ゆにおん・ネタ帳

ゆにおん・ネタ帳はリニューアルいたしました。

以降の記事は新ページでご覧ください。

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全国3700ほどの労働組合とのお付き合いの中で、記憶に残るエピソードや、これは使えるといったネタをご紹介していくコーナーです。

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2012年

現場役員のモチベーション向上のヒント
三橋 秀郎
2012/12/30
みなさん『豊橋カレーうどん』ってご存知ですか?
豊橋のご当地グルメで、カレーうどんの底にとろろ御飯が入っていると言う一風変わった食べ物です。私も先日、出張で豊橋に行った際に、食してきました。
お味については、一度、ご自身で豊橋に行った際に試してみてください。

この『豊橋カレーうどん』ですが、2009年頃から開発された地域おこしのためのB級グルメでブームになっており、うどん店の売り上げが伸び、町の活性化に効果を上げているとのことです。
このような町おこしの動きは、地域を活性化し、地域経済の発展のためにも重要な取り組みだと思いますが、それ以上に、印象に残ったのは、お店に入って『豊橋カレーうどん』を紹介してくださる店員の方が、イキイキとした表情で親切丁寧に説明してくださったことでした。今回のような地域を盛り上げるような新たな取り組みをしていくことは人のモチベーションまで高めていくようです。

みなさんは、組合活動の活性化のために、新たな取り組みにチャレンジしていますでしょうか?

組合員からの日々の悩みや問題などを解決する活動ももちろん重要ですが、組合活動を提供する現場の組合役員のモチベーションを上げる取組みを行う事がさらに重要ではないでしょうか。
現場の組合役員がイキイキとした表情で、組合活動を行っていることによって、組合員からも『組合って楽しそう!』『一緒にやってみたいな~』という組合への良いイメージを持ってもらうことがまずは先決かと思います。

そのために、現場役員のモチベーションを高める取り組みとして、まずは以下のような事を行っていくことから始めることをオススメします。

・目的を持たせる
 →なぜその活動が必要なのか、何のために行っている活動なのか考えさせる
  ※ビジョンや方針などと、どのように連動性がありブレークダウンされているのか説明するのも良いでしょう。
・自己決定感をもたせる
 →何を行うか自分で活動内容を決めて自分でやらせてみる
  ※定例化した活動だけをさせるのでなく、ビジョンに合致していれば、活動内容を変えてもOKとする。
・承認する
→組合活動で行動・実行した内容を認めてあげる
※結果は出なくとも、その活動に対して努力したプロセスを評価して、言葉に出してほめてあげる。

現場の組合役員のモチベーションを高めるための参考にしていただければと思います。

“対話”こそが労働組合活動の原点である!
丸山 由紀夫
2012/12/23
“対話”こそが労働組合活動の原点である!

先日、ある組合役員から来年度の職場会の実施についてこのような声を聞いた『うちは職場会(職場集会)を月に1回開いているが、来年度以降も開催するか悩んでいます。というのも、職場会を開いても、組合員になかなか参加してもらえない。また、質問を投げかけても、組合員からの意見もほとんど出ない。従って、来年からは職場会をやめて、現場の声をHP等で吸い上げて行く方式に切り替えていくことを考えている』ということだった。

私は労組役員のこのような意見を聞いて、驚きとともに、労組が抱えている根本的な課題がここにあるように感じた。従って今回は、労働組合が担っている“対話”の重要性とその手法について、私の意見を述べることとする。

まず、“対話”の重要性については、労組役員のみならずほとんどの読者の方が重要でありその点について反対される方は僅かだと思う。従って、労組では様々な手法を用いて“対話”を行っているのだが、冒頭に述べた役員の事例においては、この“対話”の重要性についての理解の仕方が問題なのである。つまり、“対話する”と“意見を聞く”という行為が区別されていないのである。“意見”は起こった出来事(現象)について聞く行為であり、“対話”はその現象についてどのように感じているか、その人なりの考え方の根底を支配している思考特性を明らかにし、認識の共有化を行うプロセスである。
以前はどのような職場においても、日常レベルでこの“対話”の行為がなされていたが、今日においては、意図的にこの行為を作り出していかなければならないほど減少してきているのが筆者の実感である。したがって“対話”活動は労働組合の極めて重要な取り組みの一つである。

