ゆにおん・ネタ帳

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2011年

「あいさつ」と「業績」の相関
大川 守
2011/08/07
業績のよい会社はなぜか社員が活き活きして輝いて見える。反対に業績が今ひとつ伸びていない会社では
社員に覇気がなく沈んで見える。
多くの皆さんも同じような経験を持ち合わせていらっしゃることでしょう。

労働組合の事務所を訪問するに当たり、多くの場合は母体企業の会社内で社員の方とすれ違ったりエレベータに
乗り合わせたりすることがあります。そのようなときに観察するともなく伝わってくる人の持つ雰囲気や表情、
それがその会社の業績の好不調を見事に反映していることが多いのです。
職業柄もあり私はお会いする組合の企業情報を確認することを心がけており、余裕があればIR情報も目を通します。
すると前述のとおり、かなりの確度で業績連動型「イキイキ度」を確認することができます。
そこで私なりに「なぜ」イキイキ度を感じるのか、または沈滞ムードを感じるのか観察するに至りました。
その結果が以下の4つの要素です。
① その人の表情
② その人の姿勢
③ 他の人とのあいさつの仕方
④ 会話のトーン

もちろん産業、業種などにより行動特性に違いがあるのは言うまでもありません。サービス業と製造業では
社員の皆さんの様子は大きく異なります。しかし、上記3の「あいさつ」は共通して傾向が確認できるようです。

同じあいさつでも出会い頭に「おぉ」とか「あっ!」などの感嘆詞がつく場合、これはよいサインです。
その感嘆詞のトーンが高いほどよい傾向を示します。もちろん笑顔が伴えばまず間違いなく優良企業です。

黙って会釈だけ、または声を発するが低い声で目を合わせない・・・ これは注意です。

ほとんど目を合わせず、反応しない・・・ かなり深刻です。

以上、まったくの主観で感覚的ですが大きく外れていない確信もあります。

業績が良いからイキイキなのか、イキイキだから業績が良くなるのかは「ニワトリと卵」のようなものかも
しれません。

ただ、イキイキの人が集まる職場のほうが「一緒に働きたい」と思えるのは万人に共通するのではないでしょうか。
「職場を明るく楽しく元気よく」一人ひとりの意識が少し変われば案外簡単なことなのかもしれません。

そして協力体制がつくりやすい環境であれば業務遂行上の困難も乗り越えられるのではないでしょうか。

仲間と共に希望を感じる組合活動へ
吉川政信
2011/07/31
環境が大きく変化する中、休業などに伴う急激な減収は生活困窮に陥る組合員の増加を引き起こす。そのような中で労働組合が果たすべき役割は、経営対策活動で会社の構造的な課題に対する継続的なフォローと同時に、組合員の生活防衛力を強化する取り組みを行う必要がある。端的にいえば少々の生産変動があっても生活困窮に陥らない教育活動や共済活動を強化、充実していくことである。
現在、組合員約20,000人の製造業の労働組合と共に世代別教育プログラムの開発に携わっている。組合員の健康面・経済面・生きがいを充実させるための自助努力支援を行うことが主な内容である。特に、昨今の環境変化による組合員の経済面における不安の声は多く、労組の生活相談窓口への相談件数も増していることも当活動に力を入れる要因となっている。

今回の教育プログラムは、当労組の生活実態や人事制度、年代に応じたライフイベントの標準化によるライフシュミレーションモデルを策定し、労金や全労済も協力し開発を進めている。また、教育を行うトレーナーはすべて組合の執行部が担当し全組合員を対象に教育を実施する。トレーナーの執行委員のほとんどが講師を務めるのは未経験者で本人たちの不安を抱えた様子も伺える。その反面、当労組では執行部が講師を行うことへの強い拘りがある。当労組ではライフデザイン教育で大切なのは、知識や考え方を教えるだけではなく、同じ組織で働く仲間が仲間の将来や生活安定に世話を焼くことで、この会社で過ごすことへの安心感や将来への希望、そして組織の連帯感の醸成に繋がると確信している。
当労組では、他にも地域貢献活動として年間約70講座に及ぶ自己啓発セミナーを組合員だけでなく地域の人々へも開放し、人材育成による地域貢献活動を推進している。この活動においても徐々にではあるが組合員が講師となり自分の得意な趣味や技術を教えている。

