ゆにおん・ネタ帳

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2016年

ワークショップが職場集会の場を変える
加藤瞳
2016/07/31

今、組合員の価値観やニーズは実に多様です。また職場の課題も多種多様で、さらに複雑に絡み合っています。そんな時代で「正解」が出しづらいからこそ、組合員同士の対話を通じた「納得解」を得るプロセスとなるワークショップがこれからの職場集会を変えていく鍵となると考えます。

まず、みなさんが労働組合の役員になったきっかけは様々だと思います。しかし、多くの場合はなりたくてなったわけではないというのが本音ではないでしょうか。今の仕事以外に組合活動といった仕事が増えることを理解したうえで組合役員に自らなる、その苦労人役を買って出る人はなかなかいないと思います。それでも、「職場が困っているから」「他に人がいなくて助けてほしい」「みんなのために頑張ってほしい」と頼まれ、職場のためにと決断されてやっているのだと思います。

職場のためにと思ってやっているのにも関わらず、職場集会を開くと組合員の興味関心は低く、無関心だったり、嫌々参加している様子だったり、文句を言ってきたり、時には辛辣な言葉を言われることもあったのではないでしょうか。今までは組合役員が悪者になり、会社には言えないような不平不満を組合員からぶつけられることも少なくはなかったかと思います。

ある組合役員の方が、職場集会の場が本当につらくて役員を降りたいと話されていたのがどうしても頭から離れず、なんとか変えられないかと思い、今、ワークショップデザイナー養成講座という研修に通っています。

実は私も職場集会でつらい経験をしたことがあります。数年前になりますが、弊社で組合の委員長をしていた頃、職場集会の場が紛糾し涙を流してしまったのです。会社で辛くて涙を流したことは後にも先にもその時だけだったので、今も時々思い出します…。

本当は職場集会の場を情報伝達の場だけにせず、組合員の声を聴き職場の課題を把握して解決策まで組合員と考える場にしたいと思っている組織は多いのではないでしょうか。

職場集会の場が変われば、組合員がお客様感覚ではなく当事者意識を持って職場の課題を捉えることにつながると考えます。そうすることで、組合員の職場集会での発言内容や姿勢が変わり、結果、会社組織が良くなるのではないでしょうか。

そこで今までの職場集会のやり方だけではなく、ワークショップという関わりをすることにより、組合員に当事者意識が芽生え「自分たちの職場は会社や組合が良くしてくれるもの」という他人任せの姿勢から「自分たちの職場は自分たちで良くしていこう」という姿勢になると考えています。

例えば、女性の活躍推進というテーマで考えてみましょう。女性が産休・育休を取っても復帰できる制度はあるものの「働きづらい」という声は職場から挙がってきます。制度があるから守られているわけではなく、問題は実に様々で複雑に絡み合っています。また育休中の女性、同じ職場の女性、同じ職場の男性、上司といった立場によっても感じる問題は異なります。そういった中で「働きづらさ」を解消する対策として「正解」が出しづらい職場課題を労働組合は取り扱っています。その解決策を組合役員にゆだねられてきたのが今までの職場集会だったとしたら、そこで働く組合員が自分たちで「納得解」を得られるようになるのがワークショップ型の職場集会の最大の良さだと思います。 

「正解」が出しづらい職場課題が多い今、組合員同士の対話を通じた「納得解」を得るプロセスがこれからの職場集会を変えていく鍵となると考えています。

組合役員の方と職場集会について語り合い、ともに悩みながら少しずつ変化を起こしていきたいと思っていますので、またみなさと一緒にお話しできることを楽しみにしています。

ワクワク・ドキドキした話題「人工知能」
細越 徹夫
2016/07/24
 みなさん、最近ワクワク、ドキドキそんな体験をしてるだろうか。
私が関わっている職場づくり運動では、集団としての感情を改善するアプロー
チを活動で実践してるが、このワクワク、ドキドキという感情をとても大切に
している。
感情の種類としては、このような感情を高揚感と言っている。
高揚感は、安心感をベースとして成り立つ感情だが、前向きにそして自分から
興味をもって取り組むための大切な原動力になる。近頃この高揚感がなくなり
かけている自分を感じ、「こりゃまずい」と思っていたところ、最近それが見
つかった。それをご紹介したい。

アーサーCクラークの小説「2001年宇宙の旅」(1968年)をご存じだろうか。
すでに小説が発表されてから50年近くが経過している不朽の名作だ。
実際には、小説よりもスタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」
の映画を見て知っているという方も多いと思う。実は私もその口である。
映画はその後、何度も放映されイントロで流れるテーマ曲とともにとても印象
深く私も大好きな映画の一つである。