では、どのようにこの“対話”を本質的な理解において職場で実践していくかだが、巷にはコーチングやアサーション研修等いった、その手の研修は多くあふれており、当社でもいくつか提供している。
しかしながら、組合活動の現場において、その効果をなかなか実感出来ていない役員の声も多く聞くのはなぜか?上記に述べたテクニック論での理解では、各職場で応用出来ないからである。“対話”の本質的な向上を求めるならば、以下の2つの原則をどれだけ意識して実行しくこと、その上でテクニックを応用していくことが問われているのである。10数年労働組合の現場で様々なリーダーと接してきた私なりの経験値から、確信を持って言えることである。

~対話の質を高める2つの原則~
・価値観の相異を受け入れる(相手との考え方が異なるのは当然である)
・そして価値感の相異を前提にした探求の精神を持つ(意見の背景にある考え方や、そこにいたるまでのきっかけや出来事を探求していく姿勢)
上記2つの原則を職場会において、ユニオンリーダーが発する問いに置き換えるならば、『そのように思ったきっかけは何ですか?どのようにしてその意見になったのですか』等である。決して、相手の意見(発言)に自分の意見(考え方)を返すことではないのである。
もし、読書の中で職場会を進行する立場である方がいるならば、是非、上記2つの原則を意識した職場会(職場集会)を試して頂きたい。少なくとも参加者の声が出ないという事態は少なくなるはずである。

筆者も“対話”の向上を高めていくために日夜苦闘している一人である。ただ、私自身の課題は、まずは相手の意見を最後までしっかりと聴くという “忍耐力”ではあるが…。


明るい未来を思い描く
室橋
2012/12/16
 いきなりですが、想像してみてください。
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  目の前に新鮮な黄色いレモンがあります
  そのレモンを2つに切りました
  少し押すと果汁が滴ります
  そのレモンを一口かじります
  ジュワ~ッと、酸っぱい果汁が口の中に広がります
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 ……イメージができましたか。
 口の中が酸っぱくなって、唾液があふれてきましたか。
 レモンをかじっていないのに、イメージしただけで唾液が分泌されます。
 実際にレモンを食べても、イメージの中で食べたとしても、同じ神経回路を通って脳に伝達され、イメージしただけで身体に反応が出るということです。

 上記は、ある労働組合のメンタルヘルス対策で自己カウンセリングをテーマに情宣物をお手伝いしたときの自己カウンセリングする前のイメージトレーニングです。


 私たちは不安や悩みを抱えているときは、悪いことばかりを考えやすくなります。
 悪いイメージをするとネガティブな感情を抱いてしまい、ネガティブな感情で行動もネガティブになってしまいます。
 逆に、良いイメージができるとポジティブな感情を持つことができます。
 閉塞感が漂っている時代だからこそ、意識して明るい未来を思い描くことが必要ではないでしょうか。


  『組合活動で、明るい未来が描けていますか』
  『組合員一人ひとりが明るい未来を描けるような活動をされていますか』


 想像することは創造すること?
 明るい未来を思い描くことは、つくり上げる作業の第一歩かもしれません。

どうしたら組合イベント・レク活動を活性化できるか
松山晃久
2012/12/09
今回は、組合で実施するイベント・レク活動について考えてみたい。

 閉塞感を打開すべく、イベント・レク活動の意義を見直そうという機運の高まりからか、職場で働く組合員に少しでも元気になってもらい、会社に活力を取り戻したいという切なる願いからか、「効果的な組合イベント・レク企画」のワークショップ運営をサポートする機会を数労組で頂いた。

