EUの加盟国は加盟時に「財政赤字を国内総生産(GDP)の3%以内」(安定・成長協定)に抑えることが義務づけられている。ヨーロッパには国の頭文字をとってPIIGS(ピー・アイ・アイ・ジィー・エス)と呼ばれる不良債権国がある。
市場では「これらの国が債務不履行(デフォルト―国が借金を返せなくなること)を起こすのではないか」との見方が強い。
PIIGSの財政赤字の状況は、国内総生産に対し、Pのポルトガルが8.0%、Iのアイルランドが14.7%、もう一つのIのイタリアが5.3%、Gのギリシャは12.2%、Sのスペインは10.1%と、のきなみEU基準を上回っている。
日本は7.4%だが普通国債残高(累積)は2009年度末の見込みで592兆円に達しており、GDPに対しては189.3%(ギリシャ124.9%、イタリア116.7%、アメリカは83.9%)でギリシャの比ではない。
ギリシャやポルトガルなど多額の債務を抱えるこれら欧州5カ国は、向こう3年間で総額2兆8500億ドルの債券の借り換えに直面する。
これらをEUとして救済するなら最大250億ユーロ(約3兆円)が必要となり、もし救済できないとなるとギリシャが足を引っ張りユーロが急落するとみられ、このギリシャの状況は、日本の数年後の姿なのかもしれないといわれている。
2008年4月ころから見られた。アジアの生産レベルは市場に流れるドルと増加する米国の消費需要によって飛躍的に上昇、それによって原油と原材料価格を高騰させた。
ヨーロッパでは、原材料の価格が上昇するに伴って、急激なインフレ予想と金利の上昇が見られ、ドイツではガソリン価格は1リットルあたり約270円(2006年で186円)にまで上昇した。
同時に、欧州中央銀行は、インフレ対策として金利の引き上げを始めた。
このとき、ユーロは対ドルで1.60ドル、対円で170円に届きそうなところまでユーロ安となっていたため、国内需要は急速に衰退した一方で、ヨーロッパ企業は原材料の値上げと金利上昇に直面した。
またヨーロッパの主要銀行は、ヨーロッパ統合と規制緩和によって銀行が国境を越えてヨーロッパ全域で業務を行うことができるようになったので、銀行は高貯蓄・低金利の加盟国で預金を集め、アイスランド・アイルランドのような地域的なブームに沸くハイリターンな市場や、米国の金融デリバティブに投資してきたため、金融危機でとくに強い打撃を受けることになる。
しかもヨーロッパは、[1]ほとんどの利益がハイリスクの投資銀行業務にたよっていたこと。
[2]ヨーロッパには日本の金融庁のような統一的な金融規制当局がなく、適切な時期に必要な資金を供給できる中央政府もないため、EUで共済措置を実施するのは難しいこと。
[3]国内市場ではしっかりと規制を受けているように見えるが、国内の規制当局は、銀行が国境を越えて、あるいは国際的な金融市場において徐々に積み上げてきたリスクに気づかないという致命的な欠陥を抱えていた。
そのため、EU加盟国の対応はバラバラとなり、協調した財政的・戦略的対応をとることについて合意できず、各国が個別に救済政策の実施を行った。
資産バブルが崩壊した諸国では、これらの救済策が前例のない規模でなされたが、そうでない加盟国では解決のために殆ど何もなされなかった。
イギリスでは、2009年の公的赤字はGDPの8%を超えそうであり、アイルランドでは7%、スペインでは5%、そしてフランスですらGDPの5%の赤字が見込まれている。
一方、初期の計画ではGDPの1%すら超えていないドイツは、財政的に無責任であるとして他の加盟国を批判、2011年11月のEU共同債(国別ではなくEU全体が同一の債権―EU全体が共同で発行する債権なので財政がいい国も悪い国も同一に扱われる)に対してドイツが反対するのも、あるいはまた、「財政赤字がGDPの3%を超えた場合には制裁を課す」と主張するのも、放漫財政を繰り返している不良債権国に、ドイツの税金を使うわけにはいかないという思いからで当然の主張でもある。
