑問に思って働くモチベーションが下がる方も少なくありません。

一方で、組織の中心は「女性活躍」で盛り上がっており、そういったテーマの研修に出席させられることもあります。
もし自分が当事者だとしたら、この組織のダブルスタンダードをどのように思いますか? 

これは特別なことではなく、本当によくある組織のパターンです。
寄せられる相談の中で、次に多いのが「女性活躍といっても何をしてよいかわからない」というものです。
もしこれをお読みの方で同じように感じている担当者の方がいらっしゃったら、是非いろいろな立場の女性組合員の話を聴いてみてください。
その際、相手の話に即反応して、レッテル張りやアドバイスをするのではなく、ダイバーシティアンテナを広げて聴いてみてください。

想像してください、相手のことを。相手の置かれている立場、状況、思いを丁寧に受け止めることで、見えてくるものがあるのではないかと思います。



お世話になった書記長の退任
島田
2017/08/27
皆様こんにちは!
この度初めてユニオンネタ帳を書くことになりました島田です。
どうぞよろしくお願い致します。

そこで今回はお盆休み中にお会いした、東京勤務時代にお世話になった元書記長のお話しを書きたいと思います。

私は4年前に名古屋へ転勤になり、お盆休みは実家がある神奈川へ帰省していたのですが、その際、以前大変お世話になった書記長が退任されたとのことで飲みに行く機会がありました。

現在、その元書記長は特例子会社の部長に着任されていました。
私も本当に勉強不足だったのですが、障害者雇用のことについて色々とお話しをしていただきました。
一言に「障害者」と言っても、身体障がい、知的障がい、精神障がいと大きく3つに分類され、その程度によって軽度から重度まで等級によって区分されています。

またこの会社では「障害者」ではなく「チャレンジド」と呼ばれていました。

※チャレンジド
アメリカでは障害者のことを「神より生きることに挑戦することを運命づけられた人たち」として「チャレンジド」と呼んでいます


現在、日本では何らかの障害を持っている人が787万人(国民の約6%)※とされています。

※厚生省H23年度調べ


現在、色々なところで「働き方改革」「女性活躍推進」「男女平等参画」などの取組みが労使で進められているが、障害者も健常者も平等に一般社会で普通の生活が出来るような社会にしていくためのノーマライゼーションの取組みと合わせてダイバーシティーの取組みを進めていかなくてはならないと言われていました。

なぜならそれが、本当の意味でだれもが活躍できる社会に繋がっていくからだとおっしゃていました。

実際、チャレンジドの方々と仕事をしてみてもっとも大切だと思うことはコミュニケーションだそうです。
特に知的障がい者の方たちに対しては重要とのことでした。

仕事を一緒に進める上で一番大変なことは指示の出し方。
商品の袋詰めの際など、「汚れている部分を取り除いて袋詰めして」とお願いしても、きれいな部分も全て取ってしまい、袋に詰める商品が無くなってしまったり、指示をしたことに対して「はい」と笑顔で返事を返しても理解していなかったり、昨日できた作業を翌日にまたお願いしたらできなくなっていたり。

これらは全て指示を出す側の人がしっかりと理解できるように伝えられるかどうかによって防げることが多いとのことでした。
良い例、悪い例、を目で見て分かるようにした上で指示を出したり、理解したように返事をしてもチェックリストで細かく確認できるようにしたり、一度できた作業でも毎回作業を開始する前には手順を確認したりすることで、これらのミスを無くすことができると言っていました。

話を聞いていて感じたことは、対応として挙げられる例はチャレンジドの方々だけではなく、健常者の人と仕事を進める上でも重要なことだと感じました。
ついつい私たちは自分の物差しで物事を判断して「理解しているだろう」「できるだろう」という「だろう」で仕事を進めてしまったり、依頼してしまうことがあります。

このことが後で大きなトラブルやミスに繋がり、長時間労働や生産性の低下に繋がることが多々あります。
相手の立場に立って、しっかりと理解できているかや伝わっているかを確認する。
細かいやり取りは非効率と感じる部分もあるかもしれませんが、結果これを怠るとより非効率な働き方になってしまうのだと思います。

私自身、「だろう」で仕事を進めてしまうことが多々あるので、これを機会に相手の立場に立ってしっかりと確認や対話をしながら仕事を進めていかなくてはいけないなと感じる機会となりました。

私に大切なことを教えて下さった元書記長とは、今後も人生の先輩として、良い飲み友達として色々勉強させていただければと感じた夏休みでした。


生きててよかったの集い
石垣 聡紀
2017/08/20

10代の頃は好きなミュージシャンを見つけることが、アイデンティティを探す一つであった。
POPSを馬鹿にしてみたり、センスが良いと見せたくて洋楽を聞いてみたり、
普段聞く音楽に執着していた。

30歳を過ぎてから、CDを買うことも無ければ、深夜にYouTubeをネットサーフすることも無くなった。
テレビの音楽番組などを見ることも無く、飲んだ後にカラオケに行くことも少なくなった。

----------------------------------------
5年ほど前kindleを買ったので、重松清の「流星ワゴン」を読んだ。
30代後半の主人公が、仕事もうまくいかず、家庭もうまくいかず、
親との関係もうまくいかず、「死んでもいいかな」とふと思うところから物語が始まる。

主人公は不思議なワゴンに乗って過去に戻り、人生のターニングポイントをやり直す。
妻との関係、子供との関係、親との関係、仕事(上司)の関係・・・

でも、過去をやり直して帰ってきても、結局はうまくいかない人生に変わりはない。
それでも、一歩ずつ自分にできることを始める。
物語は、家族で一緒に朝食を食べようと提案することで幕を閉じる。

私自身も年に数回は「すべてが思うほど、うまくはいかない」と憂う夜があり、
この主人公には共感でき、感動した。
----------------------------------------

流星ワゴンに感動した私は、誰かと思いを共有したくて、ネットで感想を検索してみた。
そこで、「流星ワゴンとフラワーカンパニーズの深夜高速という曲の世界観がリンクしている」
というメッセージを見つけたのでその曲を聞いてみた。

生きててよかった
生きててよかった
生きててよかった
そんな夜を探してる。

誰もが夢見る音楽の世界で、飯を食っていくことは大変なことなのだろう。
フラワーカンパニーズというバンドは、
実力はあっても、売れない。
努力しても、売れない。
好きなことで飯を食っていくために、全国を巡ってライブ活動を行っている。
そんな彼らの深夜高速には、「人生うまくいかなくてふと死んじまいたい」という気持を
救う力があると感じた。

労働組合の活動にはきっと、こんな気持ちを救う力がある。
一部の優秀な人間だけが報われ、その他大勢が抱えているであろうこんな気持ちを。

成績も上がらず、長時間労働。
ローン抱えて、満員電車。
妻(旦那)とは、セックスレス。
でも、不倫する勇気はない。
リストラの候補に自分の名前が入っていないか怯え、
やる気はあるけど頑張り切れない。

自分の人生これでよかったのかと思い悩む夜を「生きててよかった」に変える力があると信じている。