 組合主導のイベント・レク実施の背景や意図には、会社主導の交流イベントの減少(運動会・職場旅行などの一大イベントから日常の職場内の懇親会に至るまで)や職場を超えた従業員同士の交流、コミュニケーションの場に対する要望が高まっていることなどが挙げられる。(コミュニケーション面)
 その他には、職場の生産性を高めるために集団を維持(チームワークを高める)し、組合員の心身の健康づくりに寄与する面(メンタルヘルス面)や、余暇開発支援(ワーク・ライフ・バランス面)、更には職場のまとめ役を担ってもらい、青年女性活動の活性化を通じて、集団づくり・組織づくりを担う、次世代の組合リーダー育成を図るねらいも伺える。(人材育成面)

 レク活動の現状の課題としてどのような声があるか。伺ってみると、「マンネリ化している(前年踏襲型)」、「企画してもなかなか参加してもらえない(参加率が低い、あるいは他の数多のイベントとの差別化が難しい)」などが挙がる。
一方で参加者の満足度はというと、「他部署の人達と話す機会があってよかった」「組合活動を身近に感じた」など、総じて高いことが多い。

 社内イベントに関するモチベーション調査によると、参加したいと思う社内イベントは、「社員同士が交流できる社内イベント」が最も高い結果になっている。イベントの3大効果として、「職場の中でコミュニケーションが増えた」「他の部門と仕事がしやすくなった」「仕事に対するモチベーションが上がった」というデータがある。
(2012年 株式会社JTBモチベーションズ実施調査から引用)

 俯瞰して眺めると、情報・交流ネットワークの拡散・肥大化により、自分たちが求めれば様々な場、コミュニティへの参加・接続が可能な状況でありながら、一方で接触頻度が高いはずの、自分が帰属する身近な職場や会社組織の仲間との交流を渇望している構図が照らし出される。(組合員の中で、実際の対人的な距離感覚と心理的・心情的な距離感覚が接近したリ、離れたり、遠ざかったり・・・)

以下にイベント・レク企画策定の方法を一部記載する。

まず手順として、過去に行った組合イベントの成功要因・失敗要因を整理しておくことが大切である。
次に3つのポイントを明確化する。

ポイント①戦略を策定しよう 
(組合のビジョン・活動方針に基づき)、活動コンセプトと期待効果(ゴールイメージ)を明確にする
誰に(組合員、新入組合員、パート社員、家族、女性、年代・・・)何を目指す(チームワーク、協働関係・・・)
どのように(競技性、会食形式、自然とのふれあい・・・)
ポイント②目標を設定しよう (参加者数、親睦の度合い・・・)
ポイント③戦術を策定しよう 具体的に
時期・場所・主体・対象・内容・理由・方法・予算・期限

 更に企画する側の会議を活性化させるには、場づくり(リラックスした雰囲気で進める)及びどのようにアイディアを出すかが重要な鍵である。
企画するメンバーが何より楽しんで計画に参加したほうがよりフラッシュアイディア(思いつきのアイディア)も生まれ独創的なレク・イベント企画も生まれるはずだ。
 そうしてアイディアがまとまったら、一度組合員の立場(参加する側の立場)に立って、参加したくなる広告・チラシづくりにも知恵を絞る必要である。折角、参加者に満足してもらえそうな企画ができあがっても、案内する中身・方法によって組合員の反応が変わってくる。

 実施するテーマ、規模は何であれ、このように一連のイベント・レク企画活動を通じて、関わる組織や人々(企業・組合・組合員・組合役員・地域など)を一歩前に押し出す歯車のような効果をもたらすことが期待できる。