さて具体的な危機の真っ只中にあるギリシャだが、2009年10月、ギリシャで旧政権(新民主主義党)からパパンドレウ新政権(全ギリシャ社会主義運動)への交代が起こり、それまで対GDP比3.7%とされた財政赤字が実際には12.5%であると発表された(前政権が隠蔽して少なく粉飾していた赤字で2010年4月には13.6%に修正された)。
国債の粉飾にはゴールドマン・サックスとの不適切なデリバティブ取引が関係していたとされる。
ギリシャは小さい国(人口1,100万人、GDP3,600億ドル)だから自力での解決は不可能である。
12月16日にはスタンダード&プアーズ(S&P)が、ギリシャの長期格付け「A-」を「BBB+」に1段階引き下げたためユーロ売りが始まる。
そして翌年1月12日、欧州委員会がギリシャの統計上の不備を指摘したことが報道され、ギリシャの財政状況の悪化が表面化することになる。
政府は直ちに、財政赤字を対GDP比2.8%以下にするとした3カ年財政健全化計画を閣議で発表するが、その前提が実現不可能で楽観的な経済成長予測であったため、格付け会社は、相次いでギリシャ国債の格付けを引き下げ、債務不履行の不安からギリシャ国債が暴落した。
株価も影響を受け、世界各国の平均株価が下落し、ユーロも多くの通貨との間で下落した。
欧州連合ではユーロ圏諸国に対して、ユーロ経済圏の秩序維持のために冒頭に記したように起債上限額を制限している(安定・成長協定)が、ギリシャは、こうしたルールを破ることとなったため、欧州各国が協調して問題に取り組むことになったものの、ドイツなどとの間で足並みの乱れも見られた。
欧州では、ギリシャのほか、スペインやポルトガルなども財政赤字の拡大に苦しんでおり、こうした国へ飛び火することも懸念されたためである。
ギリシャでは2010年2月から断続的にストライキ、デモが行われており、2月と3月には追加の財政再建策撤回を求めてギリシャ労働総同盟・ギリシャ公務員連合が24時間のゼネラル・ストライキを行い275万人が参加した。
メーデーのデモが行われデモ隊と警官隊が衝突、けが人が出る事態となる。
5月5日に行われたデモでは火炎瓶が銀行に投げ入れられ銀行員に死者が出る事件となった。
このデモの様子は日本のテレビでも放映されたが、ギリシャの放漫な財政運営は今に始まったことではない。
国際経済学者で2011年4月から日本銀行政策委員会委員を務めている白井さゆり氏は、放漫財政が運営されてきた理由を以下のように指摘している。
[1]身の丈に合わない年金制度→「社会保障給付費」と「人件費」が利払い後歳出の7割を占める。
年金給付水準が現役時代と大差なく他の先進諸国と比べて高いこと、並びに年金受給開始年齢が早くて55歳前後であること
[2]政権交代のたびに拡大を続けた公務員の増加→王政崩壊後、政権交代があるたびに公務員としての雇用を増やしてきたこと。
ギリシャには公務員が約100万人おり、全労働人口の25%を占めている。
[3]脱税文化を持つギリシャ→脱税や税務署職員の汚職が蔓延しており徴税能力の低さにつながっている。
例えば自営業者は一定水準の所得以下になると無税となることから領収書を発行しない、税務署職員に対する賄賂による脱税などが頻繁に行われている。
などを挙げている。
日本がギリシャを上回る累積の赤字国債を発行しているにもかかわらず、国際的には日本が信用されている理由として二つ挙げられている。
ひとつは、国債の引き受け手である。
日本の国債は、他国と違って外国が買っているわけではない。
日本の借金の最大の引き受け手は国内で機関投資家が62.4%、年金基金が15.8%、日銀が7.5%、一般個人が5.2%である。
つまり日本国民自身で借金を引き受けていることになり、外国からはわずか5.8%しか借りていないことになる。
だから外国からの評価が高いのである。
しかし、これを裏返してみれば、日本国民の多くが銀行や郵貯から預貯金を引き出そうとすれば、債券を発行している国に返済能力はないから破綻をきたすことになる。
もう一つの理由は、円高デフレでヨーロッパのようなインフレになっていないことである。
円高によって輸入品の国内価格は下がり続けていることがあげられている。
国の財政は、選挙目当てに政府が国民の機嫌を取ろうとすると、赤字はますます増え続ける。