確か小学生の4・5年生のころ、両親と一緒に市街の映画館の前を通ったとき、
大きなドーナツ状の宇宙ステーションがオブジェとして飾られていたのが、
あまりにも印象深く、いまだにその時の情景とともに記憶に残っている。
この映画、SFではあるものの、一方で人間という種の進化を踏まえつつ、未来
の人間像や人とは?などという哲学的なところがある。種の進化に影響を与え
るモノリスが出てくるかと思えば、人工知能を搭載したコンピュータHAL9000
が登場する。

初めてこの映画を見たとき、冒頭の単調な原始時代の風景シーンに違和感を感
じた。PRポスターに印刷されていた宇宙ステーションのイメージからは、ス
ターウォーズやスタートレックのようなアクションもののSFを想像していた
が、なぜか猿(類人猿)が群れて生活している単調なシーンから始まり、この
シーンが長く期待外れの映画なのかと思ってしまった。しばらくすると、突然、
猿の群れの中にモノリス(石の板)が現れ、猿たちが騒ぎだすシーンになる。

そしてシーンは、一匹の猿が動物の骨塚に迷い込んで、骨で遊んでいるシーン
を映し出す。猿はたまたま骨で頭蓋骨をたたく。すると頭蓋骨が割れる。猿は
何度も何度もそれを繰り返す。そして次の瞬間、道具を使うことで自分よりも
強いものに対抗することができることを会得したような瞬間の描写が流れる。
猿から人間に進化した瞬間を象徴的に描いている。このシーンを見るたびに、
決定的な進化が起こるのは徐々にではなく、劇的に、そして瞬間的なことなの
かもしれないと思ってしまう。その後、場面は一気に未来へ切り替わり、宇宙
ステーションの映像になる。そして、宇宙ステーションから飛び立った飛行船
に乗って航行するなかで、人工知能を搭載したHAL9000が登場する。

ここ最近、コンピュータ科学や脳神経科学の世界では、にわかに2つのキー
ワードに関心が集まっている。「人工知能」(AI)と「シンギュラリティ」
(技術的特異点)に関する事である。「シンギュラリティ」は、2045年問題と
も言われる議論のキーワードだが、人工知能が人間の能力を超える転換点のこ
とを指す。人工知能が人間の能力を超えると、つまりコンピュータが「独自に
思考し、判断し、直感を働かせること」ができるようになれば、その時点から
ものすごい速さで社会全体が進化を遂げるだろうと考えられている。したがっ
て、シンギュラリティが起こった前後では、劇的に既存の概念がひっくり返り、
爆発的な速さで世の中が変わってしまう。まさにSFとしか思えないような状況
が起こるかもしれない。「かもしれない」なのだが、それが、まんざら夢物語
でもなさそうなのである。

5/15に放送されたNHKスペシャル「天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る」
の特集は、まさに夢物語から現実味のある話題として驚きだった。「そう遠く
ない未来に人工知能ができるのかもしれない」といった驚きと期待、そして人
工知能がもたらすインパクトの深さが収録されていた。
番組では、プロ棋士の羽生善治が人工知能の研究開発をしている最前線の現場
を訪問し、現地インタビューを交えながら「人間にしかできないことって、い
ったい何なんだろう」という知性への探求をするというドキュメンタリーにな
っている。
番組は、韓国のリ・セドル九段が、ディープマインド社の開発した人工知能「
ディープラーニング」を使って造られた「アルファ碁」に通算成績1勝4敗で大
敗した試合の模様から始まる。
その後、グーグル社傘下のディープマインド社の本社があるイギリス、シンガ
ポール、中国と各国の人工知能研究の最前線をめぐる。そして、日本の人工知
能研究の最前線も取り上げられていた。各企業では独自の人工知能開発の競争
が繰り広げられているが、
まだ、科学者が最終目標とする人工知能は完成していないし、いつ完成するか
も予想は難しい。最大の課題は、人間にしかないと言われている「創造性や直
感」といった「理屈抜き」で結論を導く「感情」の仕組みの解明である。

ところで、人工知能の身近な活用現状に目を向けると、ネットショッピングを
はじめとするネットワークサービスへの活用例がある。例えばアマゾンで書籍
などを購入される方も多いと思うが、最近では書籍だけでなくありとあらゆる
商品の購入が可能である。購入経験のある人が、アマゾンにログインすると、
過去に購入したり検索したりしたその人の関心ごとに関連した商品がバナー広
告などで表示される。購入回数や購入する商品の分野が広ければ広いほど、そ
の人の興味をそそる商品広告が表示される。これこそ、進化中の人工知能の活
用例である。アマゾンのサイトの中で、自分の興味や関心に基づいて利用すれ
ばするほど、その人の指向する情報が掲載される。アマゾンのサイトを構成す
るプログラムに組込まれた人工知能が学習しているわけだ。