 イベント・レク活動の進め方に悩みを抱えている組合の役員の方はご一報下さい。
ご機嫌な職場づくりのお手伝い(ご機嫌な職場づくり運動)、他にどのような活動と連動させるか(組合ビジョン・活動方針の浸透)、効果的な宣伝物の作成(情宣活動)、組合活動(イベント・レク活動)へのニーズ集約(調査活動)、若手組合役員の育成(人材育成活動)など様々な角度から具体的にご支援します。

調査結果にみる目標管理制度の現在
依藤 聡
2012/12/02
~人事制度の課題や現状を把握するためのアンケート~

現在多くの企業で目標管理・人事考課制度が導入されています。
しかし、その一方で多くの課題を抱えていることも事実です。本稿では、弊社で行った調査結果から出てきた具体的な課題を説明し、
目標管理制度の現状を把握していきたいと思います。

弊社で行っている目標管理に関するアンケートには、
①面談の実施状況やその時間といった実態を問うアンケート、
②人事制度満足度に至るまでのプロセスを明確にする(=因果関係を明確にする)アンケートの2種類のアンケートがあります。
本稿では②の意識を問うアンケートの結果について言及します。

~人事制度に対する中途半端な理解度~

②のアンケートで人事制度の理解度を問うた場合に、最も多い回答パターンは以下の通りです。
1.人に説明できる⇒5%、2.質問されたことに対して答えられる⇒25%
3.全体像は理解しているが、詳細は分からない⇒50%、4.一部分しか分からない15%、
5.全く分からない5%
つまり、組合員の約半数が「中途半端な理解度」という状況です。

人事制度満足度に影響を与えているものは?
制度の理解度と人事制度の満足度との関係を調べると、因果関係が弱い傾向にあります。
つまり、人事制度を理解することでその制度の満足度が上がりにくいということです。
では、どういったことが制度の満足度に影響を与えているかというと、上司との関係や外的報酬(給与や地位・肩書)といったことが
影響を強めていることがよくみられます。

ここには2つの問題が含まれています。

1つ目は、制度の満足度が上司次第であることです。
2つ目は、外的報酬の影響は強いが内的報酬(=働きがい)の影響が弱いことです。

~制度理解度と人事制度満足度との関係~

制度の満足度が上司次第となっていることですが、当然ではありますが組合員と上司との関係は非常に重要です。
弊社の行なっている別のアンケートでも上司との関係は多くの組合で最重要課題として挙げられています。
ただし、制度の内容を理解していなくても上司との関係によって満足度が左右されることは人事制度としては意味のないことです。
加えて、人事制度の課題では「考課者の考課があいまい」「考課者によって評価が左右される」といった上司に関わる課題が頻出しています。
こういった時に上司任せになっていると、制度の理解が中途半端である被考課者は具体的な対応ができなくなってしまいます。
そして、自分の理解不足を棚に上げて制度の不備を追及することになるわけです。

~報酬と人事制度満足度との関係~

一般的に目標管理制度を導入する目的は、明確な目標を主体的に設定し、それを達成しようとすることで仕事に対する動機付けや満足度
(≒内的報酬)を高め、結果として高い成果を挙げる(≒外的報酬)こととされています。
しかしながら、既にお話ししたように外的報酬と人事制度満足度との関係は強いものの、内的報酬とは低くなっています。
つまり、多くの組合員は制度の根本的な考えを理解していないことが考えられます。

以上を、「人事制度の現状」であると考えれば、やはり、「制度理解の推進」は重要です。
しかし、進め方について十分検討する必要があると言えます。

自分で自分をほめる方法
小林 薫
2012/11/25
先日、企業の中間決算が発表され、大手電機メーカーの非常に厳しい状況が話題になりました。技術の汎用化が急速に進み、ライバルとの競争のなかで、日本の企業が優位性を保てなくなっています。

頑張っても頑張っても成果が出ない悪循環に陥ってしまうと、職場の雰囲気が次第にギスギスしてきます。上司がハッパをかけても、組合員はあきらめムードや経営陣への批判といった冷めた目で会社を見ているのではないでしょうか。
さらに、上司を含めて働いている人々は自分の仕事に一生懸命になるあまり、他の仲間を認めたり、配慮する余裕が失われています。