当労組の活動支援に携わり感じるのは、非常に斬新なビジョンを掲げ大胆な活動展開を推進しながらも、労働組合が従来から大切にしてきた組合員一人ひとりの将来への希望、仲間とのつながり、企業生産性への貢献を変革期の今日果たしていくための活動であると確信できる。



フォロワーシップの視点による組合活動変革
淺野 淳
2011/07/24
労働組合は「集団的フォロワーシップ」を活動テーマとすることで、
さらなる組合員の成長を促せるはずだ!と実感する場面に出会いました。

先日ある労組で面談した委員長の言葉が印象的でした。
私たち組合リーダーは、「自分達の所属する会社を良い会社にする」ために活動している。
しかし、経営者は理解しようとしない。「経営者は、もっと労働組合を活用するべきだ。」

私は、この言葉に共感すると共に、実現には地道な活動変革の必要性を感じました。

「経営者が労働組合を活用していない」ことを問題としています。
その問題の原因は何なのか。
労働組合が、経営者に活動方針を伝える際、パートナーの立場で伝えていない。
また、経営者の組合活動への協力を、引き出せていないことも原因です。

さらに私は、「労使対等=パートナー」という意識がその問題や原因を
解りにくいものとする阻害要因になっていると感じました。

一部の組合リーダー・専従役員などには、労使対等=パートナーの意識
があったとしても、支部・職場単位での労使関係は、単なる上司・部下
の関係になっているのが現実です。

そこで、改めて労使関係を、リーダーシップとフォロワーシップの
観点から眺めてみることをお勧めします。

それは、「労使対等」から「労使創造・共生」を実現し、労使関係の質
を真のパートナーへと高めることへのアプローチともいえます。

執行部はそもそも、組合員を代表している立場でフォロワーの代表者と言えます。
自分たちの組織に所属するフォロワーは「プロフェッショナル・フォロワー」なのか
ということに真摯に向き合うことからはじめることが大切ではないでしょうか。

プロフェッショナル・フォロワーとは、2つの軸を指標とし判定します。
①【貢献力】(組織や上司の出す方針・意向に沿って自ら役割を果たそうとする意識と行動)
②【批判力】(組織や上司の出す指示・方針を鵜呑みにせず、客観的視点で最適解を出そうとする意識と行動)
この①②をバランスよく調和しながら考え・行動しているフォロワーを指します。
※「指導力革命」著:ロバートケリー(カーネギーメロン大学教授)

しかし現実には、
①が強調されると、消極的な「従属型のフォロワー」となります。
②が強調されると、積極的だが「孤立型のフォロワー」となります。

リーダーは、フォロワーの2つの軸をバランスよく発揮させ、再現性のある成果
を上げることに責任を負います。

同時に、フォロワーは、自らも2つの軸をバランスさせるためにリーダーや、
他のフォロワーと協働することが求められます。

これらの矛盾をバランス(両面思考)させる能力がフォロワーには問われています。

リーダーが発揮するリーダーシップを支援する「仕組み」は経営者が担っています。
フォロワーが発揮するフォロワーシップを支援する「仕掛け」は労働組合が担っています。

いわゆる20世紀型の組合活動は、フォロワーである組合員の批判的な意見を集め、
「仕組み」作りの一役を担ってきました。

これからの組合活動は、フォロワーである組合員の、
組織や顧客に貢献したい思い・行動である「誠実な貢献力」を引き出し、
現場で鍛えられた独自の「建設的な批判力」を発揮する「仕掛け」を担っている
のではないでしょうか。

組織全体のリーダーとフォロワーの関係性がパートナーとなり、「労使創造・共生」が
実現するための具体的な活動テーマとして事例を挙げます。

・被考課者トレーニング(集合研修・Eラーニング)の実施
・職場チームワークUPのための「職務互換性」対策プロジェクト
・職場の達人紹介ハンドブックによるノウハウ共有化活動
・「働きがいセミナー」と「問題解決力向上セミナー」の2本立て実施
・フォロワーシップ診断に基づいた職場単位の労使協議(懇談)会の実現

新たに始まる組合活動の参考になれば幸いです。



潮目
服部 恵祐
2011/07/17
働く者の助け合い組織「労働者共済生協組織※」が1954(昭和29)年大阪に産声を上げた。
翌1955(昭和30)年には、その輪は広がり、新潟でも発足する。
いずれも発足にあたっては、まず火災共済を手がけた。