また、独立したロボット型の人工知能というものもある。スターウォーズに登
場するC-3POのような人間型ロボットがその代表格だが、アシモフやペッパー
といった独立系ロボットも実際に販売されている。我が家にも、ちょっとした
人工知能搭載のロボットがいる。S社から発売されている「ココ○ボ」くんと
いうロボット掃除機である。部屋の間取りや障害物などを記憶し、使うほどに
掃除がうまくなっていく。また本来の掃除機能だけでなく、人間とのコミュニ
ケーションを図る「おしゃべり機能」も搭載している。とうてい本来の人工知
能とまではいかないが、音声認識エンジンを搭載し、「おはよう!」といえば
「おはよう!」と返してくれる。「きれいにして」といえば、「了解!」と応
え掃除を始める。掃除中も、「あー忙しい、忙しい」としゃべったり、突然話
し始めたりもする。そんなココ○ボを面白がって家内は、楽しそうに利用して
いる。

人工知能をSFの世界、最先端の現場、日常生活とでそれぞれ人工知能について
取り上げてみた。先の番組中でも、医療現場での診断や自動車の自動運転、S
NSでのサービスなどで、人工知能を採り入れる可能性は極めて高い。そして
一般的な日常生活の中でロボットが活躍する日もそう遠くはないだろう。もし、
人工知能が完成し、その後シンギュラリティが起ったとして、危惧されている
問題は本当に起こるのだろうか。
願わくば、人工知能の完成形が、人の心を察して、気遣い、ねぎらう、そんな
人間のよい感情を基軸にしたものになればと願うばかりである。

さて、この社会には数限りなく正解のない、解明できていない「なぜ」がある。
「なぜ、人間は生まれて死ぬのか」「なぜ、負けるとわかっていても戦うのか

「なぜ、男・女が存在するのか」「なぜ、発展し続けるのか」
「生命の根源はどこにあるのか」
いずれも正解がない問題ばかりである。また、それほどまでに究極の問題では
ないけれど正解のない問題というのは、社会の中で常に付きまとう。
また、組織や人と人の関係にもこうしたら正解といった問題ばかりではない。
もし人工知能が完成したなら、その人工知能に質問してみたい「なぜ?」を。
どんな答えを返してくれるのだろうか。

到底、私の生きている間には無理だろうと思っていた遠い遠い未来の話が、も
しかすると自分が生きている間に体験できるのかもしれない。
そんな人工知能が実現した社会を怖い・恐ろしいという思いもあるが、そんな
社会を体験してみたいという気持ちが勝ってきている。
まさにワクワク、ドキドキそんな気持ちが、自分の中で大きな活力を生み出し
始めている。


組合活動が効果を発揮しない原因とは?
渡邊祐
2016/07/17
 日々、様々な組合様から活動に関するお悩みを聴く機会がありますが、「どうすればもっと組合員に伝わるのか?」というお悩みは、課題の大小に違いはあれど、どの組合様でも一様に抱えているように思います。

 組合員に伝えるための手段方法には、直接的なものと間接的なものがあります。
 直接的なコミュニケーションとしては、日常の声掛け・世話役活動や職場集会などの場で、声を聴き、想いを伝えることが一般的かと思います。また、間接的なコミュニケーションとしてイメージするのが、広報活動になるでしょう。いずれも組合活動においてはとても重要な取り組みであり、行っていない組合様はまずないと思います。
 しかし、取り組みの頻度と深度における差が「組合不理解」「方針不明瞭」「活動不認知」につながり、活動への参加率に影響を与えます。どうしたら、正しく組合の魅力が伝わり、参加したくなる組合に変われるのか? 組合員の「組合や組合活動に対する認知度のレベル」を正しく把握し、そのレベルにあったアクションプランの立案を意識されてみてはいかがでしょうか。

  知る:見てもらう、印象に残る
 ② 分かる:読む、聞く、触れる、理解する
 ③ 興味がわく:ワクワクする、有益そうだと感じる
 ④ 参加する:発見、感動、連帯などを実感する
 ⑤ 拡げている:仲間への働きかけ、輪を拡げている
 