私たちには「誰かに認められたい、承認されたい」という欲求があります。仮に職場の雰囲気を改善するために他者を認めてあげたいと思っても、自分にも余裕がなければ、他者への承認は後回しになるでしょう。

手軽に自分の承認欲求を満たす方法はないのでしょうか。最近、大分のソフトメーカーが開発した「ほめられサロン」というホームページがあります。自分のプロフィールを入力すると画面上に褒め言葉が次々と表示されます。寂しい奴と思うなかれ。百聞は一見に如かず。顔がにやけて、元気が出てきます。元気を取り戻したら、次はみなさんが職場の仲間をほめてあげてください。

組合活動と個人情報保護
渡邉 秀一
2012/11/18
 「名簿」「調査」「データーベース」「情宣物」これらは組合活動の中では、普通に発生
する事柄です。
 イベントやセミナーへの参加者の名簿、賃金などの実態調査や意識調査、組合員のデータ
ベース化、顔写真と氏名の載った議案書や機関紙などなど、上げ連ねていけばきりがないほ
どです。
 これらのほとんどに、「個人情報」が存在します。個人情報の定義としては、「氏名+何
らかの情報」となっています。例えば「j.union株式会社勤務の渡邉秀一」で立派な
「個人情報」になります。また、メールアドレスだけでも「氏名@企業名.com」などは微妙
ですが個人情報になりえます。

 私たちの日々の生活の中でも、意識せずに多くの個人情報を外に出しています。
 朝、通勤電車に乗るために自動改札を定期券で通ります。この段階で、どの定期券がどの
駅から入ったとなり、定期券の持ち主を照会すれば、「渡邉秀一が11月16日の午前7:32
に新宿駅を出た」となり、さらには定期券購入の際に記入した住所や連絡先、年齢、性別も
明らかになります。
 会社でセキュリティーカードを通せば、「渡邉秀一が3月23日午前8:04に会社に到着した」
事が明らかになります。
 パソコンを起動すればメールやインターネットなどで、その行動も明らかになるわけです。
 クレジットカードを使ってネットショッピングをすれば、どこで何を買ったのか記録され
 るわけです。
 ソーシャルネットワークサービスにアップした画像に、位置情報や時間などのデータが含
まれていることもあります。
 直接的な情報だけではなく、何かと照会、照合することによって特定できる情報も個人情
報です。(音声や画像なども含まれます)

 普段の生活の中でも個人情報がどんどん発生していますので、前述の組合活動の中でも、
当然のことではありますが、より具体的な個人情報が表に出ているのです。
 それが嫌だからといって、組合活動に参加しないという短絡的な考えの方はあまりいない
と思いますが、表に出した個人情報が、どのように扱われているかということは大きな問題
なのです。
 弊社でも、皆様からお預かりした大切な情報を、その利用目的や安全管理、情報開示など
を含め、安心してご利用いただけるように、2005年より個人情報保護のガイドラインを定め、
更新を行ない、プライバシーマークも取得し、本年度から本格運用を開始しております。

 今後、労働組合としてプライバシーマークを取得しようという動きも多くなってくると思
われます。
 実際にどのくらいのお金がかかるの?期間は?メリットは?デメリットは?など疑問な点
にお答えできるような体制を整えて参りたいと思います。



マラソンとビジョンとワークハード
佐々木 務
2012/11/11
私事ですが、ここのところ趣味でランニングを続けています。
先日、とうとう初のフルマラソン完走を果たすことができました。

ランニングをしていると、いかに日々のトレーニングの積み重ねが結果に結びついてくるかが実感できます。
大体レースの結果はスタートラインに立った時には8割方決まっているものです。
いくら当日だけ頑張ってみても無駄なばかりか、自分の実力に見合わない頑張りが、思わぬケガや後半の失速など
かえって良くない結果を生んでしまう事もあります。