その新潟で、発足後わずか5ヵ月で大火災(新潟大火)が起こり、1200軒が焼失する。
その時点で、共済収入(掛金)は、260万円。火災への共済金(給付金)は、なんと1400万円に上った。
発足したばかりの組織へ訪れる存亡の危機。

「もう駄目だ」

「給付するお金がない。加入者へ無理と断ろう」

「いや、減額給付してはどうか」


「・・・本当にそれでいいのか?われわれは、何のための組織なんだ」

「こんな時のための共済組織ではなかったのか」

「・・・」

労働金庫より融資を受けて全額給付を決定する。
捨て身の誇り高き、意思決定。

そのとき、なぜか、潮目が変わる。

大火の教訓と全額給付の口コミに加入者が急増する。
負債は一挙に返済される。
これが、全労済(全国労働者共済生活協同組合連合会)の原形である。


この前、全労済のある県本部に招かれて、県の全職員に、ミッション(使命)浸透のセミナーを行った。
職域を強みとしてきた全労済も、最近、加入者の伸び悩みに苦心している。
年配の女性職員に、僭越ながら、使命(「命」を「使」っても守るもの)を尋ねてみた。

「われわれは、給付してなんぼの組織なんです」

「加入は後からついてくるのです」

とその柔和な笑顔と大きく開いた瞳の奥に、共済事業への使命感と覚悟が垣間見られた。

先端の現場にも、共済(助け合い)の精神が脈々と流れていた。


現在の労働組合の使命(「命」を「使」っても守るもの)とは、何だろうか。

我々は、自信と確信を持ってこの使命を言い切れ、それに基づいた活動を覚悟を持って行っているだろうか。




※1957 年に共済事業を開始していた全国 18 都道府県の労働者共済生協が「全国労働者共済生活協同組合連合会 (労済連)」を結成し、 火災再共済事業を開始したのが、全労済の共済の原形だそうです。


われわれの成果はなにか? Vol.5
小野
2011/07/10
■ われわれの成果は何か? ~成果を具体的に定義する~ 
  (ドラッカー 生涯問い続ける5つの問い)
-------------------------------------
(前回までのおさらい)
○ 労働組合などの非営利組織の成果は、つねに自分たちの外にある。
 1)外側(相手・顧客)を定義する。
 2)外側(相手・顧客)が何を価値と考えるかを調査する。
 3)価値を満たす手段・方法を考えて実行する。
 4)効果検証。
外側の【行動、境遇、健康、希望、適性、能力etc】の向上を
   調査する。 
○ 組織の使命に基づき、成果をより具体的に定義する。
 【人々の行動、境遇、健康、希望、そして彼らの適性と能力】の向上などを
  成果と定義する。
-------------------------------------

労働組合において、具体的な成果というものを定義している組織は少ないのでは
ないでしょうか。

ドラッカーは、著書「非営利組織の成果重視マネジメント」において、労働組合
などの非営利組織に対して、成果を重視するマネジメントを、説いています。

働く人々に対して、労働組合が成果をあげることを実現しなければならないと
いうことになるわけです。

確かに、成果を上げるということで、組合員からの支持や協力を得るとともに、
組合の使命を達成することにも近づくはずです。

これまで、労働組合の成果といえば、賃金や労働条件の向上と、地位向上によって
組合員が豊かさを感じることが、主たる成果と定めるところがほとんどでした。

それらの成果を上げ続けることが可能だった時代は、それによって、組合員の
支持を得られていました。

しかし、それだけを成果と定義してしまっていては、大幅な賃上げが期待できなく
なった、近年の状況では、成果が全く上がっていないと厳しく追求されてしまい
ます。

したがって、多くの労働組合では、運動方針に働きがいの向上や、ワークライフ
バランスの向上、メンタルヘルスの向上などを成果の項目に加えるところを目立
ってきています。

そうだとすれば今、組合員にとっての成果がなんであるのかを、ハッキリと定義
しなおさなくては労働組合自体の存在意義や地位を下げてしまいます。

成果はミッション(使命)に照らし合わせて定義することが大切です。

例えば、成果の定義の例は次の通りです。

====================================
 使命: メンタル・ダウンの広がりを防ぐ
====================================

 成果:「うつ病なんて他人ごとだ」という意識や態度が、社会だけでなく自分
 たちの問題でもあるとして、受け入れる態度に変化する。
 対策を行ったグループの人々のコミュニケーションや人間関係に関する働きか
 ける意識や行動の変化。
 結果としてのメンタルダウンによる自殺者や休職者の減少。