 例えば、労働組合のことをよく知らない組合員に対して、活動内容の詳細を説明して分かってもらおうとしたり、直接的なメリットを伝えて興味関心を惹こうとしても、その多くが伝わらないままに終わってしまいます。当然、活動に巻き込む=参加率を上げることも難しいでしょう。組合員が主体的に活動参画し、さらにその輪を拡げる行動段階まで引き上げるためにも、正しい実態把握と段階に合わせた取り組みの選択が大切だと考えます。

 近年、労働組合が発刊する各種広報物のレベルは、10年前のそれに比べ格段にデザイン性が向上し、パッと見では労働組合の広報物とは思えないような素晴らしいものになってきています。また、組織が目指す方向性も皆が共感し、憧れるようなものになってきたと感じます。
 しかし、どんなに崇高なビジョンを掲げ、素晴らしい取り組みを行っていたとしても、それ自体が組合員に認知され、共感されていなければ、一人ひとりの行動に結び付くことはありません。組合員の実態を正しく把握し、現状の活動を棚卸して、ミスマッチが起きていないかを明らかにすることで、実効性ある活動の選択と実践につながるかと思います。
組合活動で楽しさを感じること
池上 元規
2016/07/10
今の時期、多くの組合で期が変わり新な期に向けての方針の策定、予算決めとあわただしい。
特に次期の役員の選出に毎期のことだが苦労している。

先日、電設関連労組で、毎年断ち切れる活動を継承したいとの要望を受け、 職場に近い次期役員の育成と、
現役と新任の役員が顔を合わせての引継ぎセミナーを実施した。
前半に現役の役員からこれまでの活動の振り返り(成果と課題)を実施。 そのなかでも特に
「活動を通じてうれしかった、楽しかったこと」を振り返ると、 みなさん楽しそうに話をする。
「いままで参加率が低かったイベントに今まで以上に参加してくれた」
「組合員アンケートなど、組合員の提出物はすべて100%期日まで執行部に提出できた」
「いろんな人と話ができて、人とのつながりができ、組合員から声を掛けてもらえるようになった」 等が挙がっていた。
このような思いや感情は、場をセッティングして一度立ち止まり、自分で語ることで、 役員個人の組合活動への成果を実感できる。
終わって初めて感じることかもしれないが 「やってよかった、楽しかった」との感情に気付く。 
振り返りは人材育成に欠かせないと改めて感じた。
後半は来期に向けて、現役役員が次期役員に自分が取り組んで成功(工夫)した点、
できなかった点(課題が残ること)など伝達する。この労組では特に職場集会に力を入れて活動を行っていた。
なかでも、メールで案内するしか現実てきな手段がない中
「自分の思いや参加して欲しい気持ちを自分の言葉で書くと意外と参加してくれんだよ」等の意見が挙がり、 多数の知恵の共有ができた。
不安でいっぱいだった次期役員は「視界が開けた」とのコメントが出ていた。
中には「私は退任するが必ずフォローするし、困ったことは何でも言って」 と一生懸命に支援の約束をする現役役員もいて、
次期役員の不安を解消させていたシーンは印象的だった。
そして最後に継続役員と次期役員が一緒に、来期の取り組み目標を立て、共有して終わる。

このように節目に活動を振り返り、思いや知恵を引継ぎ、新たな目標設定する取り組みは人の育成には欠かせない。

北海道大学大学院 経済学研究科 松尾 睦 教授は「育て上手のマネージャーの指導法」として、
「経験から学ぶ力のモデル」を提唱している。下記の①から③のサイクルを回すこと。

①リフレクション(振り返る力)・・・内省の促進
②エンジョイメント(楽しむ力)・・・ポジティブフィードバック
③ストレッチ(挑戦する力)・・・目標のストレッチ

さらに「3つの力」を支える原動力が「思い」で、
それを励まし頑張ろうと思うきっかけを与えてくれる人との「つながり」が思いを支えると言っている。

労働組合では「思い」の継承・醸成が最初に必要だ。
よくあるパターンで「はい!来期からあなたが職場委員だから。
毎月会議に参加すれば大丈夫。手当ももらえるからね」と引き継ぐと、新任の人は不安や不満の気持ちでスタートする。
しかし、今回の事例のように思いや知恵を共有し役割を理解してからスタートすることで、「思い」をつくることができる。
その次に②の「楽しむ力」が組合活動で不足していると感じる。組合は「つながり」を持てる組織のため、
事例のように振り返りで“ポジティブ感情”を仲間と共有することや、
日常から本部執行部、支部三役からの励ましや承認(ポジティブフィードバック)が現場役員の「楽しむ力」を引き出すことに繋がる。