国民の支持をとるためには不人気な政策は採りにくい。
支持が減っては政権が取れないからである。
言い換えると、国民自身が例え国の財政が危機に瀕しても自分に不都合な政策には反対する。
日本の膨大な財政赤字を前にしてもなお、税金を湯水のように使う公共投資を続け、それによっていずれ景気が良くなって税収が伸び、借金を返せばいいと夢見て、今もって公共投資のために借金をしろとの主張も多い。
借金返済のために、借金という負の遺産を後世に残さないためにも消費税の引上げは避けられないとの正論も、国民に不人気で選挙に不利だから「増税反対」の声に押しつぶされてしまうのだろうか。
年金支給開始年齢を65歳から67歳に引き上げるのも、反対が多いからと見送られてしまう。
「借金が膨らもうとギリシャのように年金は一円でも多く、1歳でも若いうちからもらえるようすべきだ」。
日本の年金制度は物価スライド制をとっている。
物価が下がれば年金支給額も下げなければならないはずだが、自民党時代に特例と称して引き下げを見送ってしまった。
その後も続けてきたことで本来の趣旨と違って高い給付のままになっている。
それを本来の水準に戻そうとしても受給者の反対の声に紛糾している。
民間に比べて税金を使って高い給付をしている公務員の年金を民間と一緒にしようとする「年金の一元化」も、公務員や労働組合の反対で見送られてしまう。
社会保障は至れり尽くせりで、医療費の負担も少ない。
家の周りはすべて舗装され、高速道路は国中に張り巡らされ、チョッとだけ離れたところに飛行場が整備され便利この上ない(民主党政権になって日本に97もの飛行場がつくられていたことが明らかになった)。
だけど税金は出したくない。
お金は湯水のように沸いてくるのだろうか。
公務員の削減や給与引き下げには反対、年金の引き下げにも反対、財政の赤字削減の緊縮財政にも反対、すべて自分たちの懐に影響を持つものを守り、そして税金を増やすことにも反対する。
いずれどこかの国が助けてくれるか、よく分からないが何とかなるだろう…。
世界中に注目されているギリシャの現状は、日本の今とどこが違うのだろうか。
(2011年12月11日 資料出所・ウィキペディア)
市場では「これらの国が債務不履行(デフォルト―国が借金を返せなくなること)を起こすのではないか」との見方が強い。
PIIGSの財政赤字の状況は、国内総生産に対し、Pのポルトガルが8.0%、Iのアイルランドが14.7%、もう一つのIのイタリアが5.3%、Gのギリシャは12.2%、Sのスペインは10.1%と、のきなみEU基準を上回っている。
日本は7.4%だが普通国債残高(累積)は2009年度末の見込みで592兆円に達しており、GDPに対しては189.3%(ギリシャ124.9%、イタリア116.7%、アメリカは83.9%)でギリシャの比ではない。
ギリシャやポルトガルなど多額の債務を抱えるこれら欧州5カ国は、向こう3年間で総額2兆8500億ドルの債券の借り換えに直面する。
これらをEUとして救済するなら最大250億ユーロ(約3兆円)が必要となり、もし救済できないとなるとギリシャが足を引っ張りユーロが急落するとみられ、このギリシャの状況は、日本の数年後の姿なのかもしれないといわれている。
2008年4月ころから見られた。アジアの生産レベルは市場に流れるドルと増加する米国の消費需要によって飛躍的に上昇、それによって原油と原材料価格を高騰させた。
ヨーロッパでは、原材料の価格が上昇するに伴って、急激なインフレ予想と金利の上昇が見られ、ドイツではガソリン価格は1リットルあたり約270円(2006年で186円)にまで上昇した。
同時に、欧州中央銀行は、インフレ対策として金利の引き上げを始めた。
このとき、ユーロは対ドルで1.60ドル、対円で170円に届きそうなところまでユーロ安となっていたため、国内需要は急速に衰退した一方で、ヨーロッパ企業は原材料の値上げと金利上昇に直面した。
またヨーロッパの主要銀行は、ヨーロッパ統合と規制緩和によって銀行が国境を越えてヨーロッパ全域で業務を行うことができるようになったので、銀行は高貯蓄・低金利の加盟国で預金を集め、アイスランド・アイルランドのような地域的なブームに沸くハイリターンな市場や、米国の金融デリバティブに投資してきたため、金融危機でとくに強い打撃を受けることになる。