一方で、目標を持ってトレーニングに取り組むこと、レースの目標タイムから逆算して考えるペース配分など
戦略をしっかり持つことも非常に重要になってきます。
今日はスピードトレーニングをしよう、スタミナトレーニングをしよう、目標ペースを身体で覚えよう・・・。
目標を持つことでランニングを続けるモチベーションを保てますし、トレーニング内容もメリハリがつき、
その効果も大きくなります。

先日ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授もマラソンが趣味なようで、今月の大阪マラソンは忙しくて練習不足のため
出場を断念されたらしいのですが、事あるごとに研究や人生をマラソンに例えたコメントをされています。

その山中教授が米国留学した時に習った一番大切なことは、「ビジョンとワークハード」だそうです。
つまり目標をはっきり持ち、一生懸命やることですが、これが当たり前のようで難しい。
日本人は勤勉なので一生懸命働くことは得意ですが、ビジョンがなければ無駄な努力になってしまう。

山中教授も当時、ワークハードでは誰にも負けない自信があったそうですが、気が付くと長期的なビジョンを
見失っている自分に気が付いたそうで、恩師からこの「ビジョンとワークハード」の大切さを教わったそうです。
以来、5年10年単位のビジョンを持つことを忘れないようにしているとか。

何事も同じ事がいえますが、ビジネスにおいても普段どれだけ目標意識を持って仕事に取り組んでいるか、
同時に普段どれだけコツコツと一生懸命に仕事を進めているか、いざという時にその結果が問われる事になります。
夢ばかりを語り、日々の地道な努力を怠る人。いつも一生懸命だけれども、努力の方向が間違っている人。
「ビジョンとワークハード」どちらかが欠けている人には成功はなかなか訪れないものです。

私の初のフルマラソンの結果は成功だったかというと、少しビジョンがあいまいだったため、
後半のペース配分が思ったようにはいかず、成功半分、失敗半分というところでしょうか。
まだまだ「ビジョンとワークハード」が足りないようです。

「成長する他ない」との覚悟
小野 晋
2012/11/05
~「成長する他ない」との覚悟~

■成長が必要
 組織における成果の分配や維持・拡大について、若い方に説明するときの例え話しを今回ご紹介します。
ある100人の村で作物を作って、出来上がった100の作物を皆で分け合って食べているとします。
村では1人あたりの量が不足していて空腹のため分け前を増やしたい場合には、単純に100人で100を超える作物を作れるようにすることがリーダーの鉄則です。

A.配分方法だけで解決しようとするのは間違い

たとえば同じ100の作物作りを目標にして、他人の分をもっと自分によこせというふうな分配方法だけに着目してしまうと、仲間同士の争いとなり組織としてうまくいかなくなります。

もちろん貢献に応じて、皆が納得のいく分配方法を確立していくことは必要ですが、パイの拡大なしに誰もが納得のいく完璧な分配方式などありません。

自分のことは全て把握している一方で、周りの人のことはごく一部しか把握していないために、自己評価は高くなってしまいます。
そのため、適正で公正な分配が行われた場合であっても、全員が納得するものとはならないのです。

B.人数を減らして解決しようとするのは危険

また100人という村人の数を減らすことで、1人あたりの取り分を増やそうとする考えはとても危険です。
誰かにいなくなってもらわないといけないわけで、疑心暗鬼になり争いになります。

短期的に、1人あたりの配分が上がったとしても、1人あたりの生産量を増やさずに、分配して得る量を毎年増やそうとすれば、毎年収穫後に人を減らしていかない限り、1人あたりの分け前は増えません。