私はこれからも「仲間と一緒に組合活動を楽しみながら、人と組織が成長をできる」活動の支援をしていきたい。
知識・知恵共有と創造の場
清水 典明
2016/06/26
先日、ある労働組合で新入組合員研修の講師の依頼をいただき、進行をいたしました。
毎年実施をしている研修とのことですが、本年度は楽しく・盛り上げたいというご要望により、弊社で開発しましたライフデザインが楽しく学べるボードゲームを使ったセミナーを採用いただきました。
グループのメンバーが同じ町に住む仲間という設定で、協力しながらゴールを目指すゲームで、「心」「体」「お金」の人生で大切な3つの要素のバランスを考えながら、人生を考えていくという研修です。グループ内で順番に3つの要素に沿った質問カードに答えながら進めていくという進行で、色々な意見を聞きながら、知識や知恵の共有をして、今後の自分自身のライフデザインに役立てていくという内容です。
ゲームの中ではハプニングがあったりで非常に盛り上がる中、グループに組合役員が1人入って参加していることで、お互いに大きな気付きや効果があると感じました。
・新入組合員は同世代以外の人生の先輩の知識や知恵を学べる
・組合役員は新入組合員世代の価値観や考え方を知り、今後の組合活動に活かせる
新入組合員にとっては同じグループだった組合役員との関係性は深まり、今後の活動関与にも良い影響があることは間違い無いと感じました。
世代や業務を超えた知識・知恵共有と創造の場は、組合だからこそできる取り組みであることを改めて実感しました。

組織内と同様に、これからの活動の方向性や活性化を検討するうえで、労組間の組合役員の知識・知恵共有と創造の場は有効だと考えます。
様々な産業の労働組合とお付き合いのあるj.unionの強みを活かした企画を、弊社福岡支店で始めています。
2014年11月より各回テーマを設けて開催しております「9shu Union Project」で、新しい企画を立ち上げました。
水曜日の就業後に、気軽にセミナールームに立ち寄っていただき、日頃感じている課題や悩みを語り合える場、9up『粋酔会(すいようかい)』。ドリンク、おつまみ(乾き物程度)準備しています。他労組組合役員や弊社スタッフとの情報交換にぜひお立ち寄りください(詳細は以下ページをご覧ください)。

https://j-union.com/-/9up/nlog/viewer/view.php?ID=1384&CID=8751&AID=91330
まず地元から「さすが」と言われる人づくり
荏本
2016/07/03

一般的に企業が自社のイメージを高めるためのプロモーション方法としては、テレビCM、WEBや紙媒体への広告、
展示会出展、販促イベント、SNSと連動したキャンペーンなどが考えられます。

ある製造業企業では、上記施策以外に、自社のブランド価値向上の一環とした社員育成に注力しています。
「私たちの会社があるのは、地域の支えがあってこそ」という考えのもと、
「社員は常に自社の看板を背負っている」と意識した行動を促しているのが特徴的です。

この取り組みは労働組合も積極的に支援しています。具体的には、

「職場でしっかりあいさつができているか、返しているか」
「共有施設(トイレや食堂など)は、後から使用する人のことを考えた使い方をしているか」
「公共の路上での喫煙、路上ポイ捨てはしていないか」
「会社のゴミを、駅や街に設置されているゴミ箱に無造作に捨てていないか」
「電車やバスの乗降者マナーは守れているか」

といった訴求内容について、目を引くイラストやキャッチコピーで組合情宣誌に定期連載。
社内で守れていないマナーは会社周辺の公共の場所にも表れ、そういった行動を地域の人はしっかり見ているぞ、
というメッセージを発信しています。

基本的なマナーばかりですが、一人ひとりが当たり前のことを意識することで、少しずつ職場や会社が変わり、
まずは身近な地域の人たちからの社員イメージ、引いては企業イメージが向上することが期待されているのです。
会社所在地の周りに住む人たちから「あそこの社員さんはさすが」と言われない限り、
企業イメージや企業ブランドなど確立すべくもない、ということです。

会社のブランドイメージを上げたいとき、良い仕事をして良い商品・サービスを提供することだけでなく、
社内外の誰から見られていても恥ずかしくない行動をとれる人づくりの重要性、そしてそれを支援するのは
労働組合の役割に他ならないと気づかされました。

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■ 広島開催「U学」のご案内■

弊社広島支店では、少人数制貸切セミナー「U学」を立ち上げました。
主に広島エリアに拠点・職場があり、↓のような課題を抱える皆様にうってつけです。

・広島に支部はあるが、支部単位の役員教育はできていない。
・広島に営業所があり職場委員はいても、執行委員や支部役員は違う場所におり職場の組合活動が停滞気味。
・広島から離れた都市での集合研修はスケジュール調整が難しく、近場で学習できる場がほしい。