====================================
 使命: 社会と組織へ貢献する人を輩出する
====================================

 成果:組合員はチームに貢献し、他のメンバーとの関係もよい。
 非組合員の管理職になっても、より優れたリーダーシップを発揮し、チームの
 中から、自分以上の人材を輩出している。
 組合員はよき市民となり、地域のコミュニティーと社会の向上に貢献する。

====================================
 使命: コミュニティの構築と活性化のために、人々の意識を喚起する。
====================================

 成果:弱者は安全に、またケアされている。また弱者をケアするためのコミュ
 ニティとネットワークを構築している。コミュニティの人々と協力しながら、
 組合員とその家族を支援するための、サービスがコミュニティの人々主体性を
 もって取り組めるように提供されている。
 コミュニティにとって最も重要な課題が何であるかが確認され、解決されて
 いる。 
====================================

労働組合における成果は、働く人々の働きがいの向上や、心と体と生活の向上
などが、具体的に示されることが望ましいといえます。

その成果も、色々と掲げすぎる傾向が見受けられますが、少ない資源で活動して
いる労働組合にとって、人・資金が分散してはたいした成果はあげることはでき
ません、資源を集中してこそ、成果をあげられます。

かつて効果があった活動でも、時代遅れになった活動を放棄することから始め
なけれればいけません。

しかし、それにはかなりの抵抗が予想されます、何かを放棄しようとすると
感情的で攻撃的な抵抗が発生します。しかし、それは一過性のものです、放棄
して半年後、不思議なほど消えているでしょう。
(ドラッカーは、まず一旦、無条件に数ヶ月間破棄して、その後どうしても、
 不都合があるものだけ、復活させる手法で、業務をスリム化したそうです。)

そうして放棄しなければ、少ない資源では期待する成果を生み出すことはできま
せん。

====================================

何かのネタとなれば幸いです。


心を軽くするコミュニケーション
中岡祐子
2011/07/03
「課長無理です!仕事量が多すぎて今のメンバーではこなせません!辛いです」

「そんなこと言ってもしょうがない。今いる人間でやるしかないでしょう」

「・・・・(不満顔)」



よくある職場の光景。
どこの企業も、ギリギリの人間で仕事をまわしている。
そしてマネージャーは知っている。
例え、不平を言ったとしても、仕事量は減らないし、人も増えない。
だから部下の話を受け止められない。
確かに、言ったところで事柄は変わらないのだ。
でもヒトの気持ちはどうだろうか?


同じ仕事をやらなければならないなら、余計なストレスは感じずにやるほうがいい。
ストレスを感じながらする仕事は、車で言うとアクセルとブレーキを同時に踏むようなものだ。
つまり効率が悪い。

不平を言ったところで、仕事量は減らない、人も増えない。
だけど、ヒトの気持ちは変わる。



「課長無理です!仕事量が多すぎて今のメンバーではこなせません!辛いです」

「辛いよな・・・」  

「はい、辛いです(安心したような、泣き出しそうな顔)」

「仕事量が多すぎて、無理だと思うよな・・」 

「・・・はい・・、でも課長も辛いですよね・・・」



部下だって本当は知っている。
例え、不平を言ったとしても、仕事量は減らないし、人も増えないことぐらい。
でもストレスがたまると、それを吐き出したくなるし、それが人間だ。
それを言わせないようにするので、メンタルヘルスの問題につながる。
ヒトはモヤモヤする部分を吐き出して、それを受け止めてもらうことによって、初めて前を向ける。
無理やり前を向かせようとしても、心は重くなり、仕事は思うように進まない。
もし進んだとしても、単なる「無理やり自律」で、やっぱりメンタルの問題につながる


問題を解決することは無理かもしれない。
だけど、心を軽くするコミュニケーションはあるはずだ。



いつもと変わらないことの喜び
渡辺 秀一
2011/06/26
「いつもと変わらないことができる喜び」

なんだかどこにでもある歌詞の一行のようですが、皆さんはどう感じますか?
私は昨年の暮れに大きな病気をし、三途の川を渡りかけました(もちろんお花畑で
手招きする綺麗なお姉さん見たわけではありませんが…)。
また、助かっても長い間の昏睡状態から後遺症も懸念されました。
結果的には、会社に戻ってきてこうして皆様が目にする文章を書いていますので、
元に戻ったわけです。