しかもヨーロッパは、[1]ほとんどの利益がハイリスクの投資銀行業務にたよっていたこと。
[2]ヨーロッパには日本の金融庁のような統一的な金融規制当局がなく、適切な時期に必要な資金を供給できる中央政府もないため、EUで共済措置を実施するのは難しいこと。
[3]国内市場ではしっかりと規制を受けているように見えるが、国内の規制当局は、銀行が国境を越えて、あるいは国際的な金融市場において徐々に積み上げてきたリスクに気づかないという致命的な欠陥を抱えていた。
そのため、EU加盟国の対応はバラバラとなり、協調した財政的・戦略的対応をとることについて合意できず、各国が個別に救済政策の実施を行った。
資産バブルが崩壊した諸国では、これらの救済策が前例のない規模でなされたが、そうでない加盟国では解決のために殆ど何もなされなかった。
イギリスでは、2009年の公的赤字はGDPの8%を超えそうであり、アイルランドでは7%、スペインでは5%、そしてフランスですらGDPの5%の赤字が見込まれている。
一方、初期の計画ではGDPの1%すら超えていないドイツは、財政的に無責任であるとして他の加盟国を批判、2011年11月のEU共同債(国別ではなくEU全体が同一の債権―EU全体が共同で発行する債権なので財政がいい国も悪い国も同一に扱われる)に対してドイツが反対するのも、あるいはまた、「財政赤字がGDPの3%を超えた場合には制裁を課す」と主張するのも、放漫財政を繰り返している不良債権国に、ドイツの税金を使うわけにはいかないという思いからで当然の主張でもある。
さて具体的な危機の真っ只中にあるギリシャだが、2009年10月、ギリシャで旧政権(新民主主義党)からパパンドレウ新政権(全ギリシャ社会主義運動)への交代が起こり、それまで対GDP比3.7%とされた財政赤字が実際には12.5%であると発表された(前政権が隠蔽して少なく粉飾していた赤字で2010年4月には13.6%に修正された)。
国債の粉飾にはゴールドマン・サックスとの不適切なデリバティブ取引が関係していたとされる。
ギリシャは小さい国(人口1,100万人、GDP3,600億ドル)だから自力での解決は不可能である。
12月16日にはスタンダード&プアーズ(S&P)が、ギリシャの長期格付け「A-」を「BBB+」に1段階引き下げたためユーロ売りが始まる。
そして翌年1月12日、欧州委員会がギリシャの統計上の不備を指摘したことが報道され、ギリシャの財政状況の悪化が表面化することになる。
政府は直ちに、財政赤字を対GDP比2.8%以下にするとした3カ年財政健全化計画を閣議で発表するが、その前提が実現不可能で楽観的な経済成長予測であったため、格付け会社は、相次いでギリシャ国債の格付けを引き下げ、債務不履行の不安からギリシャ国債が暴落した。
株価も影響を受け、世界各国の平均株価が下落し、ユーロも多くの通貨との間で下落した。
欧州連合ではユーロ圏諸国に対して、ユーロ経済圏の秩序維持のために冒頭に記したように起債上限額を制限している(安定・成長協定)が、ギリシャは、こうしたルールを破ることとなったため、欧州各国が協調して問題に取り組むことになったものの、ドイツなどとの間で足並みの乱れも見られた。
欧州では、ギリシャのほか、スペインやポルトガルなども財政赤字の拡大に苦しんでおり、こうした国へ飛び火することも懸念されたためである。
ギリシャでは2010年2月から断続的にストライキ、デモが行われており、2月と3月には追加の財政再建策撤回を求めてギリシャ労働総同盟・ギリシャ公務員連合が24時間のゼネラル・ストライキを行い275万人が参加した。
メーデーのデモが行われデモ隊と警官隊が衝突、けが人が出る事態となる。
5月5日に行われたデモでは火炎瓶が銀行に投げ入れられ銀行員に死者が出る事件となった。
このデモの様子は日本のテレビでも放映されたが、ギリシャの放漫な財政運営は今に始まったことではない。