~詳細はこちらから(弊社HP内)~
https://j-union.com/-/pands/nlog/viewer/view.php?ID=279&CID=10248&AID=91666&start=30

血のつながり以上に大事なモノ
三橋 秀郎
2016/06/19

先日、嫁の父が亡くなり、感じたことを書かせていただきます。

急な事故で倒れてから亡くなるまで9時間程度という、あっという間の出来事でした。

嫁と結婚してからの出会いですので10年程度のお付き合いでしたが、亡くなった時は、
血のつながっている身内以上の悲しみで不思議な気持ちでした。

 『なぜ、こんなに悲しいのだろう?』
思い返してみると彼の日々の言動にあることがわかりました。

・初めて紹介された時に何者かもわからない私を笑顔で迎え入れてもらった

・その後、お会いする時もいつも笑顔で握手をしてくれる

・一緒にどこかに出かけるにしても、相手()の事を考え、気遣いや心配りをしてくれる

 

おそらく彼は誰に対しても同じような対応をしてきたのだろうと思われる。

果たして自分が同じような立場になった時に同じような対応ができるであろうか?

 身内だからするしない、他人だからするしない ではなく、
どれほど相手の事を大事に思っているか、またその想いを
態度や行動に移せるかを痛感した出来事でした。

我が選択が、我が人生を決める
小野 晋
2016/06/05
○○で人生が決まる

よくある先生のセリフ
「大学で人生が決まる」
よくある先輩のセリフ
「就職先で人生が決まる」
よくある上司のセリフ
「若い頃の苦労で人生が決まる」
「○○で人生が決まる」とよく耳にする中で、本当に人生を決めるものとは何かに思いを馳せた時、私が腹落ちしたのは「選択で人生が決まる」です。

選択の積み重ね

朝、目覚ましが鳴り、「すぐ起きようか?」or「もう少し寝てようか?」の小さな選択。
この選択によって、例えば朝の家族との会話のスタート「おはよう(笑)」と「いつまで寝てるのよ(怒)」や、目にする朝のTVニュースが変わります。
食事で、「腹八分で終わらせておこうか?」or「もう少し食べようか?」の小さな選択。
この選択によって、お腹がよりメタボに成長するか否かが決まります。
職場の先輩に飲みに誘われた席で、労働組合の役員になって欲しいと頼まれて、
「断るのは悪いから引き受けようか?」or「頑として断るか?」の選択によって、その後の人脈形成が変わります。
ある同僚が元気がない気がするので、「ちょっと声掛けて話を聞いてみようか?」or「今は忙しいからまた今度にするか?」の選択によって、職場の風土が変わります。
組合員から聞かれ自分が答えられなかったことを、「調べて勉強した後に伝えよう」or「別に約束していないからいいか」。
この選択によって、組合員からの期待が変わります。
何かに挑戦し続けている時に、「辛いけど頑張ろうかな」or「辛いからもうやめてしまおうか」の選択。この選択によって、
実行が中断され失敗に終わるのか持続して可能性が残るのかが決まります。
人は、日々の選択を積み重ねて生きています。そして、何を選択するかで、その人の人生は徐々に変化し、その積み重ねで結果的に大きな違いが生じるのです。

「選択と実行」

私は当初「選択と実行」によって結果は決まると考えていたのですが、よくよく考えてみると「実際に実行するか否かも自分で選択している」と考えると、
結局は「選択」によって実行も決まっていると気づきました。
例えば、現場改善でよく使われる「PDCA」サイクルも、「P:計画を選択し」、「D:実行することを選択し」、「C:検証内容を選択し」、
「A:改善策を選択する」わけですので、簡単に言えば「選択と実行」であり、突き詰めれば、PDCAサイクルの肝は、「どう選択するか」であると言えます。

「選択」と「環境」と「運命」

しかし、ここで私自身の考えに異論を挟むと、「人生は何が起こるのかわからないものであり、自分が選択できないことが沢山あるではないか。
つまりは選択だけが人生を決めるものではない」とも言えます。ザックリ言って、「選択」の他に「環境」と「運命」の三つによって、人の人生は決まると考えられます。
その三つをよく考えてみると、「環境」や「運命」というものは、自分の力や意思だけでコントロールは難しいものです。三つの中で、
唯一、自分の力というか意志でコントロール可能なものが「選択」なのです。さらには自分の「選択」によって、「環境」や「運命」さえも変えうる力を秘めています。
従って、自分の人生は、この「選択」によって切り開いていかなければならないと、私は腹落ちしたのです。
もし仮に「俺の人生なんて、どうせこんなものだ」という風に(卑屈になり)自分の人生を常に卑屈な視点で選択しているとしたら、私自身の人生を自ら卑屈になるように、
選択して招き入れることとなり「そのあきらめの人生を」歩むことになってしまいます。