リハビリや投薬、食事制限などを続けてはいますが、普通に近い生活をしています。
毎日混んだ通勤電車で通って仕事をして、また混んだ電車で帰るといった、発病前
にはごく当たり前で、時には「面倒くさいなぁ」と感じていた生活がまた始められ
たことに何か愛おしさを感じてしまったりします。
朝、自分の部屋で目覚められるだけで小さな喜びを感じます。
約半年会社を空けていたにも関わらず、周りの上司や部下の方々が暖かく、そして
普段通りに迎えてくれました。よい会社に属していることに感謝です。

「いつもと変わらない生活ができる」ということに感謝すると共に、今回の災害で、
「いつもの生活」ができなくなり、あたりまえのことがあたりまえではなくなって
しまった方々の痛みもひしひしと伝わってきます。
こんな時だからこそ、自分に何ができるのか、企業や組合という組織に何ができる
のか、地域で何ができるのかといった「おたがいさま」を考える良いチャンスでは
ないかと捉えます。
一日でも早く、被災に遭われた方々が「いつもと変わらない生活」を取り戻せるこ
とを願います。

労働組合の社会的イメージ
佐々木 務
2011/06/19
管理本部という立場で、弊社の人事、経理、総務などの業務に取り組んでいます。
労働組合との接点はあまりない立場ですが、少しでも組合活動のヒントになれば幸いです。

弊社は100人にも満たない小さな会社ですが、採用については新卒採用をベースとしています。
労働組合のみなさんが春闘でお忙しい2月、3月は会社説明会を行い、弊社の西尾会長が、
会社の説明だけでなく、BEST主義を中心として、働く事の価値を学生に熱く語っています。

ここ最近の就活難の中、学生たちはみな必死で就職活動をしていますし、弊社の業務内容を
よく研究し選考に臨んできます。
そして、よく弊社を研究してきた学生ほど、弊社が労働組合に特化していることを理解し、
「労働組合」に対しての興味関心を持って臨んできます。

ところが学生が情報を収拾するインターネットやマスコミ報道では、目立って出てくるのは
「労働組合が企業を過激に糾弾する姿」か「労働貴族と化した御用組合への批判」等々。

弊社の選考に臨む学生の発言や質問も、そんなイメージを反映し、、
「労働者の権利を守るために御社で頑張りたいです!」
「労働組合といえばストライキをやっているイメージしかありません。」
「労働組合の加入率が下がっていますが、御社の将来性は?」
「普段の労働組合は何をやっているのかわかりません・・・。」
こういったものがかなり見られます。

所詮メディアで取り上げるイメージなのですが、こんなものだけというのはあまりにも寂しい。
しかし、社会人として働いた事のない学生には、そのようなメディアで語られる労働組合像を
もとにイメージするしかありませんし、このような事は、主婦や労働組合の無い会社で働く方、
非正規社員の方にとっても同じことかも知れません。

組合活動の中で、組合員に活動の内容を伝える事は意識されていると思いますが、
その向こう側にある家族や地域社会に向けても、組合活動を発信していくイメージ戦略を
持つべき時に来ているのかもしれません。

情報社会の影響なのか、労働者の権利意識が高まり、景気低迷に伴う雇用不安から、
労働問題への関心は近年非常に高まっていますし、労働組合を支持母体とする民主党政権が
誕生した事で、労働組合の社会的な立場、責任は自民党政権時代とは変容してきています。
また、震災の影響による人と人との繋がり、コミュニティの重要性も叫ばれている中、
労働組合はまた新たな注目を集める事でしょう。

実際にここ数年、弊社の新卒採用に応募してくる学生は飛躍的に増えていますし、
労働組合との関わり方を模索している企業などから、弊社へ問い合わせてくるケースも
増えており、労働組合への社会的な関心が高まっている事を実感しています。

こんな時代だからこそ、新しい労働組合の存在価値をアピールするチャンスだと思います。

「会社の働きがいを向上させ、社員の結束力を高める労働組合をぜひ支援したいです!」
そんな学生がひとりでも増えてくれる事を願い、弊社としても労働組合の社会的イメージを
少しでも変えていく方法を模索していきたい、そう思っています。


「主体的に動く」とは何か
伊東 隆太郎
2011/06/12
「現場の役員に主体的に動いてもらいたい」

“組合役員が感じている自組織の課題”のランキングがあれば、間違いなく上位に入る項目だと思います。
日々多くの組合役員と接している中で、さまざまな課題やお悩みを伺うのですが、この課題はどの業種・業界でも共通のようです。

具体的なところでは「与えられた役割をこなすだけで、言われた以上のことはしない」
「業務に追われる中で忙しいのはわかるが、『どうすればラクに済むか』ばかり考えているようだ」etc・・・
はたして皆さんの組織ではどうでしょうか?