そして、人がどんどん減っていけば、いつしか1人になってしまいます。
そもそも一定の人数が減った時点で、生産量の100を維持することすらできなくなるはずです。

従って、この手法はあくまでも非常事態で、どうしても他に手がない場合にのみ使う非常手段でしょう。

C.知恵と挑戦と地道な改善によって、生産量を100超に増やしていくしかありません

100人で110の作物を作れるように、つまり生産性を高めていく他に、1人あたりの報酬を高めるすべはないと、村人は考えておいた方がよいのです。

前回の収穫目標がやっとのことで達成した目標値で、同じ収穫を来年もできるとは思えないとしても、あきらめてはいけません。

とても無理だと思えるような高い目標に挑み達成する過程で、必ず成長やイノベーションがあります。
従って、村人も今のあなたも、前回以上の生産性が身についているはずなのです。

もっと、厳しい言い方をすれば、毎回生産性を高めていくような成長を必ず遂げなければならないという固い信念と覚悟を持っていなければなりません(甘えは許されないのです)。

それ以外には、前述のAやBの手法をとることになり、組織崩壊の危機となってしまうのです。

「成長する他ない」 「生産性を日々高めていく他ない」
そうした覚悟が村人全員に必要なのです。

■毎年安定した報酬を得るには、組織的な成長が必要

一方で、人には好調な時もあれば不調な時もあり、1人ではとても不安定です。
そこで人は、お互いの好不調・長所短所をカバーしあい、支え合い組織的に安定させるために組織を形成します。
組織の仲間と知恵を出し合い、切磋琢磨し長所を生かしあうことで、組織としても成長を遂げて1+1が2超となる成果と報酬を生むことを村人に自覚させましょう。
 そして組織の拡大が個人の豊かさを生むようにするのです。

一、成長する他はないとの覚悟が必要。
一、互いに支え合い、長所を伸ばし、短所をカバーする。
一、個の成長と組織の成長で自分と仲間を共に守る。

そういう覚悟が必要なのです。

そして、その覚悟をメンバーが強く持つように、リーダーは諭していくことが、求められるのです。
以上 何かのネタになれば幸いです。

変化対応力
伊東
2012/10/28
最近、非常に厳しい状況下での活動に苦慮されているというお話を聞くことがよくあります。

「経営から賃下げや定昇・昇格凍結の通告があった」という場合もありますし、
「会社の事業再編や組織統合に伴って、事業所が移転・閉鎖してしまう」という場合もあります。

円高、高い法人税、貿易自由化への対応の遅れ、厳しい労働規制、温室効果ガスの抑制、電力不足といった
いわゆる6重苦の解消について将来の見通しもなかなか立たず、まだまだ全体的に厳しい状況であると
言わざるをえません。

そんな中、とある役員の方と以下のような話を聞かせていただきました。
非常に感銘を受けましたので、こちらに記載します。

「環境の変化に対して前向きに捉えよう」という主旨です。

・危機的状況(企業であれば著しい業績悪化、職場であれば長時間労働の蔓延など)が起きたときは、
 「働き方や仕組みを変えることで新たな成長ができる、大きなチャンスを迎えている」と捉える。

・陳腐化した業務慣行がないか、必要以上にコストがかかっている仕事はないか、
 これまでの進め方や思考方法を徹底的に見直し、会社に改善提案することができる良い機会である。

・綺麗ごとでは済まない場合もあり「起きてしまったことは取り返しがつかない」と気持ちの整理をつけるのに
 時間がかかることもある。その場合は「それでも前へ進むしかない」という意欲が湧くまで、これまでの自分や
 組織について振り返ろう。


組合活動でも仕事でも、既存の事柄も継続していければ良いのですが、
もし環境が許してくれない状況がやってきたら、変化を受け入れる精神が必要になります。

さらに、これは変化ではなくむしろ「進化」であるとと前向きに捉えることができれば、
どこでも、誰からでも学び続けることができるでしょう。


「真の失敗とは、困難に挑戦する事に、無縁のところにいる者たちのことをいうのだ」
という名言もあるほどです。何かの参考になれば幸いです。