「選択は意とする志を決定すること」

「選択」は言い換えると「意志決定」です。自分自身の「意とする志を決定する」ことと置き換えてとらえるのがポイントです。
賢者の選択は、その根っこに、しっかりとした哲学、思想、信条、倫理観が存在し、それに基づく志を持ち(意とする志を定め)判断の軸がぶれることがありません。
「例え小さな選択でさえ、常に志を持って決定すること」
これこそ、自分の人生を良き人生に導く重要なポイント(コツ)です。
「自分の人生と『その環境も運命さえも』、自分の「選択」で決まる。だからこそ、小さなことも志を持って「選択」すること」
その選択が、あなたの人生を大きく変えることは、間違いありません。

以上、何かのネタになれば幸いです。

コミュニケーション下手のコミュニケーション体験
檜垣 沢男
2016/05/29
この仕事に携わって、もうすぐ10年になる。


労働組合の活動を通じて使われる最も多い(たぶん)キーワードは、
「コミュニケーション」である。

人は、一人では生きていけない。
だから、「コミュニケーション」は大事だ。

労働組合に限らず、ビジネス、政治、地域社会、子育てにいたるまで、何はともあれ全ては「コミュニケーション」である。
特に「人材育成」に関わる仕事をしていて、この言葉を聞かない日はない。


しかしこの言葉ほど、その定義が曖昧な言葉も珍しい。

誰もが「コミュニケーションは重要だ」と思っているが、
「これがコミュニケーションだ」という共通の理解は存在しない。

(だからこそ、「コミュニケーション研修」という名前の研修が無限にあるし、
また商売としても成り立つのだが)


このあまりに広く流通する言葉に触れるたびに、思い出すことがある。


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ちょうど10年前の今頃、
私は日本から10,000km離れた土地にいた。


東ヨーロッパの端、リトアニアという国。
東をベラルーシ、南をポーランド、
バルト海を挟んだ西はスウェーデンと国境を接する、人口300万人の小国だ。


当時は、22歳の大学四年生。
大学の交換留学の制度で約10ヶ月間、カウナスというリトアニア第二の街で現地の大学に通っていた。


国の言語は、「リトアニア語」。
リトアニアに暮らす日本人は、大使館関係者を含めても30人ほどしかいない。

授業自体は英語なので(当時は)何とか付いていけた。
しかし一歩街へ出れば、バスや電車に乗るのも、パンや肉を買うのも、
そして寮の管理人のおばさんに必要事項を伝えるのにも、リトアニア語を必要とする。


週に三回語学のクラスはあるが、そう簡単に身に付けられる言語ではない。
最後まで、片言以上の意思疎通をできるようにはならなかった。


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挨拶以外で私が最初に覚えたリトアニア語は、
「aštuoni nulis du」。

802。

寮の部屋番号だ。



その言葉が、私がリトアニアで暮らすために越えるべき最初の「コミュニケーション」だった。


寮の入口には、真っ赤なブレザーを来た派手なおばさんが座っている。

出入りするには、
部屋の鍵をそのおばさんに預け、帰ってきたら、受け取らなければならない。


毎朝、入り口にいるおばさんに「Labas rytas(おはよう)」と言って鍵を預け、大学へ行く。
毎晩、おばさんに「aštuoni nulis du(802)」と告げて鍵を受け取り、部屋へ帰る。


おばさんだって1ヶ月もすれば、
この東洋人の留学生が「802号室」の住人であることくらいはわかる。

私の顔を見るなり、おばさんは「802号室」の鍵を持って待ち構えているのだが、
あえて、お互いに「aštuoni nulis du」と言ってから鍵を受け渡す。

そんな「会話」にもならない会話を、
それから約10ヶ月の間、毎日毎日繰り返した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その日も、いつもと同じように、
おばさんは真っ赤なブレザーを着ていた。