国際経済学者で2011年4月から日本銀行政策委員会委員を務めている白井さゆり氏は、放漫財政が運営されてきた理由を以下のように指摘している。
[1]身の丈に合わない年金制度→「社会保障給付費」と「人件費」が利払い後歳出の7割を占める。
年金給付水準が現役時代と大差なく他の先進諸国と比べて高いこと、並びに年金受給開始年齢が早くて55歳前後であること
[2]政権交代のたびに拡大を続けた公務員の増加→王政崩壊後、政権交代があるたびに公務員としての雇用を増やしてきたこと。
ギリシャには公務員が約100万人おり、全労働人口の25%を占めている。
[3]脱税文化を持つギリシャ→脱税や税務署職員の汚職が蔓延しており徴税能力の低さにつながっている。
例えば自営業者は一定水準の所得以下になると無税となることから領収書を発行しない、税務署職員に対する賄賂による脱税などが頻繁に行われている。
などを挙げている。
日本がギリシャを上回る累積の赤字国債を発行しているにもかかわらず、国際的には日本が信用されている理由として二つ挙げられている。
ひとつは、国債の引き受け手である。
日本の国債は、他国と違って外国が買っているわけではない。
日本の借金の最大の引き受け手は国内で機関投資家が62.4%、年金基金が15.8%、日銀が7.5%、一般個人が5.2%である。
つまり日本国民自身で借金を引き受けていることになり、外国からはわずか5.8%しか借りていないことになる。
だから外国からの評価が高いのである。
しかし、これを裏返してみれば、日本国民の多くが銀行や郵貯から預貯金を引き出そうとすれば、債券を発行している国に返済能力はないから破綻をきたすことになる。
もう一つの理由は、円高デフレでヨーロッパのようなインフレになっていないことである。
円高によって輸入品の国内価格は下がり続けていることがあげられている。
国の財政は、選挙目当てに政府が国民の機嫌を取ろうとすると、赤字はますます増え続ける。
国民の支持をとるためには不人気な政策は採りにくい。
支持が減っては政権が取れないからである。
言い換えると、国民自身が例え国の財政が危機に瀕しても自分に不都合な政策には反対する。
日本の膨大な財政赤字を前にしてもなお、税金を湯水のように使う公共投資を続け、それによっていずれ景気が良くなって税収が伸び、借金を返せばいいと夢見て、今もって公共投資のために借金をしろとの主張も多い。
借金返済のために、借金という負の遺産を後世に残さないためにも消費税の引上げは避けられないとの正論も、国民に不人気で選挙に不利だから「増税反対」の声に押しつぶされてしまうのだろうか。
年金支給開始年齢を65歳から67歳に引き上げるのも、反対が多いからと見送られてしまう。
「借金が膨らもうとギリシャのように年金は一円でも多く、1歳でも若いうちからもらえるようすべきだ」。
日本の年金制度は物価スライド制をとっている。
物価が下がれば年金支給額も下げなければならないはずだが、自民党時代に特例と称して引き下げを見送ってしまった。
その後も続けてきたことで本来の趣旨と違って高い給付のままになっている。
それを本来の水準に戻そうとしても受給者の反対の声に紛糾している。
民間に比べて税金を使って高い給付をしている公務員の年金を民間と一緒にしようとする「年金の一元化」も、公務員や労働組合の反対で見送られてしまう。
社会保障は至れり尽くせりで、医療費の負担も少ない。
家の周りはすべて舗装され、高速道路は国中に張り巡らされ、チョッとだけ離れたところに飛行場が整備され便利この上ない(民主党政権になって日本に97もの飛行場がつくられていたことが明らかになった)。
だけど税金は出したくない。
お金は湯水のように沸いてくるのだろうか。
公務員の削減や給与引き下げには反対、年金の引き下げにも反対、財政の赤字削減の緊縮財政にも反対、すべて自分たちの懐に影響を持つものを守り、そして税金を増やすことにも反対する。
いずれどこかの国が助けてくれるか、よく分からないが何とかなるだろう…。
世界中に注目されているギリシャの現状は、日本の今とどこが違うのだろうか。
(2011年12月11日 資料出所・ウィキペディア)