そんな時、私がいつも思うのは「それでは人は、どのような時に主体的に動くのだろうか?」ということです。

最近読んだ本には以下のようなことが書いてありました。

===============================================================
主体的に自ら進んで仕事や役割を引き受けていく意識を持つには、4つのステップが必要になる。
① 現実を見つめる
② 問題に当事者意識を持つ
③ 解決策を見出す
④ 解決策を行動に移す
===============================================================

これを現場の役員の立場に置き換えて考えてみました。現場役員が主体的に動く意識を持つには・・・

① 「自分は現場役員であり、果たすべき役割がある」という現実を見つめる
② 周りで起きている問題の解決に対して当事者意識(責任)を持つ
③ 周囲と協力しながら、解決するにはどうすれば良いか考える
④ 具体的な行動に移す

具体的に実践・検証できる活動が出来れば、効果的な取り組みになるのでしょう。
現在まさにそうした組合活動を模索中なのですが、もし何かアイデアがある方、ご連絡お待ちしております!
r-ito@j-union.com

「助け合い・支え合い」のヒントが得られるページ作り
細越 徹夫
2011/06/02
 最近、ある組合の役員に紹介された本を購読した。ご存知の方も多いと思うが「ビックツリー」(佐々木 常夫著)という著書である。サブタイトルには「私は仕事も家族も決してあきらめない」とあり、著者自身の人生を病気を持つ家族と仕事との関係を通してつづられた壮絶な実話である。

自閉症の長男をもち、妻は肝臓病で何回かの入院を繰り返す中でうつ病を併発、3度も自殺未遂をする。一方、著者自身は、大阪・東京で転勤を繰り返し多忙をきわめるが、家族も仕事もあきらめずに全力で取り組み、東レで取締役にまで上り詰めるという内容である。
先の組合役員の会社では、佐々木氏を招きワークライフバランスの観点から講演会を開き大好評博したという。転勤が当たり前で多忙な職種が多い会社でもあるので、佐々木氏の経験談は身につまされて聞かれた方が多かったのだと思う。

実は私自身も現在進行形でうつ病の母をかかえ、自殺未遂に始まり緊急入院そして震災と続き、まさに似たような状況を経験している。だから決して他人ごととは思えない。以前から将来、家族や親の面倒をみる時がくると自覚をしてはいたが、そんな事態が訪れるのはもう少し後だと鷹をくくっていた。思えば母も既に74歳で、私も49歳である。病気や介護など仕事以外の避けて通れぬ問題にいつ直面してもよい年齢になっていた。

 組合が取組む活動領域は、以前にも増して個人生活に関わるテーマへと拡大している。ワークライフバランスの観点から、育児、介護、傷病、福祉、年金など、年代別のシーンで関わりが深い取組み課題も多くある。制度が充実していても、知識や理解不足により制度利用に際しては戸惑う人も多いと思う。実際に制度をどのようなかたちで利用できるかは、個々のシーンにより異なる点があるはずだ。

私の所属するシステム&サポートグループでは、ユニオンページの名前で労働組合のホームページ(HP)を運営するサービスを提供している。既存のご契約先やHP導入を検討している組合役員からは、「HPでどんな情報を提供したら良いか」という相談を持ちかけられることが多い。「組合員の視点で知りたいことの答えやヒントが得られるHPにしてはどうか」とお伝えすることが増えている。

たとえば入院や介護が必要なとき、「必要な休みを取得するには、どんな制度が利用できるのか」といった状況で的確なアドバイスや情報が得られると本当に助かる。何かに困ったとき、「どこに相談すれば良いのか」「自分のケースではどういう制度が利用できるのか」など、そのヒントになるような情報が得られるHPはどうだろうか。直接的な回答が用意できなくとも、回答に導いてくれる情報があれば助かることも多い。
HPで提供する情報も、制作者が組合員の視点に立って、組合事務所へ駆け込む心境を察してみると、意外に喜ばれるコンテンツのヒントが見つかるのかもしれない。