私もいつものように、
「Labas rytas」と言って鍵を預けた。

でも、その日だけは特別だった。


私は大きなバックパックを背負って、
初めておばさんにまともに話しかけた。

「Vaziousiu i Japona siendien (今日、日本に帰るんだ)」.
「Tikrei?(あら、本当に?)」



そこから約30分間、
確かに私はおばさんと、リトアニア語で「会話」をした。

どんな話をしたのか、今となってはもう覚えていない。
1年間でかろうじて覚えた単語や文章を、思いつくままに並べただけだ。


それでも、おばさんが私の言おうとしていることを理解してくれていることがわかったし、
私も、おばさんが名残惜しんでくれていることを理解することができた。


そこにはもう、「aštuoni nulis du」という“共通言語”はなかったが、
私は確かに、おばさんと「コミュニケーション」をしていた。


友達もほとんどできず、休日も独りぼっちで過ごすことが多い留学生活だった。

それでも、帰りの飛行機の中で、不思議と楽しかったことばかりを思い出してしまったのは、
最後の最後に、些細だけれど確かな「コミュニケーション」を体験できたからかもしれない。


別れ際に交わした「Viso garo (さようなら)」という言葉と、
派手な金髪のパーマで手を振るおばさんの姿は、今でも忘れられない。



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リトアニア語の「さようなら」は、
直訳すると「Viso(全て) garo(よい)」という意味だ。


「コミュニケーション」というこの曖昧な言葉には、
人生を豊かにする鍵が隠されているのだろう。
「全てを良くする鍵」だと言ってもいいのかもしれない。

「それ」は、言語が違っても、会話が上手でなくても、体験することができる。


あの日から、もう10年が経つ。
それは本当に小さな体験にすぎないが、今の私を確かに支えている。

コミュニケーション下手なりに、
一人でも多くの人が、「よい体験ができたね=Viso garo」と感じられる仕事をしたいと思う。
~納得力を高める合意形成の仕方とは~
丸山 由紀夫
2016/05/15
~納得力を高める合意形成の仕方とは~

・何時間も話し合いをしているのに、なかなか意思決定出来ない会議…
・決めたことに対しての納得度が低い...

いずれも多くの組合で聞かれる悩みである。したがって、今回は、納得力を高める合意形成の仕方について述べることとする。

そもそも、合意形成とは、各人にとっては必ずしも最良の案ではなくても、“メンバー全員が支持できる” 案を全体で作り出していくことを言う。
参考までに、その他の合意と呼ばれるには大きく4つの種類がある。

A:独断→1人のアイデアや意見で決めていく
B:調停(説得)→各人の意見を取り入れつつも、最終的には1人が意思決定
C:合意形成→全員参加で合意を形成する
D:多数決→過半数の有無の合意

会社であれば、Bのパターンで多くの企業は意思決定している。またAパターンは創業者やカリスマ経営者等、大きな権力を有している方が組織にいる場合にみられる意思決定パターンである。

一方、組合の場合は原則的に任意参加が基本の組織である。よってポジションパワーが行使出来ない為、必然的にCまたはDのパターンで意思決定を行うことが多い。
したがって、いかに納得力を高める為の運用の仕組み(会議や対話の進め方)が、組合活動の求心力と実行力に直接的につながるのである。

今回は納得力を高める手法の1つである、合意形成力を高める話し合いの手法をお伝えする。

この手法の要諦は、何をするかだけではなく、なぜ(何のために)それを行うか、そしてそれを決める判断基準ついて、参加者に十分に理解してもらう状態を目指すことである。

■例を示すと下記の通りである。
~組合の夏イベントで何をするかを決めたい~
Aさん:海水浴
Bさん:山登り
Cさん:スポーツ大会

まずは、イベントを開催する事の意味や意図、思いを各人に丁寧に伝える
そして、上記に理解を得られた上で、みんなのアイデアをもらい、決め方の基準について合意する(例:簡単に実施出来る、老若男女が参加できる等)
その上で、アイデアをもらい、イベント案を決定していくのである

流れを示すと、次の通りである。
①なぜこのイベントを開くか
→組合員と家族のコミュニケーションを高める機会にしたい。
②判断する基準
→組合員とその家族(老若男女)でも参加しやすい内容
③イベントのアイデアをもらう
④決定

①②のプロセスを丁寧に行うことが、④決定の納得感を高める大きなポイントである。

必ずしも最終案には賛成出来なくても、イベントの開催意図やねらい・目的は理解し、何がしかのイベントを開催する必要があることは全員が理解している。
この状態が合意形成が出来ており、かつ、各人のイベントに対する納得度が高まっている状態なのである。

今回お伝えした手法は、合意形成する力を高め、職場での実行力を高める為の1つの方法である。
合意形成の仕方に悩んでいるリーダー、組合活動の実行力が弱いと悩んでいるリーダーには、是非試して頂きたい手法である。